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右手に強欲を、左手に憤怒を。-異世界で全てを奪われた俺が全てを奪い返すまで-  作者: イカネコ
"英雄の墓標"編

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28作目 新たな任務

異能の特訓を始めて1ヶ月ほど経った。依然として錠前すら見つからず、ただ時間が過ぎていった。アラクネはそんなものだと言っていたが少し焦り始めていた頃、エースから急遽集合の号令がかかる。

広間のソファに集まり、地図の前でエースが立っていた。


「さて、違法娼館の件が表沙汰になりレント北部都市で平民が批判の声が大きくなっている。それに伴いブルムス公爵は失脚、帳簿に記入された貴族にも弾圧の声が上がり始めている」


エースはそう言ってブルムス公爵の絵にペンでバツ印を付け、続けた。


「公爵という大貴族の失脚により、内部情勢は大きく変わった。その影響で勇者は他国の学園に編入という形で亡命した」

「嘘でしょ!?」


アラクネが机を叩き声を荒らげる。


「大マジだよ、神聖国にあるミストレア魔法学園に編入した。最近勇者が鳴りを潜めていたのはそういうことだね」

「なんでよりによって神聖国なのよ…」


爪を噛み、苛立ちを隠しきれない様子だった。


「勇者の亡命に当たって、チームを神聖国と王国に分け、二分化しようと思う。王国チームは内政にちょっかいをかけ、神聖国は学園に潜入し勇者の監視をしてもらう」


内政は分からないし、勇者を殺せる機会のある神聖国チームに入れてもらえるといい。もちろんエースの指示には従うが、どうせなら機会を逃したくない。


「まぁみんな神聖国に行きたいだろうね、でも目的は殺すことじゃない。あくまで監視だ」

「そこが疑問なんだが、全員で学園に襲撃すれば勇者を殺せるんじゃねぇか?」

「無理だね、全員で戦っても勝てない、それくらい規格外なんだよアレは」

「無尽蔵の魔力に、無詠唱魔法の行使、国宝である魔剣の所持者かつ全ての剣術を納めている。あたしたちに勝てる相手じゃないよ、少なくともまだね」

「カトレアの言う通りで、全員死ぬのがオチだ。僕は確実に勝てる見込みがあるときにしか戦わないんだ」


そう言ってエースはニヤリと笑い、手を叩いて仕切り直した。


「神聖国ではカトレアをリーダーに据え、バルバトスとアストラに潜入してもらう。他のメンバーはこっち」

「理由は聞けるかの?」

「そうよ、潜入や監視なら私の十八番じゃない」

「カトレアが神聖国の地理に詳しいこと、年齢的に自然に学園に潜入できる2人を選んだ。アラクネは正直こっちのチームに必須なんだ、王国内部の奥深くにまで潜ってもらいたい」

「ワシやカクエンはなぜこっちなんじゃ?」

「騎士は国から動かない、万が一戦闘になった時アレと渡り合えるのはラーマしかいない。カクエンは僕と同じで情報収集が得意だからだ、詳しいことはまたあとで王国チームで話すよ」

「でも、この馬鹿は潜入にとことん向いてないのよ?異能だって潜入向きじゃないわ」


アラクネの言うことは最もだ。俺はレント北部都市で問題を起こしている、神聖国チームに行きたいとは言っていたが現実的に考えれば俺は外されるべきだ。


「なので今日から1年間、学園の試験日まで徹底的にしごきます。座学、剣術、魔法、異能、全ての時間を使ってこれらを鍛えます。座学は僕が、剣術はラーマが、魔法はカトレアが、異能はアラクネに教師をやってもらいます」


そう言ってエースが手を叩くとラーマは当然のように頷き、カトレアは呆れたようにため息を漏らし、アラクネは心底驚いていた。

少し見ない間にボロボロになっているアストラが俺の方を見てニヤリと笑った。


「どっちが強くなるか競争だね」

「どちらにせよ全力でやるだけだ」


驚いてエースに問い詰めてるアラクネを尻目に俺たちは拳をそっと合わせた。若干硬くなっている拳に少し驚いたが彼も訓練しているのだろう。

その日は1日異能の訓練に費やすことにし、明日から本格的に始まるとの事だった。もうスムーズに取り出せる銃を手に取り、撃つ。走ったり、滑り込んだり、様々な姿勢で目標に当たるようにひたすら撃ち続けた。アラクネに用意してもらった糸で吊るされた的は不規則に動き、精密な射撃の腕が必要となった。

しかし肝心の錠前は見つからず、射撃の腕前だけが向上していった。最近アラクネは糸で耳栓をして本を読んでいる、一向に進歩しない俺の異能に愛想を尽かしたのだろう。俺自信もこのデカイ衝撃音に少し辟易していた、どうにかして音を抑えれないかと試行錯誤して見るがどれほど工夫しても音は止まなかった。

その日も日が暮れるまで撃ち続け、いつも通り館に戻った。銃を仕舞うのも簡単に出来るようになり、今や左腕から出したり戻したり自由にできた。銃を撃たない間はひたすら出し入れをしてよりスムーズに動けるように心がけていた。

明日から久々に勉強というものをする、簡単な算術や文字くらいは姉さんから教えてもらっていたから出来たが学校に行くほどの勉強というのはかなり楽しみだった。

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