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お互いの宿命を乗り越え夢を掴む物語

 「助けてくれてありがとう。君、もしかしてなんだけどさっきのキツネ?」

「はい、セリシアといいます。ご主人様」

「そのご主人様ってなに?僕君のご主人様になった覚えないんだけど」

「はい、私が勝手に決めました。あなたに一生尽くすと」


コウトが質問することを淡々と答えながらセリシアは続けた。


「貴方は私の命を二度も救ってくれました。命の大恩人です。それに」

「それに?」

「私も行き当てがなくて、一人でさみしいので」

「アハハ、そうか僕たち似たもの同士だったんだね」


コウトは顔を少し赤らめるセリシアを見ると緊張していた心が緩んだ。


「とりあえず街に行ってご飯でも食べる?お腹すいたしね」

「すみません私お金持ってないんです」

「大丈夫だよ、僕ご飯食べるくらいのお金は持ってるし」

「悪いですそんなの、助けてもらった私がおごってもらうなんて」

「助けてもらったのはお互い様だし気にしないでよ。さ!いこ」


コウトは少し強引にセリシアの手を引っ張ると、街の方向と思わしき道に降りた。


「ここがマグネ‥‥街の中でも有数の富を稼いでる街」

「セリシアは来るの初めてなんだね。なら僕がここで一番おいしいご飯を食べさせてあげる」

「そんな絶対高いですよ」


セリシアは猫のような目を細めると同時にお腹の音が鳴り響いた。


「お腹は正直なんだね。ほら着いたよ」

「これは、立派な建物ですね」

「でしょ!ここのフカヒレスープがおいしんだから」

「楽しみです」


楽しそうに話すコウトにセリシアの顔もほころんだ。

コウトたちは豪華なマットを歩くと同様な椅子に座って注文をした。


「そういやセリシアはどこから来たの?」

「私は遠くにある国から来ました。自分の居場所を探しに」

「居場所を?何かあったの?」

「私は下民の家に生まれました、それに見合わない力をもって。そのせいで王妃から追い出されてしまって」

「なんだよそれ、力をもって生まれたんならむしろ喜ばしい事じゃんか。僕なんて‥‥」


コウトが言いかけた時に注文していた品がテーブルに運ばれていきた。


「お!きたきた。いただきます!」

「いただきます」


コウトたちはおいしそうに食べるとあっという間に食べ終えてしまった。


「ふーお腹いっぱい食べたね」

「おいしゅうございました。本当にありがとうございましたご主人様」

「どういたしまして、次は寝床を探そっか。今夜も洞窟で寝るなんて嫌だしね」

「確かにそうですね」


コウトたちは店を出ると寝床を探しに宿屋に向かった。


「一人六百ルピだよ」

「六百ルピですね‥‥あら?」

「どうされましたご主人様」

「今さっきの食事でお金使いすぎたみたい」


コウトが苦笑いで財布を見せると小銭が少し入っていただけだった。


「どうしようか‥‥これじゃあ二人どころか一人も泊まれない」

「そうですね‥‥それならギルドを組みませんか!私とご主人様で」

「ギルドかーでも僕すごく弱いよ。足手まといにしかならないと思うけど」

「大丈夫です。そうだったとしても私がすべて倒して見せますから。ご主人様に指一本触れさせません」

「そうだとしてもって、それじゃあ男としてのプライドが‥‥」


他に手がないコウトは渋々承諾するとセリシアと一緒にギルド協会に向かった。


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