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それ借りてもいいですか?  作者: レイフォン
15/18

デイスリーおまけ

マクアイみたいな話です。宜しければ。

パチリ


焚き火が弾ける音が目覚ましがわりに俺を眠りから覚ます。

と言っても、気が昂り過ぎて、寝たか寝なかったか正直定かではない、まぁ気を失ってはいたんだから寝てはいたんだろうが。


音のした方を見ると、エミさんがぼーっと焚き火を見つめていた。


「お疲れ様です」


俺は身体を起こすと、エミさんに声を掛けた。


「起こしちゃいましたか?」

「いえ、何だかちゃんと寝れなくて。」

「その割にはイビキかいてましたけど?」

「え?ホントですか?」

「ふふ、冗談です。」


おいおいおい何だよこの会話は、前の世界で、なんか、ドラマとか恋愛アニメによく出てくるシュチュエーションじゃない?

ちょっとドギマギするんですけど!!


それでなくても、こんな美人さんとちゃんと会話してるだけで、俺的にはもう一杯一杯何ですよ本当に。

こんな無様な姿エゼルに見せたら絶対末代まで語り継がれるわ。


と、エゼルの方を見ると凄い格好で大イビキをかきながら寝ていた。

俺、本当はこのイビキで起こされたんじゃない?


「エミさんもそんな冗談言うんですね」


冷静を装ってはみるが、、、。

バレなきゃいいけど。


「・・・私は元々こんなんですよ」


エミさんは顔を逸らし、俯きかげんに答える。

焚き火に木をくべる速度が若干上がった様にも見えるが気のせいだろうか。


何だ、、この可愛い生物は、、。

俺の心臓の鼓動がドクドクと音を立てる。

この娘俺をキュン死にさせる気か!?


「でも今日は本当に大変でしたね、エミさんがいなかったらガイルさん達を救出できなかったでしょうし。

俺もいい経験を積む事が出来ました。

本当にありがとうございました。」

「いえ、私なんて、、。

トーヤさんに無理言ってくっついて、、。

迷惑かけて、、。」


ボソボソモードだが、この距離なので、何とか聞き取る事は出来る。


「迷惑だなんてとんでもないです、エミさんの魔法がなきゃ、多分、俺今ここにこうしてませんよ」

「あ、腕、大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫です、ほら」


そう言って俺は腕をくるくると回して見せる。

自分でも不思議に思う位、何ともない、大事をとって包帯はそのままにしているが、正直もう邪魔なんだよな。


「あのトーヤさん、本当に一回でいいのでトーヤさんのステータス見せて頂けませんか?」


グッとエミさんが俺に詰め寄ってくる。


ひっ近い!!

近いって!!


荒くなった鼻息がかかるのが分かるくらいの距離まで来た時、我に戻ったのかエミさんが一瞬硬直。

バッっと一瞬空中に浮いた様に見える程凄まじいスピードで後ろに下がった。


「ああ、、、、ごめんなさい、、、私、、、!!」

「いえいえ大丈夫です大丈夫です。

エミさんが研究熱心なのは知ってますから」

「本当にすみません!!」

「でも、ステータスは見せませんからね」

「・・・・・・ドケチかよ」

「・・・・」


ふぅ、、、、。

空には満点の星空が、、、って木が生い茂って見えませんけどね!!


「丁度いいので、少し早いですが、見張り交代しましょう。

どうせ、気が張っちゃって眠れないと思うので」

「ハーブ茶でもいれましょうか?」

「いえ、気にしないでください、ホント羨ましいですよエゼルの図太さというか、、何というか。」

「エゼルさんは、私達よりも経験豊富でしょうし、こういう状況にももう慣れっこなんでしょうね」

「でしょうね」


マジックペンでもあれば、腹に顔でも描きたい位に無防備だけど。

しかも油性ね。


「ふふ」

「はは」


どちらからともなく、自然に笑みが溢れた。


「では、お言葉に甘えて休ませて頂きます。

索敵には反応はありませんので周囲に危険は無いと推測されます。」

「誰も疑ってませんよ」

「あ、、はい。」

「お休みなさい」

「はい」


「あの、、、トーヤさん」

「はい?」

「エゼルさんの負っている借金って、トーヤさんも返さないといけないんですか?」

「いけなくは無いんでしょうけど、俺、あいつに拾われたんです」

「拾われた?」

「はい、俺、凄い田舎から出て来て、右も左も分からなくて、、。

そんな時、エゼルが声をかけてくれて俺を冒険者にしてくれました。

それから、何というか、なし崩しに世話になってるというか何というか。

あいつに結構な額の借金があるから、見捨ててとんずらするなんて出来ないくらいの恩があるんですよね。

それに俺の信条が許さないんです。

困ってる人がいるなら助けてあげたいって。

あいつがどう思ってるか知らないけど。

傲慢ですよね。」

「いえ傲慢じゃ無いですよ。」

「だと、、いいです。」

「私も、今日初めて、冒険者らしい事が出来て、嬉しかったんです、今までは机の上でしか冒険して無くて。

ガイルさんにお礼を言われた時、本当に嬉しかったんです、、。」

「ええ、、お互い、、本当に今日は頑張りました」

「はい」


そういうとエミさんは薄い毛布で顔を覆う。

焚き火が眩しかったんだろうか?


後、2、3時間経てば夜が明けそうだ。





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