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TS賢者の弟子転生アリエス  作者: 空也真朋
第二章 風雲竜虎! 忍び寄る宿命!!
39/58

39話 死闘の意外なる結末! すべては賢者の弟子の指先に

 ハーメルンでマヴラブ小説を書いてて投稿を中断していました。

 あっちが一段落したので、またこちらを書いていきます。

 どんな攻防が行われているのかさえ、見て判断するのは難しいほどの凄まじい戦いが繰り広げられている。 


計都雷伯拳奥義けいとらいはくけんおうぎ!! 真雲黄光衝しんうんおうこうしょう!!」


 「ぐおおっ!?」


 シンは神速で偽ラドウに迫るも、その速さすら偽ラドウは見切り迎撃をはかる。

 奴はシンの速さのみを注目していたが、シンの拳は破壊力も相当なものだ。

 迎撃の拳に全身全霊の雷拳の奥義をたたきつけた!


 「パ、パワーでオレを上回っただと!?」


 「武術家をあまく見たな。拳法を身につけた者は、ただ同じ攻撃をするだけのモンスターとは違う! 計都(けいと)百轟裂手(ひゃくごうれっしゅ)!!」


 そこから無防備になった腹へと、無数の拳撃が繰り出される!


 「フッ…………フフフやりおる。だが! オレは不死身だ!!」


 その言葉と共に、偽ラドウの体はみるみる修復していく。

 引き裂かれた腹も、砕けた拳も、傷口がふさがり傷つけられる前にもどっていく。


 「魔人の再生? やはり奴は魔人…………いや?」


 たしかに修復はしているが、メギオのそれより遅い気がする。

 それに魔人になったメギオは、いくらリューヤが攻撃しても痛みなど感じていないようだった。

 だが奴は痛みを感じているし、行動の基にはしっかりとした人間の意思がある。

 どうにも完全な魔人と化したようには見えない。


 「……………………そうか! 悪魔の力を人間のまま使えるようにしたのか」


 それが奴の強さの秘密。

 だとしたら体のどこかにある悪魔の力の源。

 それを摘出すれば奴はただの人間になる。


 「な、何なんだよ、アイツ。本当に人間じゃないのかい?」

 

 ミオラは怯えたように言う。

 ま、初めてアレを見たらそうなるだろう。

 魔人になったメギオの修復を見たリューヤでさえ少しビビッていたし。


 「まぁ少し人間の枠をはみ出しているけど人間だよ。でも、やっぱりシンが命を捨てがんばっても、アイツを倒すにはいたらないみたいだね。分かるよ」


 どれだけ勢いよく攻勢をしかけていても、医者の目で見ればわかってしまう。

 シンが限界寸前で、もう間もなく死んでしまうことも。


 「だったらアンタはここにいたら終わりだ! アリエス、今はシンの気持ちをくんで……………」


 「逃げない。手立てがある以上、最後までシンを助けることを諦めない。僕は医者だからね」


 シンの戦いを見て覚悟を決めた。

 アレに対抗できる力を手にするのはじつに体に悪い。

 こんな時に健康の心配なんかしてもしょうがないのに、どうしても医者の常識に引っ張られてしまう。

 僕は脳の構造を詳細に思い出し、慎重に頭に指を這わせた。




◇ ◇ ◇

 

