第6話 新たな脅威
4人はどこに行くか相談したのちヘイル王国を目指して行くことにした。4日間移動するとようやくヘイル王国に着いた。
「やっとついたぁ〜」
シアは疲れたと息を抜きたそうにしている。
「ようやくつきましたね」
「そうだなあ」
シアに続きシスとタカヒロが言う。
「まず宿屋を探しましょうよ〜」
ミサが提案する。
「そうですね。」
シスが同意するとシアとタカヒロも頷く。街を歩き宿屋を見つけ扉を開けると宿屋に泊まっていたであろう冒険者16名ほどが身体中が切り裂かれ血まみれで死んでいる。受付の女性も首が切り落とされている。その無残な光景を眺め4人は声を失うと後ろから王国兵が集まってきてたのだ。4人は「なんて最悪なタイミングなんだ」と顔を合わせる。シスは無罪を訴える。
「俺達はなんにもしていない。武器を下ろしてください。」
王国兵達は武器を構えたまま答える。
「問答無用だ。殺人鬼どもめ」
4人はこれ以上騒ぎにする訳にもいかないので大人しく兵士達に同行する。王直々に処罰を決められるらしく城に連れ込まれた。王は4人が来たことを確認すると玉座から立ち上がり言葉を発すると思った瞬間王の首が体から離れ地面に転がり落ちる。王の間にいた騎士達も愕然としている。大きな影がシス達の影と重なったのがわかった。シス達は恐る恐る後ろを向くと仮面を付け帽子を被りワインレッド色の貴族のような高価な服をきていて右手がない。250cmほどの人間かも分からない何かがたっていた。シス達は武器を没収されている。だが騎士が咄嗟にシス達に武器を渡す。騎士が言う。
「お前達の無罪はこれで分かったこいつが犯人だろう。」
騎士達は推測する。人のような怪物が疑問に思っている事があるらしく問う
「王女はどこだ?」
どうやら王女を探しているらしい。騎士は返答する。
「王女は10数年前から行方不明だ」
悔しそうに言うそして人型の怪物は納得したかのように呟く。
「あぁそうかいないのか。アイツらが働いたか...それとも隠されたか...だな」
騎士が剣を構え怪物に走り出す。怪物に黒い霧が集まり腕のような形になり指先は凄く鋭く出来ている。右手を振ると黒い霧が発生し騎士に向かって放たれる。騎士は剣で防ごうとするが剣がいとも簡単にへし折れ騎士が真っ二つになる。兵士達は怯えながらも立ち向かう。だが左手で殴られたりするだけで顔が破裂したりと次元が違う相手だった。
「これはやばいレベルが違う。」
タカヒロが叫ぶ。
「こんなのって...」とミサが怯えて震えている。シアもただ怯えているだけだ。動くことすらできない。シスは怪物に震えながらも斬り掛かる。「いいねぇ」と怪物は楽しそうにしている。シスは蹴り飛ばされ左腕の骨が折れる。シス達4人に向かって腕を振りった霧は出なかったが風圧で王国の外壁より外に飛ばされる。怪物は霧を城に集め爆発させて王国を壊滅させたのだ。4人は血まみれだが生きているがだんだん意識は遠のき気を失った。
それから目が覚め王国の方角を見ると外壁は崩れさり王都も崩壊城は跡形もなくなっていた。まだ崩れた家などは燃えていたのでそんなに時間が過ぎていないようだ。
「俺達は生かされたのか?...」
シスは呟く。でも何故生かされたのか4人は不思議に思ったがただ今は桁外れすぎる怪物との遭遇に絶望していた。シスはバンダースナッチを超える怪物だなと思ってしまうほどだ。いや実際バンダースナッチより強い可能性の方が高い。バンダースナッチでも流石に一撃で王国をここまではできないはずだと思えるからだ。仮にできていたのならシスは今頃死んでいたのだから。シス達はこんな怪物がいることを他の国に知らせないと行けないと思いミサの回復魔法で癒した後他の王国へと向かう。