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人嫌いな引きこもり少女はVの世界へ一歩踏み出す  作者: 泡月響怜
第一章、Vtuberデビュー!

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10/12

9、一歩目

「ふわぁ〜よくねたぁ〜」


もぞもぞと体をよじらせながらスマホに手を伸ばす。


「そういえば初投稿してから一度もつぶったー開いてなかったなぁ。みかんさんからめちゃくちゃ布教したって連絡あったけど、どうなったんだろう」


つぶったーを開いて確認すると私は驚愕した。


「フォロワー23000人⁈多すぎない?まだデビューもしてないんだけど?これが人気絵師の力かぁ。すごいな〜。」

「ここまで期待させておいて放置はよくないよね。ちょうどやることなくて暇だし、予定より早いけどデビューしちゃおうかな。ふわぁ〜」


そう決めた私は告知の文章をスマホに打ち込み投稿する。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

白雪氷凝@デビューします@shirayuki_hikori


お待たせしてすみません。今夜7時よりMetubeにてデビュー配信を行います。目の離せない最高の配信にして見せます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


常夏みかん:今から待機してるからね!!

     :上早すぎて草

     :やっときたー!

     :待ってます!

     :早く声が聴きたい…

     :いきなりすぎて草

     :あと三時間しかねえじゃんw

     :会社早退してきます。

     :やばいやついて草

     :絵畜生乙

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


投稿した瞬間にたくさんのコメントがついた。


「うわぁ…いっぱい待ってる…」


想像していた以上に待っていた人が多い。

MetubeとはMetuberという新たな職業を生み出した世界最大のオンライン動画共有プラットフォームである。

配信まではそんなに余裕があるわけではないので、お風呂と食事を手早く済ませる。ご飯は昨日の残り物をレンジで温める。私にだって温めることくらい出来るのだ。食事を済ませた後は、お風呂に入る。湯船は昨日愛美さんが洗っておいてくれたので、スイッチを押すだけでお湯が沸く。


「ふぅ〜気持ちいい〜ぽかぽかおふろ〜」


私はお湯に浸かるのが好きだ。大きな湯船を小さい体が一人独占する。こののびのび体をいっぱいに伸ばして肩まで浸かるのが最高に気持ちがいい。ちょっとお湯が勿体無いけど、波を起こしてぷかぷか浮かぶのも楽しい。これぞお風呂の醍醐味だよね。


お風呂から上がると大きなバスタオルに体を包み込んで濡れた体を一気に拭き取る。これだけで肩から足先までバスタオルに水が吸い取られる。しかしまだ頭が重い。私の髪は腰まであるので、なかなか乾かない。一度面倒で髪を切るのを先延ばしにしたら、気づいた時には何年も切らないままになっていた。


「あ〜髪が重い〜前後に頭を振ったら倒れそう。髪切ろうかな〜」


十分な時間をかけて入念に髪を乾かすと寝巻きに着替えて配信の準備をする。


「パソコンよし。カメラよし。マイクよし。配信時間も予約したから8時になったら自動で配信が開始されるし、これで大体の準備は完了。あとは配信時間までゆっくりしてよう」


配信まで後30分お気に入りのクッションに身を投げ出してごろごろする。ものの数分で私は意識を手放した。








◆配信チャット

2316人が待機しています。

     :ワクワク

     :ソワソワ

     :ドキドキ

     :↑お前ら息ぴったりだなw

     :正座待機

     :足痺れんなよw

     :もうそろそろだな

     :よな

8:00 配信が開始されました。

     :?あれ?

     :来ないな

     :遅刻か?

     : 初めてらしいし機材トラブルじゃね?

     :ミュートになってんのか?

     :でも立ち絵も何も出てないぞ

     :時間守れないとかw程度が知れるw

     :個人Vとか事務所落ちた落ちこぼれだしなw

     :は?今の時代そんな変わんねえだろ

     :そもそも配信者は社会不適合者定期

     :お前らも人のこと言えんだろうが

     :それな

     :つぶったーにも呟いてないしどうしたんだ?

     :炎

     :炎

     :炎

     :炎

     :炎

     :いい加減にしろ人のとこ荒らすな

     :それな常識弁えろ

     :さっさと帰れ

     :パチャ豚ピキピキで草

     :アンチは失せろ

     :お前ら音量上げろ!

     :なんだ?

     :?

     :マックスにすれば寝息が聞こえるぞ!

