獣もどきーズ
自室のドアを開けると、まさかの虎が!という事態に狼狽えていたグレン達だったが、どうにか落ち着きを取り戻し(現実逃避とも言う)部屋の中に入った。
ベッドにいる狐と虎の獣もどきーズをスルーして、小さな脱衣所に服を脱いで置き、シャワー室に入る。
魔石が組み込まれたスイッチをカチリと押せば、魔道具であるシャワーヘッドからはぬるめのお湯が出て来るので、ささっと汗や汚れを落とした。
「あー…このまま寝そ、ぅ…」
「……おい待て、ここで寝るな!」
お互い小さな隔て越しにシャワーを浴びていたが、ルインの体がふらふらと揺れ始めたので、少し体を乗り出して、ガシッと肩を掴んで起こす。
流石に湯船は無いので長風呂する理由もない。
さっさと脱衣所に戻り、タオルで体を拭いて適当な服に着替えた。
お互いさっぱりして出てきたグレン達だったのだが……ふと視線を床に向けると、獣もどきーズはベッドから移動して、ちょこんと座ってこちらを見ていた。
「…………寝る」
グレンはスッ…と無表情なり、何も見てない覚えてないを突き、すぐに自分のベッドに入って横になってしまった。
「「「「…………」」」」
しん…と部屋の中が静まり返る。
(うわぁ、居心地悪っ…)
何とも言えない空気が漂う中、喋る剣…ではなく虎は、終始笑みを浮かべ、隣には狐が首を傾げてこちらを見る。
いつまでも無言でいるわけにもいかず…仕方ないので狐に話しかけてみる。
「………えっと…狐さん?、体はもう平気?」
「きゅいっ!きゅいっ!」
「……ごめん、聞いといて何だけど何言ってるかわかんねーわ…」
可愛らしく鳴いてくれた狐だったが、当然ルインは言葉を理解できるわけもなかった。
…ので、仕方なく虎に話を振る事にする。
「……なぁ、お前ってあの喋る剣?」
『おうよ!俺っちだ!』
「………じゃあ虎姿のお前は誰?」
『正真正銘俺っちだ!!』
「わかるかよ!!!!」
ガバッと毛布を剥いで、なんだかんだで聞き耳を立てていたグレンは、虎の言葉に耐えきれずがついツッコミをいれてしまった。
ハッとしたグレンは、すぐに毛布を被り直し寝たフリを決め込む。
「………とりあえず、さ。今日はもう疲れたから、話はまた明日でいいか?」
『おう!おやすみ!!』
「きゅいっ!きゅいっ!きゅいっ!」
問題無いようなので、ルインもベッドに横になった。
『あ、白いにいちゃん』
「どした?」
『狐っ子に、魔力くれねーか?』
「きゅいっ!きゅいっ!」
「………適当に取って」
何で?と思ったが、もう体が限界だ。
流石に早く寝たい気持ちでいっぱいだったので、考える事を止めたルインはするりと手を差し出す。
『お。良かったな!狐っ子。魔力の貰い方はわかるだろ?』
「きゅきゅい!」
すぐにぴとッとルインの手の甲へ肉球が当たる。
(あ、冷た…―――)
すると、ルインの体からごそっと魔力が抜けた。
『俺っちは黒いにいちゃんから……黒いにいちゃん!魔力くれねーか!』
今度はグレンに虎が話しかけてきた…が、当然無視だ。
より深く、毛布をかぶる。
『一緒に戦った仲じゃねーか。な?いいだろ?』
のそのそと上に登ってきた虎は、片手でグレンの頭をぺしぺしと叩いた。
ひたすら魔力頂戴コールと、止まる事のないぺしぺしで、グレンのイライラがぐんぐんと増す。
(しつこい!)
だが、我慢もそう長く出来るわけもなく…耐えきれなくなったグレンは、がしりと虎の手を掴んで止めた。
『お?いいの?』
虎の声と同時に、グレンの体から魔力がごそっと抜けた。
そして…そのままグレン達は気を失ったのだった。
……
……
――カチッ。ザーァァ……
――『おお!お湯が!!すげーなこりゃ。ほれ狐っ子、いつまでもきたねー体でいるな。毛並みは毎日整えるもんだぜ』
――「きゅいきゅい!!」
微かに聞こえる水の音…と、おっさんの声。
それと、動物が鳴くような高めの声。
そんな音が響く部屋で寝ていたグレン達は、段々と意識がはっきりとし出して目が覚める。
いつもはグレンが先に起きるが、今日は珍しくほぼ同時に起きた。
「…………ん〜…グレン、おはよ」
「おはよ」
ふわぁ、と欠伸をしながら起き上がったグレンは、いつものように窓を開ける。
頭はぼんやり、体は気怠い。
昨日の疲れが残っているんだろうと思う。
だけど、また寝るわけにいかないので、いつものように朝のひんやりとした空気を吸い込む。
さぁ1日の始まりだ。と、気持ちを切り替えようとしたのだが……それは違う意味で出来なかった。
『あ〜さっぱりした!便利だったなぁ!あれ!』
がちゃりと音がした方を見れば、グレン達の部屋にあるシャワー室。
「きゅい!」
『ん?腹減った?まぁ待てって……お?にいちゃん達起きたのか!おはようさん!んじゃさっそく、魔力くれねーか!』
「きゅ?きゅい!」
どう見ても風呂上がりのおっさんが、尻尾をゆらゆらと揺らし、片手を上げて挨拶してきた。
それを首を傾げながら見ていた狐は、真似をするように同じく尻尾を揺らし、片手を上げて鳴いた。
