妻が切れ痔になったので手当てした
「ウ〇コしたらお尻痛いからちょっと見てくれる?」
僕の部屋に入ってきてズボンを降ろしながら妻はそう言った。
妻とは友達の友達という関係で知り合った。友達どうしで遊びに行ったとき、ショッピングモールのフードコートで率先してみんなの水を汲んできてくれたときに、あ、この子いいなと思ったものだ。
3年前に結婚して半年前に娘が産まれた。子育てはとにかくストレスが溜まる。夜中でもお構いなく泣き出すから生活リズムも狂いっぱなしだ。ただでさえ女性は便秘になりがちなのにこんな状態なので便は固くならざるを得なかった。
ちょっと前にも切れ痔になったので痔の薬を買っていた。
突き出されたちょっと大きめのお尻を眺めた。妻は大きさを気にしているが、僕は大好きだった。
お尻の穴のちょっと下を見ると出産のときの縫合痕が見える。この痕を見るたびによく頑張って産んでくれたと感謝の気持ちでいっぱいになる。
お尻の穴はちょっと切れて血も少し滲んでいる。僕が薬を塗ってやると、妻はお尻をくねらせて「痛い、痛い」と喚いた。
不謹慎だと思いながらもエロくてムラムラしたので、手を洗ったら押し倒そうと決めて洗面所に向かった。
洗面所で手を洗っていると赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。昼寝をしていた娘が目を覚ましたのだろう。
「子供が起きちゃったからまた後でね~♡」という妻の声が聞こえた。
あおう。
僕はおあずけをくらった犬のようにガックリしながらも、気を取り直して妻を手伝いに行った。
娘の顔を見ながら、この子もいつかお尻の穴を男に見せるようになるのだろうかとアホなことを考えてたら寂しいような切ないような何とも言えない気持になった。
このお話はフィクションです
徳田秋声の「仮装人物」にインスパイアされました。