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それ借りてもいいですか?  作者: レイフォン
12/18

デイスリー5

未完成です。この前の話は完成していますのでご一読お願いします

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完成しましたなんとか日を越す事無く、、。

戦闘にあまり動きはありませんがご容赦を

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目の前にボーリングの球のような拳が迫っていた。


俺は咄嗟に腕を十字に組みガードをする。


「ぐがっ」


兎以上の重くてスピードの乗ったパンチの衝撃が全身に響く。

一気に左腕の感覚が消える。

そのまま吹っ飛ばされ地面に叩きつけられた。

森とはいえ、ここはほら穴の近く、土というより、岩に擦り付けられ、俺の身体はそれだけで大きな悲鳴を上げていた。


「ぷはっ!!」


かろうじて、受け身が取れて意識もある。

さっきゴブリンを倒した際に行動予測を切っていなくて本当によかった。

ターゲットが自動的にホブゴブリンに変更されており、ホブゴブリンの行動の2秒先が見えていたおかげで覚悟が出来ていた。

腕一本を諦める覚悟が。


「トーヤさん!!!」


俺は体勢を立て直し、動かない左腕をだらりと垂らし、動く右手で、腰に挿していた短剣を抜き構える。

エミさんの声が聞こえたが、今は気にしている余裕は無い。

身体強化もインターバルに入ってしまっているようで、いくら念じても発動する様子が無い。


「時間を稼ぎます」

「?」


俺が言おうとしたセリフをエミさんが言ってのけて一瞬ポカンとなる。


ホブは一撃を放った余韻からなのか、そのままの姿勢でじっとしている。

技を放った後の硬直状態?

ゲームかよ、、。

だが、好都合、あの攻撃が間髪入れずにもう一度来たらもう犠牲に出来る腕が無い。


ホブが再び動き出し放った腕を引っ込めると、拳をじっと見つめ首を傾げている。

不意をついたのに倒しきれなかったのが不思議だったからだろうか?

普通のゴブリンよりもシュッと引き締まった顔が、みるみるうちに怒りの様な感情で暗くなっていく。


「ガガガグヤ」


遠目からでも分かる、腕の筋肉が拳を握った事でググッと盛り上がった。


「拘束せよ、パルード」


詠唱が終わったのかエミさんが呪文を唱えると、地面から光に覆われた紐の様な物体が飛び出し、ホブの四肢に巻きつく。


「ゴゴゴゴゴッゲ」


振り解こうとホブはブンブン身体を振り回すがゴムの様にある程度伸びると、強制的に元の短さに戻る。


「トーヤさん」


エミさんが駆け寄り、俺の左腕を手に取り状態を見る。


「今、、この場では、回復は望めません。」

「ええ、分かってます」

「本来、あれは私達のレベルで挑んではいけない相手です、

でも、、。」

「はい、、エミさんは逃げて下さい」

「逃げるなら、パルードをかけた時点で逃げてます。

それで助かる可能性は低いです。

ホブゴブリンの膂力は普通の人間のそれを遥かに凌駕します。

その脚力も然り。

おかしいと思ったんです、冒険者では無いにしろ、武器を持った木工ギルドの屈強な木こりが唯のゴブリンにはやられないんじゃ無いかって。

原因はアレだったんですね。」


お仕事モードで鮮明に聞こえる情報は俺の心をへし折るつもりなのか?

