第0章 0-00
AF0002年、我が社が倒産した。勇者鈴木の物語が、今、終わったのだった。
AF0002年、結局、梅木財団の拡張計画は頓挫してしまった、というか、私が頓挫させてしまった。
そして今、当社は、財団から天文学的な額の賠償金を請求され(2兆くらい)、あまりの金額に笑うしかない状況なのだが、まあそれは置いておいて(おいおい)、わが社は今日も平常運転です。
部長の上司と名乗る女性が、私の勤める営業一課を訪れた。
「専務の柚之木です。一課の皆さんにお願いがあるのですが、部長はどちらに?」
「部長は本日、梅木財団に損害賠償の件で打合せに行っております。私でよろしければお話を伺います」
と課長。
ちっ、猫を被りやがって、こういうときの課長は要領が良すぎる。
「部長は留守ですか、それは都合が良…んんっー、失礼、では御代課長、こちらへ」
課長が連行され、私は(セクハラのない)安らぎのひと時を得た。
10分ほどして課長が戻ってきた。
「(パンパン)全員聞いて下さーい、はい皆さん、いいですかー?」
一課は、15人しかいないのだから(課長含む)、別に手を叩く必要はなかったのでは?
「えー、突然ですが、当社は本年7月末をもって解散することになりました。」
マジすか…。いやまあ、どう考えても倒産だよね。仕方ないか…って、俺のせいじゃん!ま、いいか。
「なお、全員の雇用は保証されます。お察しと思いますが、行き先は梅木財団になるわね。一応、財団を希望しない人がいれば…いなさそうね。では、皆さん、それでよろしいかしら?」
ということで、会社の倒産についてはこれで話が終わったが、ところがどっこい、これがトンデモ話の始まりだった。ところで、どっこい、って何n(自粛