3話 〜七夕と大晦日〜
かなた、いつ外からでられるんだろう。毎日家の近くを散歩してみよう。
...あっ。あの髪は、かなただ。今日は大晦日。去年の春頃この道を通っていたけど、かなたらしき子は見かけなかった。
もしかして、七夕と大晦日しかかなたは外に出ることができないんじゃ...。だとしたら、今話さなくちゃ。
「かなた、久しぶり」
「...。碧さん、久しぶり」
「あの...。今から、何か食べに行かない?」
今は、五時くらいだし大丈夫だろう。
「いいよ。何食べるの?」
「何か食べたいものはある?」
「...。シフォンケーキかな」
「じゃあ、そこ行こっか」
少し暗くなったけど、まだ六時すぎだし...。いや、 帰ろう。
「碧さん、今日はありがとう」
「またね、かなた」
かなたの家から何か聞こえる。あまりよくないと思うけど少し聞いてみよ。
「なんで帰りが遅かったの?日没までには帰ってこいって言ったよね。」
「...。道に迷った」
「そんなわけないでしょ。何年、この町に住んでると思ってるのよ。ただでさえ、迷惑なのに。」
「...。──たい。」
この言葉、全部かなたに言ってる...。私が、連れ出したからだ。あまりよく聞こえなかったけど、痛いって言ってるから叩かれてるのかな。私のせいだ...。次は来年の七夕にかなたが出てこられるはず。その時に救わなくちゃ。
待ってて、かなた