七夜月の風と、星逢いの宙
七夜の夕べに
頬を流れる風は
短冊にこめた
願いをそっとゆらして
天空を舞いゆく
羽衣のように
たなびく雲の
合間からさしこむ
ひとすじの光が
照らす夕映えの彼方で
七つめの月が
東の空を駆け上がり
七つめの太陽が
西の空へ舞い降りて
七つの月と
七つの日を
時が刻みゆくとき
羽衣草はやわらかに
そよめきながら
丘に咲きわたる
セダムの花は月の色
溢れるような
星のかがやきを
その身に纏いながら
星逢いの空へ
羽ばたくアルタイルの光
熱を帯びた東の
地平線の彼方から
瑠璃色の空へと
飛び立つ彦星
時を駆け抜けて
空を駆け抜けて
そして夏を
駆け上がるように
星逢いの空へ
舞い降りるベガの光
夏の帷を
おろすように天頂から
やさしく降りそそぐ
織姫星の光
時を染めながら
空を染めながら
そして夏へと
舞い降りていくように
七夜月の風に
ゆれるいくつもの
短冊に描かれた
願いと祈りが
星を紡いで
宙に浮かび上がる
光の鳥が
広げる翼にのって
羽ばたき舞いゆく
星今宵の夜空に
流れる光の
天の川を越えて
星と星とが
巡り逢うように
心と心を流れる
川にも橋を
架ける言の葉がきっと
そして
遥かな宙へと
羽ばたこうとする
その願いを
夢と呼ぶとしたら
宙へと続く道を
描いていく
言の葉が、きっと
星逢いの空を
見つめる頬にそっと
七夜月の風が
やさしく吹き抜けて
星今宵の窓辺から
遥かな宙へと
心の橋を、想い描きながら
遥かな宙へと
心の橋を想い
描きながら
遥かな
宙へと
心の橋を
想い描き
ながら
遥か
な宙へと
心の橋を
想い描き
ながら
遥か
な宙へ
と心の
橋を想い
描き
ながら
遥
か
な
宙
へ
と
心
の
橋
を
描
き
な
が
ら
七
夜
月 や
の さ
風 し 遥
が く か
吹 な
き 宙
へ
と
短
柵
に
笹 こ
の め 星
笹 葉 た 逢
の 願 羽い
葉 い 星 ばの
は 今 た空
風 巡宵 くへ
に りの
そ 逢空
っ うで
と
ゆ 星
れ 逢
て 羽い
ばの
星 た空
今 くへ
巡宵
りの
逢空
うで
星
逢
星 羽い
今 ばの
巡宵 た空
りの くへ
逢空
うで
星
星 逢
今 羽い
巡宵 ばの
りの た空
逢空 くへ
うで
星
星 今
今 宵の
宵の空
巡で
り逢う
星
逢
羽い
ばの空
くたへ
光 光
の の
鳥が広げる鳥
翼へとが
のり広
げ
る
光
光 の
の 鳥
鳥翼が
に広
のげ
りる
七夜月 星今宵
織姫の その夜
星が舞い 風の中
降りてくる空
短冊に描いた
願いや祈りと共に
星を紡いで この
宙に浮かび上がるのは 今
想いが駆ける光の鳥
その導く先の の
七夕の夜を 宙 翼
駆けて へ
七夜月 瑠璃の
その風に吹かれ 空へと今
地平線を 宙へと 飛び立とうと
駆ける 彦星の背に光る翼広げて
時を駆け抜けて 夏へと
空をも駆け抜けて
その 向かう夢を
先へ 追いかけながら
渡りゆく道を
描 信じて進む
き じ 七夜の
て 夕べ
舞 ガ
い ベ
降りる
羽アル
ば タ
た イ
く ル
七夜月
天の川を超えて
星と星とが巡り逢う星今宵
心と心を流れる川に橋を架ける言の葉が
夢へ続く宙へ道を紡ぐ言の葉がきっとあると信じて
こと座のベガとわし座のアルタイルは、はくちょう座のデネブとともに「夏の大三角」をおりなす一等星で、ベガは「舞い降りる鷲」、アルタイルは「飛び立つ鷲」を表すアラビア語が由来とされます。
「星合いの空」は、年に一度、織姫星(織女星、ベガ)と彦星(牽牛星、アルタイル)が逢うとされる七夕の空をいい、作中では「星逢いの空」と表しています。七夜、星今宵は七夕、七夜月は7月です。
セダム(万年草)は、鮮やかな緑の葉に、初夏から星形のいくつもの花が咲き、花言葉は「星のかがやき」「枯れることのない愛」です。
季節の星や花をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。