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奇妙な音

作者: 小雨川蛙

 

 ある日。

 世界各地で奇妙な音が鳴るようになった。


「鐘の音?」


 美しい音だ。

 まるで神の到来を告げるかのように響く、静謐な音。


 朝に一回。

 昼に一回。

 夜に一回。


 その音は鳴り続けた。


 不思議な音だ。

 まるで誰かに見守られているような、温かな音。


 朝に一回。

 昼に一回。

 夜に一回。


 幸せな音だ。

 まるで荒んだ心を癒そうとしているような、不思議な音。


 事実、人々は争いを止めた。

 原因不明のその音は人々の心から悪意や敵意を消していたのだ。


 人々は幸せだった。

 およそ、百年の間。


 ・

 ・

 ・


 百一年後。

 人類の最大の武器である悪意を取り除くことに成功した宇宙人達は予定通り侵略を始め、無血開城としか言いようのない美しい勝利を飾った。

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― 新着の感想 ―
 最も卑劣な詐欺の手口であり、最も恐ろしい侵略方法でもある。  人心を拐かす信仰の恐ろしさと共に平和ボケの何たるかをあらわすようで、子供に平和を教える折には併せて啓発にこちらを読み聞かせる位はした方が…
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