第二話 恩返し
迫るタケノコ軍を殺しながら、レイはシェルターに急ぐ。
シェルターの場所が特定された可能性がある。
そりゃあ何年もシェルターの位置を変えていないのだから、見つかるのも当然といえば当然かもしれない。
何か回想シーンを入れるまもなく、シェルターに着く。
シェルターにはほんの数人の警備のキノコ軍がいるのだが、残念ながら死体となっている。
「……くそ」
目の前のシェルターを見ても、それを壊そうとするタケノコ軍
中から市民の悲鳴が聞こえる。第2シェルターへ行くために走っているのだろう。入口付近で無念に死んでいる人もいる
とにかく今できることは、シェルターを壊そうとするタケノコ軍を倒すこと。シェルターにむかい走る
シェルターの中ひとはほとんどいなかった。至るとすれば死体死体死体。また、守ることはできなかった。
しかし
「おぉっ!おお!おかあざんがあああ!!!!!!ぱぱもおおおおお」
子供の声が聞こえた。
レイは即座に声の先へ目を向ける。そこには同い年くらいの青年と子供がいた。その上には今にも崩れそうな岩。彼らはそれに気付かない
「不味い……」
今すぐ彼らのどこへ行きたいが、岩がおちてこれば、自分も死ぬ。どうすればいい、どうすれば
そのとき、遂に岩が崩れる。目の前で人が死ぬのは慣れっこだが、助けられる命を救けないなんて…
「んぎゃああああああああああああああああああああああ!?」
青年の叫び声がしたのと同じタイミングで、レイは
彼らの元へ駆け寄る。助けられる訳がない距離なのに、見捨てた方がいいのに
何故か、足が勝手に動いていた
火事場の馬鹿力が出る。おそらく今日最高の速さで岩へ飛び込み、2人の市民を抱えて岩を避ける
途中、足からガリッという音がした、今は知らない。
「ってえええー!」
ーー何とか二人の命を救うことができた。
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