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それ借りてもいいですか?  作者: レイフォン
13/18

デイスリー6

未完成です


完成しました。

50821


エゼルの姿を見た途端体の力が抜けるのが分かった。

意識が朦朧として、目の前にモヤがかかってくる。


「ボサッとすんなトーヤ、明かり」


俺がそんな状態に陥っていた内に側迄で来ていたエゼルが催促してくる。


明かり?


彼女はそのまま落ちていたゴブリンの槍もどきを拾うと右肩をブンブンと回し陸上の投擲の様な構えをとった。


一瞬戸惑ったが、エゼルの獲物を狩る狩人の様な表情で理解すると、暗いほら穴の奥に集中し当たりをつけ地面を発火させた。


「え、嘘、、魔法?」


ボソっとエミさんの声が後ろから聞こえる。

スキルによって生み出された炎は薄く弓を構えるゴブリンの姿を照らし出した。


「グゲ」


突如現れた炎に戸惑うゴブリンは弓矢を持ちながらキョロキョロと辺りをを見回すと、踵を返しほら穴の奥に逃げようと背中を見せた。


「上出来」


そう言うとエゼルの上半身がしなり、下半身の筋肉が膨らみダンっと地面が揺れたかと思うくらいの踏み込み音がほら穴にこだました。


ブン!


槍は凄まじいスピードで飛んでいき、ゴブリンのガラ空きになった背中に突き刺さり、ゴブリンを数十センチ程空中に浮遊させ命を刈り取った。


「すげぇ」


エゼルを見ると何事もなかったかの様に隣のエミさんに声を掛けている、彼女にとってもこれ位の事は日常茶飯事で、お手の物なんだろう。


「で、ゴブリン共は後何匹いるんだい?」

「後1匹です」


エミさんがか細い声で答える。


コミュ障丸出しのエミさんを他所にエゼルが俺の所にやって来る。

ダラリと下がった俺の左腕を一暼すると苦い顔を見せた。


「正直今回ばかりは死んでるかもって本当に諦めかけたぞトーヤ、それでなくても、ギルド界隈じゃあ、モンスターの活発化だのなんやのでひっきりなしで不安をかきたてられるし」

「ごめん、心配かけたみたいで」

「みたいじゃ無い、かけられてるんだ。

事情が事情だから今回はおおめにみてやるが、本来ならあたしを待つのが最善ってもんだろ。」


正直あの剛腕で殴られるのを覚悟していたから拍子抜けではあるが、顔を真っ赤にして本気で怒ってくれるエゼルに感謝と謝罪の気持ちで一杯になった。

むしろ一発、嫌、2、3発殴ってもらった方が俺の気が晴れたかもしれない。


「すまなかった、何もかもエゼルの言う通りだと思う。

だけど敵は後1匹残ってるんだ、お説教は後で必ず聞くからそっちを優先しないと」


俺は頭を下げて許しをこう。


「分かってるよ、でもお前はもう下がってろ、後はあたしがやる。

その方が早い。」

「・・・・ああ、そうだな。」

「なぁ、神官さんここじゃ応急措置でやっとだろうがこいつの腕、診てやってくれるかい?」

「ええ、そのつもりです。

ゴブリンが襲って来ない落ち着いた状態であれば、回復も可能です。」

「ふーん中々優秀なんだね、多分奥にいるのはシャーマンだろう、あいつらの儀式で使われる香の臭い匂いがプンプン鼻に纏わり付きやがるから」

「祭壇でしょうか?」

「おそらくな、生贄を攫ったってのもそういう理由だろうさ、まぁ、もうここにゴブリンが来る事は無いよ。」

「はい、ではトーヤさん横になってください」


最後迄俺がやるとは言わせない雰囲気をエゼルから感じた。

俺が横になるとエミさんが俺の左横に座り詠唱を開始した。


「エゼル」

「あ?」

「頼む」


ちっ、胸糞が悪い、お前の目が語ってるんだよ、最後迄俺にやらせろって。

馬鹿か、アホか!!

誰がやらせるか!

あたしに、心配かけさせた罰だ、

5、6発は殴ってやりたい所だが、今あいつを殴ったら多分アイツの腕が駄目になるだろうし。

まぁアイツの性格からしたらこれがいい薬だろう。


さてどうしたものか、ゴブリンシャーマン自体は敵じゃない、問題は生贄か、人質を盾に取られたら面倒臭い、啖呵を切った分、悪りぃ殺られちまったじゃ格好もつかねぇ。


それにしても、深いなぁ、ちょっとした洞窟位の深さだぞこのほら穴。

意地張らずにトーヤに明かりを出させるんだった。

アイツはスキルだ、みたいな事言ってたけど、炎を出すスキルなんて聞いた事無いんだよな、、。

魔法とも違うみたいだし。


「ん?」


そんな事を考えながら壁伝いに歩いていると奥に明かりが見えた。


「グエゴガガアエ」


潜み、声のする方を見ると

ゴブリンが簡素でみすぼらしい祭壇に向かって何やら呪文を唱えていた。


仕事熱心だ事で、、助かるよ


祭壇の横には3人だろうか、供物宜しく縄と猿轡で拘束された人が横にされている。

魔法でもかけられているのか、死んでいるのか動く気配が無い。


まぁ、どうあれ、やるべき事をするだけだな。


あたしは足下に落ちていた少し大きめの石を拾うと、さっきの槍と同じ要領でシャーマン目掛けて投げ飛ばした。


だが、石はあたしの予想に反してシャーマンの頭を潰す寸前で何か緩い膜に包まれる様にグニッと動きを止めた。


「チッ魔法かよ」


「グゲゲ」


シャーマンはあたしの方を見るとニヤリと笑った。


「アホか、格の違いを知れ」


既にシャーマンの目の前に移動していたあたしは回し蹴りを放つ。

だが、あたしのスネはグニっと何やら得体のしれない気持ちの悪い感覚に遮られた。


「グゲ」

「だから、何?」


脚を戻し構え直すと、一発、二発とあたしはゴブリンに拳を浴びせるが同じく何かに遮られれる。



「ゲ?」


連撃を止める事なく幾度も繰り返すうちに


「グゲ!!」


ブキャっとシャーマンの顔面が弾ける音が聞こえた。


「魔法だって万能じゃ無いんだよ」


名前:エゼル

性別:女

年齢:18

職業:拳闘士

Lv :18

物攻:160

物防:110

魔攻:0

魔防:18

器用:80

敏捷:120

運:5


保有スキル

身体強化 4

拳技 6

加速 2

自動回復 1

投擲 2


「さて、どうしたもんか」


転がっている人質を見ながらあたしはポリポリと頭を掻いた。


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