 「フハハハハハ楽しいなぁ! せいぜい死ぬまでオレを楽しませるがいい『裂地塊壊拳』!!」


 偽ラドウは大地の力を吸い上げた拳で一気にシンを潰そうと振り降ろす。


 「いっしょに逝ってもらうぞラドウ! 『雷衝閃発火』!!」


 シンは偽ラドウの拳を避ける気配も見せず足を止め、自分の最高の一撃で迎え撃つ。

 二つの最高・最速・最強の一撃はぶつかり合う――――


 が、ぶつからなかった。

 その一瞬前の姿勢ののまま、二人の体はとまった。


 「なん…………だと? なぜ、こんなことが!」


 「バ………バカな! なぜ、こんなことができるアリエス!?」


 ぶつかり合う二人の間に僕は割って入っていた。

 そして互いの肩のツボを指で突き、腕をマヒさせたのだ。

 僕ごときが自分と最強の敵の猛攻の間にはいって互いの最強の拳を止めたのだ。

 そりゃビックリするだろう。


 「あとで説明する。でも今は寝てろ。ドクターストップだ」


 シンの額に「ピトッ」と指をあてる。

 するとシンは「ガクッ」と膝から崩れ、地面に大の字になって寝てしまった。


 「ふぅ。これが脳の働きを最大にして見える世界か。知覚の力がハンパじゃないな」


 本来脳の働きは全体の十%ほど。

 だがさっき僕は脳の働きを最大に覚醒させ、ほぼ百パーセントの状態にしたのだ。

 この状態で見ると、あらゆるものの動きが遅く見える。

 さっき猛攻中の二人だけは速かったが、その動きは十数手先まで読めてしまっていた。

 結果、先ほどの神業めいた真似もできたのだ。


 「フン、こんな真似ができるとは少々見くびっておったわ。で、次は貴様がオレの相手をするというわけか? いいぞ、もう一度やってみせろ」


 と、偽ラドウは僕に向け指なんてさすが。

 動きは見切れても体がついていかない。

 さっきの神業をやった代償に、あちこちの筋が痛むし。

 痛む節々を回復呪文(ヒール)で癒やしながら言った。

 

 「何度もできるか。君たちのようにバトルを楽しむ趣味もない。だからもう終わらせた。名も知らぬ冒険者よ、君の冒険卿ゴッコも終わりだ」


 「いまだオレをニセモノ呼ばわりか。いい加減、我慢がきかなくなってきた。それがどういうことか分かるか?」


 「わからないな。君はもう何もできないからね」


 「では教えてやろう!! オレの怒りに触れた奴はみな……………グッ!?」


 いきなり偽ラドウの体はガクリ落ち、地に膝をついた。


 「『もう終わらせた』と言ったろう。君達の目に映る前に、後ろにまわって脊椎に魔法針をうたせてもらった。要するに君が脳から発する意思を、体に届かなくさせたんだよ」


 どんな怪物的な力を持つ奴も、脊椎がマヒすれば動けなくなる。

 僕の医者としての知識と技術はときに強力な武器となるのだ。


 「では、ニセモノの正体でも見せてもらおうか」


 僕は余裕で偽ラドウに近づき、ポンポンと兜を叩く。


 「……………兜にさわるな。この兜の奥に触れる奴は、誰であろうと生かしておくわけにはいかん! 最後の手段だ。オレの中の悪魔を解放する! グォォォォォォ!!」


 瞬間、僕は奴から距離をとる。

 偽ラドウの胸の一部が不自然に隆起し、不気味に蠢く。

 そこを中心に黒ずんだ奴の体がいっそう黒くなっていく。


 「魔人化か。君は人間をやめるつもりか?」


 「フッ、知っていたか。もはやオレは人間には戻れん!この場にいる者は誰も彼も殺すだろう。貴様もあの世で後悔するんだな!」


 「いや、じつはそれを待っていた。さほど君の素顔に興味があったわけじゃないんだ。その力の源を完全に出してもらうために挑発させてもらったのさ。では摘出手術を開始する」


 この知覚全開の目には奴の中にある悪魔細胞の存在は見えていた。

 されど体の中に眠る細胞をそのまま消滅させてしまえば本体の命まで危うい。

 やはり人殺しはできる限り避けたいし、死なせてしまっては、これを与えた者の正体も分からなくなる。


 「死極星! あたぁ!!」


 全ての物体を跡形もなく消し去る賢者ヴィジャスの開発した必殺技。

 それは悪魔すら再生を許さず消滅にいたらしめる。

 指先から出た黒い球形の物体に触れた瞬間、隆起した悪魔細胞は跡形も無く消滅した。


 「バ……バカな! ぐあああああ!」


 偽ラドウはバッタリ倒れ伏した。

 するとその体に異変がおきた。


 「ええっ!? なんだよコレ!」


 ミオラは変な声を出して驚いた。

 倒れた偽ラドウの体がみるみる小さくなっていき、普通の大人サイズになってしまった。


 「半魔人化で体も大きくなっていたみたいだね。で、それを消したから力も無くなって元のサイズに戻ったと」


 そしてポロリと兜が落ちた。

 常にその兜に覆われ、素顔を見た者のいない顔があらわになった。


 ――――――「ああっ! お、お前は!」



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公が、いつの間にか、強くなっているような。 [一言] >ああっ! お、お前は! お約束のセリフ。でも何者だろ?
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