第4話 救いたい
あれから5年の時が過ぎた。
シスが草原を歩いていると馬車がゴブリンの襲撃にあっているのが見えた。シスはすぐ馬車に向かって走り出す。サラ達みたいに他の人が殺されて欲しくないのだ。サラ達が殺されたときは悲しみ泣き叫び死にたくなるくらい辛かった。それを他の人にも体験させたくない、だが既に遅かった。馬車を運転していたであろう商人の男性は首が斬られて死んでいる。周りにはゴブリンは2体確認できた。シスは剣を抜きゴブリンに斬り掛かる。だがしかしゴブリンは瞬時に振り返りダガーで受け流す。もう1体が回り込みシスの背中にダガーを刺した。今まで戦ったゴブリンとは明らかに違うのだ。馬車の奥から鎧を纏ったゴブリンが現れた。それで確信したのだ。このゴブリンは戦い慣れしている。戦った経験で連携がとれているのだ。シスは背中を刺したゴブリンに蹴りをかまして振り払い正面のゴブリンにもう一度斬り掛かるゴブリンもダガーで応戦する。シスはあえて横腹に攻撃をくらいゴブリンの心臓に剣を突き刺す。ゴブリンはふらつきながら倒れ込む。先程蹴ったゴブリンは逃亡した。シスは追うことはせずもう1体の鎧を纏ったゴブリンに斬り掛かる。ゴブリンも命をかけているだからゴブリンも本気で立ち向かってくる。シスはゴブリンの剣を避けて後ろに回り込み斬り掛かるゴブリンは反応して馬車の荷物の箱をシスに向かって蹴り飛ばす。シスはかわすと同時にゴブリンはナイフを取り出しシスの顔面めがけて投げる。運がついている事に頬にかすっただけで済んだ。シスはゴブリンに走り出し距離を詰める、そして頭に剣を振るうが兜に剣が弾かれてしまう。ゴブリンはその隙を見逃さずシスの首に剣を振るう、シスは自分の左腕で剣を受け止める。シスはゴブリンの腹に蹴りを入れるとゴブリンが怯みそれと同時にゴブリンの顔に剣を突き刺す。
「これで終わりだ」
一言呟きその後に首を切り落とし息の根を止めた。シスは馬車を見ながら呟く
「助けられなくてごめんなさい」
悲しそうに言うとそこを立ち去りまた進み出す。さっき逃げたゴブリンの足跡を辿っていくとそこには紫色の髪の毛の魔法使いの美女がいた。女性はゴブリン10体に囲まれている。人はその女性1人のようだ。助けるために再び走り出すが傷口から血が出てくる。それでもと我慢してゴブリンを無視して女性を抱えてゴブリンを薙ぎ払い逃亡する。振り切ったと安心してシスは草原で倒れ込む。
「大丈夫ですか?!」
女性が必死に問いかける。シスは気を失った。それから目が覚めると後頭部あたりがふわふわして気持ちいいと思ったのもつかの間膝枕だと気がつくと慌てて起き上がる。
「ごめん!」
「いえ私にはこれくらいしか出来ないので...あの助けて下さりありがとうございました!私の名前はミサと言います。」
ミサは頭を下げ自己紹介した。
「当たり前の事をしたまでさ。それとミサさんお仲間は?1人で旅してたのですか?」
「............」
ミサは黙っている。シスは察して話を変える。
「ミサさんが良ければ俺と旅しませんか?」
シスはミサに旅の誘いをする。ミサは少し考えこう返答する。
「いいのですか?いいのでしたら喜んで!私行く宛がなくて...!それとさん付けるの辞めて下さい...仲間なんですから!」
ミサから涙がこぼれる。
「そうですね!ならミサ俺の事もシスと呼んでください。」
シスは照れくさそうに言う。
「はい!シス」
ミサは涙を拭きながら笑顔で返事をした。