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TS賢者の弟子転生アリエス  作者: 空也真朋
第一章 舞い降りた賢者の弟子
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03話 魔法のお勉強

 『それじゃ、まず魔法についてのについての話をしよう。基礎的なこととして君たちの世界にないモノとして、この世界には魔法がある。これはこの世界のほぼあらゆるものの動力となっている』


 やったね! 魔法とか、ちょっと興味があったんだ。

 

 『さて、君の体となったその子は魔法の大家である賢者であるこの俺ちゃんの弟子。当然、君も魔法が使える』


 うんうん、自分でも使えるなんて最高(サイコー)だね。


 「で、どんな魔法?」


 『まあま慌てないで。まずは基礎から。魔法は火、水、土、風、光、闇、雷、時空の8系統がある。魔法が使える人はこの中から自分の性質に合った1系統を伸ばして使う。専門の魔導師なんかは3系統くらい使えるヤツもいるけど』


 「ヴィジャスはいくつだ?」


 『俺は4系統。火、風、闇、時空だ』


 「おおっ! すごいな。さすがは最強賢者」


 『多けりゃいいってもんでもないんだけどね。武器として使用するなら、やはり自分に合った1系統を徹底的に伸ばして、他の系統は覚えない方が威力は高いよ』


 「なるほどな。複数覚えるのは専門の魔導師だけか。それでこのアリエスは? やっぱ賢者の弟子だから2系統くらい……………いや、年齢的にまだそこまでいかないか。自分の系統をいっしょうけんめい伸ばしている最中ってとこかな」


 『8系統全部だよ』


 「………………………………………はい?」


 『アリエスは火、水、土、風、光、闇、雷、時空すべて使える。これはこの世界の魔導師でも初のことだねぇ』


 「は、はぁ? そんなことがありえるのか!? 君の説明的に不可能に思えるんだけども」


 『そう。普通の人間なら全属性使用なんて不可能。ただ、アリエスの体には俺ちゃん特性の特殊な魔導回路がはいっている。そのお陰で、あり得ない全系統の魔法を使えるようになっているというわけさ』


 「だ、大丈夫なのか? その魔導回路ってのが、とんでもない爆弾に思えるんだけど」


 『大丈夫じゃなかったねぇ。やっぱり脳が制御しきれなかったみたいで、訓練中に意識がとんで目を覚まさなくなっちゃったよ』


 「このッ…………マッドマジシャンがあぁぁ! やっぱお前は邪悪だよ! なんてもんつけやがる! 今すぐはずせ!」


 『いやいや。それは回路といっても霊的なものなんで、外科的なことじゃ外せないのさ。魔法を低出力なものにすれば脳への負担もなく無事でいられることはわかっている。だからその体に制限をかけて、魔法をLV1の【発動】止まりでしか使えないようにしておいた』


 「発動?」


 『そう。最初に魔法を学ぶ者の【まずは魔法を発現させてみよう】の段階だ。これができた者は、次のLV2【増幅】という魔力を高め威力を大きくする段階へ移る。だけど君はそこへは行けない。永遠にLV1だから生活魔法止まりだね』


 つまり器用貧乏魔法使いか。

 まぁいいか。大きな魔法なんか使えたって、僕に戦闘なんかできそうもないし。


 そんなわけで、ヴィジャスの指導のもと、魔法を使ってみることにした。

 といっても、八っつともコツを教えてもらうと簡単にできるようになった。


 火魔法は指先に小さな火がともるし、水魔法はカップ一杯くらいの水を出現させられる。

 風魔法はそよ風をおこし、土魔法は手を使わずに小石を飛ばしたり地面に小さな穴を開けたり。

 光魔法は手を光らせ、さらにその光は小さな傷を癒やすことができる。名前もついており、快癒魔法(ヒール)というそうだ。

 闇魔法は自分の周囲を薄暗くする。あと今はためせないが、自分の魔力を他人に渡すこともできるそうだ。

 雷魔法は指先から静電気を発生させられる。

 時空魔法は自分や自分が投げる物のスピードを少しだけ速くしたり遅くしたり。あと、かばんの中身みたいな小さな空間を少しだけ拡張できたりもした。


 「なるほど。どうやらこれは便利魔法ってかんじだな。火種がなくても火をおこせるのは便利だし、水も好きなときに飲める。暑い日にはそよ風で涼める」


 『それだけじゃないよ。魔法は外的に発現させるだけじゃなく、体内でおこして身体能力を高める使い方もよく使われる。【火】は体内の温度を上げるし、【水】は体内の水分を調節して体調を整える。【風】はスピードを速め、【土】は膂力を高めたり防御力をあげる。【光】は体内を活性化させる』


 なるほどなるほど。それだけのことができるなら、LV1止まりでもけっこうな活動ができそうだ。世の中、一点特化型よりも器用なヤツの方が生きやすいし。



 そんな感じで3日ばかし魔法の訓練をしたのだが、一通り使えるようになった所で、火魔法で指先に灯した火をレーザーメスのように使えないかと考えた。これは灯す火をより細くすれば温度が上がることとを発見したからだ。

 そこでそこらにあった木片でためしてみたのだが……………


 「やっぱりダメかあ。火はまだ太いし、温度が低い」


 精一杯集中して細くしてみたのだが、やはり木片は切断できずに焦げてしまった。これでは切ることはできずにヤケドするだけだ。


 『何をしているんだい?』


 「ああ、ヴィジャス。聞きたいんだけど、こんな使い方はできないかな?」


 僕はレーザーメスの説明をして、魔法で高熱を出して皮膚なんかを切れないかを聞いてみた。


 『ああ、火魔法で物を綺麗に切断するのか。それは技術としてあるけど、相当集中力を高める修行をしないと。四,五年くらい修行すればできる? かも?』


 疑問系か。こんな場所じゃメスとか手に入んないだろうし、切開しなきゃならないときに役立つかと思ったんだがな。地道に特訓でもして集中力を高めるしかないか。


 「………いや、待てよ。集中力というのは、意識をより対象に向けさせる脳の活動。いまの僕は器官をより活性化させることが出来る。…………やってみるか」


 指先に光魔法を灯し、頭にあてる。

 

 『お? 何してるんだい?』


 「集中力を高めるんだよ。集中を司る脳の部分は前頭連合野…………ここだ!」


 眉の間に一点集中に快癒魔法(ヒール)をかける。

 医者の知識として、当然脳の仕組みなんかも知っている。なので脳の集中を司る部分を活性化させれば、当然集中力が高まると考えたのだ。

 しばらく脳の一点に【快癒魔法(ヒール)】をかけ続けたあと、もう一度火魔法をできるだけ細く指先から出してみる。

 すると今度は糸のように細い炎となり、また木片を切ってみると今度はスパッと綺麗に切れた。


 『君、すごいねぇ。その技術は、それなりの魔法技術者に師事して数年かけて会得するものだよ。それをこんな一瞬で』


 「ふふん。LV1の快癒魔法(ヒール)でも、医学知識のある僕が使えばけっこういろんなことが出来そうだ。…………いや、待てよ!」


 僕はあることを思いつき、鏡の前に立った。

 そこに写るのは、相変わらずの野暮ったい女の子。

 これからこの子を、僕の好きなグラドルみたいな女の子に変えてやろう。

 僕は指先に快癒魔法(ヒール)の光を灯した。

 

 




 

 というわけで、主人公の能力は全系統LV1の魔法を医学知識で応用して使おう、というものです。このスタイル、かっこよくなればいいなぁ。

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