デイスリー3
完成しました。
休憩中の風景であまり進展はありません。
次の回でバトルしたいです。
「トーヤさん今のは一体?」
ん?
俺なんかまずい事した、、のか?
ゴブリンに止めを刺した時に知らないうちに微笑を浮かべてたとか?
だとしたら恐怖だな、、、。
「今のって?」
「まるでゴブリンが、そこに移動して来るのがわかっていらっしゃった様な動きだったので。」
あ、それか。
借り物のスキル行動予測です!!
とは言えないよな、、。
エゼルにも黙ってる事を、エミさんに正直に打ち明けるってのは、駄目、、だよな、やっぱ。
「なんとなく?」
「なんとなく、、、ですか。
身体強化を使った攻撃をなんとなく使ったんですか?
へぇ〜成る程、スキルにも使用回数制限があるのに、当てずっぽうで、、、バカなんですかね?」
またボソボソエミさんになってる。
また一人の世界に入っちゃてますよ。
最後の方聞こえないし、、。
前の世界ではついぞ出会う事の無かった痛い系女子ってやつか?
森に来るまでも事務的な事以外あんま話してないし、いまいちこの人の人柄というものが掴めない。
さっきの対応から見て、仕事の面では信頼出来る人ではあるみたいだけど。
まぁ、ここを生きて帰れたら晴れて即席パーティは解散なんだからどうでもいいか。
「幸い、周りにゴブリンはいないみたいです」
「そうなんですか?」
「はい、私のスキル『索敵』で確認したので、多分間違いないです」
そつなく仕事はしてるんだよな、凄いとは思うけど、、。
いや実際凄いんだ、索敵ってスキルも、結構広範囲で敵の有無が分かるらしいし、何より、魔法使いってのが凄い。
エゼルに言わせれば、そう珍しい存在じゃ無いっていうけど、俺から言わせれば、この世界の全てが珍しいんだって。
あいつらにも、てか、今はあの子達にだけだけど、土産話が
たくさん出来る。
話はそれたけど、要はエミさんはもっともっと自信を持って冒険者をすればいいんだと思う。
「じゃあ、はぐれゴブリンだったんですかね今のは?」
「恐らく斥候、見回りみたいな役割なんじゃないかと、推測します。」
メガネをグイッと中指で上げるとバックパックから取り出したメモ帳みたいな用紙の束をペラペラと捲り確認している。
相変わらずボソボソと独り言は止まらない。
悪いと思いながら、チラ見してみたが、恐ろしく小さい文字で、俺には何を書いてあるかさえ読めない代物だった。
紙自体が高価な物だから、こうなっちゃってるんだろうけど、ここにも彼女の努力が見えて来る。
俺は、一息つこうと切り株に腰を下ろし、水筒を取り出し水分補給する
「はぁー生き返る」
エミさんに水を勧めたが、オーバーリアクション付きで拒否されてしまった。
良く考えれば、間接チューだし当然といえば当然だな、エゼルとは良く回し飲みをするので感覚が麻痺していた。
デリカシーなさすぎだな俺。
「ここで、ゆっくりもしていられませんね」
「ええ、あのこのゴブリンが斥候だとしたら、異変に勘付いた本隊が出て来るでしょうし。」
「やはり、調査隊はゴブリンに拉致されたって事で間違いないんでしょうか?」
「恐らくですが、、その可能性は限りなく高いと推測されます。」
まだ森は深く広く続いている。
このまま、夜にでもなったら、夜間捜索用の装備の無い俺達では何も出来なくなる。
出来れば日暮れまでの後4、5時間の内で、ゴブリンの拠点を探し出し、救助を呼ぶか、、。
出来れば俺達二人で救助するか、、、。
二人になって気が大きくなったからか、正義感からか、調査隊の痕跡を見つけた俺達は結構奥深く迄来てしまっている。
もちろんエミさんのスキルと知識が今回の件で大いに役立つというのが、最大の要因だって言っても過言では無い。
そのエミさんを見ると何やらボソボソとしている
「リフレッシュ」
と唱えると、エミさんの全身が白いモヤ、、シャボン玉と言われればしっくり来る膜が彼女を覆い、数秒後パンッとはじけた。
「ふーー」
「今のは?」
「生活魔法の一種でリフレッシュっていいます。
身を清める効果があるんですよ」
「やっぱ、魔法って、便利ですよね、奥深いし」
「奥深いですか?
こんなのは魔力のある人間なら誰でも出来ますよ」
「魔力ってステータスのとこに出てくる魔攻ってやつですか?」
「ええ、そうですけど。」
「じゃあ、俺持ってます魔力!」
「え?
まさかとは思いますが、トーヤさん」
エミさんがキョトンとした表情で俺を、、。
「ええ、、使えませんよ魔法なんて」
ありえない物を見るような、不便な物を見るような。
ああ!耐えられん!!
「、、、不便ですね。」
「痛み入ります。」
今度エゼルに聞いてみよっと。




