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嘘のウソは「嘘」。  作者: しゅしゅしゅ
序章 10月の半ばに、死の宣告された。
4/10

変態医師 イケダメ登場

白衣が似合っている長身細身。ワカメみたいにモハモハしている髪。


男のクセに肌が綺麗で、目は切れ長。鼻筋も通っていて、全体的に整った顔立ち。整いすぎてるからか年齢不詳。


テニスラケットをもたせたら、「キャーぁぁぁぁ!! プリンスーぅぅぅぅ!! 」とか言われてそうなイケメン。


例えが下手なので、もうシンプルに言おう。

ムカつくくらいイイ男だ。


そんなイイ男が、曲げた指を口元に当てながら、何やらブツブツ言いながら歩いている。

まるで黒魔術の呪文を唱えているように。


おかげで、その容姿から放たれるはずのイケメンオーラは、異質でドス黒い負のオーラへ変質しており、さらには歩く度にワカメ髪がモフモフと揺れる。


もはやイケメンなのか、闇属性なのか、ワカメなのかよく分からない、カオスな生き物で間違いないようだ。


とりあえず、この不審者にしか見えない残念なイケメンドクターを、『イケダークワカメ』と名付けてみた。


自分のネーミングセンスのなさに絶望しつつ、そんなイケダークワカメ。略して「イケダメ」が、自分の前を通り過ぎるのをぼーっと見ていると…


イケダメは急に「!!」という吹き出しが出たかの様に立ち止まり、俺の目の前の診察室のドアをバン!と勢いよく開け、カツカツと中に入り、ドン!とドアを締めた。


突然かつスピーディーな出来事に、「えっ?」と思わず目を見開く。


そして、何であんたらは動じない!!??


診察室の前のソファーに座っている母娘と爺さんは、そんな状況が起きたのにもかかわらず、全く何も気にせず普通にしている。


俺がおかしいのか!? いちいち驚いている俺の頭がおかしいのか!?

あのワカメは俺にしか見えていないからとかなのか!?


え~~あいつが俺に結果を教えてくれる医者って事なのか……。

率直に「不安」しかない。



診察室のドアのすぐ横にある、診察担当のネームプレートを見る。


名前は「伊月いつき


伊月先生か。


もうイケダメでいいんじゃないか? 

第一印象があれじゃ先生って呼べない。


あれ? 伊月ってここの病院のなま……




そう思った瞬間。


「松田さん。松田ヒロさん。3番にお入りください」


かなりかわいい声。天使の囀りが院内に鳴り響く。



ようやくか…。あれ、俺が先に呼ばれちゃったけどいいのかな?


立ち上がって、なんとなく3人の前でわからないくらいの軽いおじきをして、診察室のドアを開く。


さて……観念してイケダメに会いに行こう。

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