絶望感を煽ってる様にしか聞こえないって。

もお、、何を言ってるんだこの人は、、早く逃げてくれよ。


俺の額から玉の様な脂汗が噴き出て来る。

左腕に少し感覚が戻ってくる、と同時にジンジンと薄い痛みが伝わってきた。

自然と鈍い顔になる。


「感覚はあるんですんね、良かった」

「早く・・・逃げて下さい。」

「さっきも言いましたが、このまま逃げても助かる確率は低いんです、、なら賭けてみようかと」

「・・・」

「トーヤさんに私の命を」


眼鏡越しに見えるエミさんの目が真剣に俺を見つめていた。

ゴクリと俺の喉が鳴る。


「・・・」


言葉が出ない。


「もう決めたので、頑張って下さい。

私の為に。」


エミさんが俺の手を握る、その手は冷え切って、少し震えていた。


覚悟を決めろ、、、。


エミさんのおかげでインターバルが経過し、身体強化の発動は可能、

現在同時発動出来る、借り物は、行動予測、料理上手、炎の申し子。


「今からトーヤさんを魔法で強化します個人差はありますが、2、3分は強化されます。

最初は違和感を感じるかもしれませんが、すぐ慣れて下さい、ぶっつけ本番なのでお試しはありませんから。」

「はい」

「ふふ、切り替えができた様で何よりです」


「この物に加護を スペリオル」


光が俺を包みそのまま粒子となり俺の体に染み込んだ。


内側から熱がこみ上げてくる、倦怠感や気怠さは感じない、代わりに力が湧き出てくるのを感じた。


「凄い、、、。」

「向こうの魔法ももう少しで消えます」

「何とかなるかもしれません」


根拠の無い自信が俺を後押しする、この魔法は恐怖感も薄れさせる効果もあるんだろうか?


「行ってきます」

「頑張ってください」


よーいドンの姿勢からダッシュを切ると嘘の様に身体が軽い、夢の9秒台なんか簡単に出そうだ。


光の紐がぶちぶちと音を立てその効力を失って行く、残るは2本。

自由になったホブの腕が俺を捕まえようと、ブンブンと嫌な音を立て振られる。

戦闘時の行動予測の使用感にはゴブリンとの戦闘で慣れ始めている。

連続攻撃であっても、なんとか、掻い潜れるようにはなっていた。

俺は体勢を低くするとそのままホブの股下に入り込みスライディングし後ろを取る。

そのまま間をあけずに飛び上がりホブの太い首根っこを足でホールドし短剣を首目掛けて突き落とすが、グラッと凄い勢いでホブの体勢が斜めになり、ホールドが解かれ、地面に着地させられる。


「ちっ!」


舌打ちもでるさ、行動予測は出来ていたが、あくまで予測のビジョンに本物の力が乗るわけではない。

体感がない以上、どんな力が加わってくるかは分からないのだ。


だが、、。


俺の短剣は肩に突き刺さっている。


初ダメージ。


光の拘束は後一本、左足に巻き付いたそれだけ。


強化魔法は後1分か2分、、この1分の違いは本当に大きい。

個人差の影響が良い方に出てくれればいいが、、。


どちらにせよ、たたみかけないと勝ち目は無い。

立ち上がるとさっき吹っ飛ばされて回収出来なかった剣があるほら穴の方に駆け出す。


「グウウゴアアア」


怒気のこもった叫び声が後ろで鳴り響く。

拘束が全て取れたのかこちらに走ってくる音が聞こえる。


「素直で宜しい。」


ここでエミさんの方にターゲットがいったら元も子もない。

剣に辿り着いた俺は、ゴブリンに突き刺さった剣を抜き取りホブに相対する。

2秒先のホブはこちらに突進しながら力をググッと凝縮させている様に見える。


アレが来る。


「分かってればそんなテレフォンパンチ」


魔法のおかげでスピードも上がっている今、その大振りを喰らう事は


「無い!!」


ブオっと凄まじい勢いでホブの拳が俺の横を通り過ぎる、その勢いに一瞬たじろいたが、体勢を立て直し、避けた腕越しにホブの喉元を剣で狙う。


案の定身体を硬直させたホブは素直に俺の剣を受け入れた。


「ゲフ」


ホブの口から血が飛び出る。

俺は止めを刺す為に首に突き刺さった剣をグリっと捻りあげる。


「グゲゲっゲタ」


ホブはブルブルと身体を揺らせるとその巨躯を地面にめり込ませた。


「はぁ、、はぁ、、、はぁ」


やった。


ヒュン!!

その時音が俺の横をかすめた。


矢?


まずい!!


エミさん!!!


「くそっ」


「バカトーヤ、、、ツメが甘いんだよ」


振り向いたそこには彼女がいた、飛んで行った矢を素手で掴み取る、そのアホみたいな身体能力の持ち主が。


「エゼル、、遅いって。」


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