     :は?まじやん

     :うおおーきたー

     :間隔の長い呼吸…ぐっすりだな。

     :初めて聞く声が寝息とか草

常夏みかん:えぇ!?氷凝ちゃん寝てる?!

     :ママいて草

     :愛されてんなぁ

常夏みかん:起こしてくる!

     :ほんとのママみたいw

     :みかんママ頼んだー!

     :寝息でアンチが浄化されてて草





ピロンピロン♪


ベルのような高い機械音が必要最低限のものしかない部屋に響き渡る。


「んみゅう?…う〜ん…うにゃあ…」


高い音が耳に障ったのか耳を塞ぐように丸まりクッションに顔を埋める。


ピロンピロン♪


十回くらいコール音が繰り返されやっと氷華が反応を示す。


「ん〜…もしもし…」


()()ちゃん!配信始まってるよ!早く起きてー」

  

「みかんママ?配信?なんのこ…あ、今何時だっけ?」


時間を確認すると8時より15分程過ぎていた。パソコンに表示されているチャットを見ると、どうやら私は寝落ちをかまして配信に遅刻してしまったらしい。配信は予約していたから自動で開始され私の寝息が配信に乗ったため慌ててみかんママが電話を掛けてくれたようだ。


「みかんママ起こしてくれてありがとうございます。もう起きましたので後は見守っていてください」


「ほんとに大丈夫?このまま残って進行手伝おうか?」


「いえ大丈夫です。娘の晴れ姿を目に焼き付けてください」


「うん…!わかった!じゃあ頑張ってね!ちゃんと見てるから!」


みかんママとの通話を終えた私は白雪氷凝として気持ちを作り、立ち絵を出し、配信を始める。


「みなさんこんばんは。白雪氷凝です。この度は寝落ちをして遅刻してしまい申し訳ありませんでした。今後の再発防止に努め、精進いたします。さて、話は変わりますが私の自己紹介から始めさせていただきます」


     :強引に自己紹介に持ってったぞw

     :無理矢理w

     :全く反省してなさそうw

     :かわいいからヨシ!

     :敬語いいぞー


挨拶を終えた私はプロフィール欄を画面に写す。


「はい。こちらがプロフィールになります」


氏名:白雪(しらゆき) 氷凝(ひこり)

身長:143cm 誕生日:2月28日

好きなもの:メロンソーダ、アイスクリーム

苦手なもの:日光、運動


太古の昔に存在した名前すら忘れ去られた氷の国の皇女。気づいた時には現代日本にタイムスリップしていた。帝国の復活を夢見ている。


     :声がやべぇ

     :それな。ふわふわする

     :お姫様きたー!

     :初手謝罪は草

     :溢れ出るモノホン感

     :一生推すわ

     :声超綺麗…羨ましい

     :これは大当たり

     :アンチくん息してる〜w

常夏みかん:氷凝ちゃん大好き!

     :限界化してて草

     :はええよw

     :好物でメロンクリームソーダできて草

    

高速でチャットが流れていく。すごい量だ。みかんさんの人脈の広さに脱帽する。おっとぼーっとしている場合じゃない。早く進行しないと。


「プロフィール紹介も終えたところで、これからタグ決めを行っていきたいと思います」


「最初は私の配信タグですね。どんなのがいいですか?チャットで募集しますね」

 

     :難っ

     :名前からは無理そうだな

     :復興配信

     :帝国放送局

     :姫配信中

     :白雪劇場


いくつかの候補が挙がってきた。候補が少ないかもしれないが、まだ決めることはあるので即決する。


「では姫配信中でお願いします。次は私のファンアートタグですね。来るかどうかはわかりませんが」


     :絶対描く

     :私も!

常夏みかん:私も!

     :乗っかるなw

     :姫写像

     :姫の自画像

     :氷点画廊

     :姫写真


「氷点画廊…いいですね。ではそれで」


     :考案者です!ありがとうございます!

     :はえーすげー

     :語彙力死んでて草

     :頭こんにゃくレベル

     :へにゃへにゃw


「こんなものですかね。意外と早く終わりました」


     :まだだよー!

     :俺らは?

     :ファンネーム!

     :このままじゃ名無しだよ


「あぁ失念していました。では最後にファンネームを決めます。私が決めてもいいですか?一つくらいは自分で決めてみたいので」


     :もちろんやで

     :ええでー 

     :おけ

     :期待してるー

     :ワクワク

     :ソワソワ

     :ドキドキ

     :またかよw仲良いなw


「では決めさせていただきます。これよりあなた方は私の親愛なる『臣民』です」


     :はっ!

