とある男の話
その男はどうしようもないほどの屑だった
その男は賭け事のために何でもした
給料はほとんど賭けで使い、友人に金をたかり、女房や息子にも金をせびる
両親の遺産も食いつぶし
彼の周りには誰一人ついてくるものはいなかった
そんな彼だからかある一匹の悪魔が彼に問いかけた
「おまえにとって最も大事なものと強運を交換しないか」
男は歓喜し、強運を手に入れた
強運さえあれば彼は自分がなくしたものを手に入れることができる
だがしかし彼のその後すぐ死んだ
確かに悪魔は彼に強運を与えた
彼の強運というものは彼が最も欲したものを手に入れるために使われた
彼自身の破滅という彼唯一の贖罪と願望に。