     :御意

     :御身の御心のままに

     :了解!

常夏みかん:はーい!

     :しれっと臣民になってて草

     :万歳!


「タグ決めが終了致しましたので次に『マシュメロウ』で質問コーナーを行います。ぜひ質問を送ってきてください」


     :送りました!

     :俺も

     :ワイも

常夏みかん:私も!

     :おいw

     :好きすぎだろw


「みかんママ?みかんママなら送らなくても答えますよ。早速送られてきてますね。ランダムで選んでいくのでご了承ください。では、一つ目」


ーーー

 こんばんは!

姫様はVtuberをやる上で登録者の目標や夢はありますか?

ぜひ知りたいです!

ーーー


こういう質問は来ると思っていた。その回答はもう決めてある。


「目標…ですか。正直私は登録者やフォロワーなんてどうでもいいと思っています。」と、宣言した私は声に意思を込め説き伏せるように話し始める。


     :?!

     :え?

     :まじかよ…

     :言い切った!?

     :向上心がないのか


「私は万人に好かれる存在になる気はありません。私は私の道を征く。多いに越したことはありませんが、忠実な臣民の方だけで結構。私についてきてくれる人だけで私の理想郷をこのバーチャルで創り上げる。それが私の夢です」


常夏みかん:その夢応援するよ!

     :かっけぇ

     :一生ついていきます!

     :姫に栄光あれ!

     :ばんざーい!

     :ばんざーい!

     :ばんざーい!

     :オタサーの姫かよ

     :初見を帰らせるスタイル嫌いじゃない

     :最近はおんなじようなVばっかだから新鮮

     :もう目が離せねえわ

     :声を聞くたび心が躍るみたい

     :これがカリスマかぁ

     :これを聞くまでカリスマなんて存在しないと

      思ってた。


私の考えを話したのだが案外受け入れられているようだ。ただ受け入れない人もそれなりにいるようで、炎上すれすれといったところか。


それから私は質問コーナーを進行して当たり障りのない答えをいくつか答えて一時間程度で配信を終了した。








ーーーーーーーーーーーーーーーーー

新人個人Vを発掘応援するスレ


648名無しの支援者

今日デビューした白雪氷凝ちゃんの配信見たか?


649名無しの支援者

見た。あれは売れる。


650名無しの支援者

>>>>>649 同意あんな尖ったの売れない方がおかしい


651名無しの支援者

ただやる気がないだけだろ人気絵師の威を借りてるだけじゃねえか


652名無しの支援者

それな自分の実力と勘違いしてるだけ


653名無しの支援者

お前らはなんも感じなかったのか?あの声はそこらのやつとは格が違うだろ


654名無しの支援者

お前ら落ち着けここは争い禁止だレスバしたいならよそでしろ


655名無しの支援者

もうワイ一生推すと決めた


656名無しの支援者

>>>>>655 早速臣民発見w


657名無しの支援者

臣民を知ってるということはお前も臣民だな


658名無しの支援者

これからが楽しみで仕方ない


659名無しの支援者

ほんとそれもうすぐ個人スレができると予想


660名無しの支援者

どんだけ良くても個人だからなあコラボが見たい


…………………………………………………………………………………………………………………………………………

………………………………

…………………

………




配信を終えるとすぐに電話がきた。


「氷華ちゃん大丈夫?アンチコメントで傷ついてないか心配で電話しちゃった」


「はい。大丈夫です。想定していたよりもなにも感じません」


「それならいいんだけど。最後に、私は氷華ちゃんがなにをしても味方だから。これだけは覚えておいてね」


「胸に刻んでおきます。常夏みかんの名に泥を塗らないように」


通話を終えると脱力感が襲ってくる。しかし先ほど眠ったばかりなので体は疲れていても目はしっかりと開いている。


「はぁ…眠くないし散歩に行ってこよ」


薄暗い道で塾帰りの子供と出会い泣かれたのはまた別のお話

総合評価100pt突破しました!ありがとうございます!これからも精進して頑張りますので応援よろしくお願いします。

さて、3週間以上も間が空いてしまい申し訳ないです。もう少しすると落ち着きますので少々お待ちください。


氷点画廊我ながら良い出来です。鳥居を潜った時にふわっと降りてきたんです。あれは不思議な体験でしたねぇ。


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