「「……………」」
何こいつら平然とシャワー浴びてんの!?と、朝からどう突っ込んだらいいかと悩むルインを余所に、昨夜と同様、スッ…と無表情になったグレンは、虎の首根っこを引っ掴み、そのまま開けた窓へと持っていく。
『え?ちょ、黒いにいちゃん!?』
「グレン?何するの―――」
虎とルインの声を無視し、ぺいっ!と虎を窓の外に放り投げた。
『おああ"あ"ああ"あ"あぁぁ〜〜!!……―』
――パタン。
虎…おっさんの叫ぶ声は、グレンが窓を閉めた事により聞こえなくなった。
「俺達は何も見ていない。……さぁ、狐も森へお帰り」
脅威は去った!と、グレンは普段稀に見ない程の笑みを浮かべた。
流石に怪我をしていた狐には、正規?の帰り方を勧める。
「…グ、グレン?」
「ん?どうした、何かあったか?」
「えっ、いや…いや?」
目が笑っていないグレンに、ルインもつい考える事を止めようとした…
……が、現実はやはり非情である。
虎を放り投げた窓から、キリキリキリとガラスを引っ掻くようなゾワリとした音が響いた。
すぐに窓の方へ向くと、窓の外側に、あの虎が爪をたてて窓を引っ掻いている。
「…………ここ、何階?」
「5階」
キリキリキリリ。
未だ鳴り止まない不快音に、グレンは耳を塞いでスルーだ。
流石にこの不快音が続くのは嫌なので、ルインは「はぁ…」とため息をつき窓を開けた。
『ありがとな!白いにいちゃん!!それと……馬ぁ鹿め!!俺っちあの高さならへっちゃらだぜ!』
開けてもらった窓から部屋に入り、「はははっ!」と器用に仁王立ちをして虎はふんぞり返る。
「………ルイン、着替えて食堂にいくぞ」
「え?ほっといていいの?」
「何の事だか分からない」
グレンは未だ現実逃避を続けた。
『往生際が悪いぜ黒いにいちゃん……なぁ白いにいちゃん、せめて狐っ子に魔力分けてくれねーかな』
虎のお願いに、狐の方を見ると「きゅるきゅるん」っと小さくお腹が鳴った。
「きゅ…きゅぃ…」
ちょっぴり恥ずかしそうに耳と尻尾をパタンと落として、体をもじもじ。
笑いを堪えつつ、仕方ないなぁとルインは狐に魔力を上げるべく手を差し出した。
「きゅ…きゅい?」
『おう、貰っとけ。…あ、取りすぎんなよ?』
「きゅい…きゅい!!」
狐が嬉しいそうにルインの魔力を受け取るその隣で、虎はじっとルインの手を見つめた。
そして、「ぐぎょんぐぎょん」と虎の腹から盛大な音が鳴り、ルインは堪らず吹き出した。
「…ふっ…ぶふっ!……なっ、なぁ、グレン?」
呼ばれただけで察してしまったグレンは、眉を潜める。
しばらく無言だったが…それはもう、深い、深ーい溜め息を吐いた。
「……おい。虎」
『…………』
「虎!!!」
『じゅるっ……んぁ!?あ、何だ?黒いにいちゃん』
「魔力欲しいんだろ、ほら食え、さっさと食え。早くしねーとまた放り出すぞ」
心底嫌だと思いながら、グレンは渋々手を差し出す。
ぱぁ!っと笑顔になった虎は、すぐさまグレンの手を掴み、魔力を貰い始めた。
『あ〜これこれ!この味!…いやぁ朝からこんな美味い魔力貰えるなんてなぁ』
うっとりとグレンの手を見つめながら、味わうかのように魔力を受け取る。
そして少しすると、満足満足。と、虎はだらしなくお腹をさすった。
ルインの方を見れば、狐はまだ魔力を貰っている。
「………そういえばその狐、そんな色してたんだな」
ついつい虎の方に意識が向いてしまっていたが、よく見れば狐の体はすっかり綺麗になり、その毛並みは白銀の姿をしていた。
「綺麗だよな。本当…元気になってよかった」
ルインはそう言いながら、反対の手で狐の頭を撫でる。
それに応えるように「きゅいっ!」っと狐は鳴いた。
しばらくしてふと、机の上に置いてあった小さな時計を見ると、そろそろ朝食の時間が終わりに近くなっていた。
名残惜しそうにする狐には悪いが、魔力を渡すのを切り上げ身支度を整える。
「じゃあおれ達は行くから。昨日の今日だし、部屋でゆっくりしてて」
そう言って、慌ただしくも部屋を後にした。
朝食を済ませ学園に向かったグレン達は、教室に入ると、既に来ていたアーリーが真っ先にすっ飛んできた。
涙目になりながら、「心配したんだよ!」と言われたので素直に謝った。
それから席に座り少しすると、鐘が鳴って担任のゴロガンが教室に入って来た。
「皆おはよう!……えー、知っている者も多いと思うが、昨日起こった出来事について…―」
話によると、結局昨日起こった咆哮や地響き、煙の原因はわかっておらず、未だ調査が続いているという。
そして、実は学園が出来てからこのような事件は一度も起きた事がなく、この件は国王にまで話が届いているそうだ。
「――という訳で、今日の授業は休みだ。来て早々悪いが、寮に戻って待機していてくれ。これからの学園の方針が決まり次第、今日中に追って皆に報告する。以上だ、解散」
………
……
…
グレン達はまさかのそのまま、とんぼ返りするように寮へと戻ってきた。
部屋に入り、2人は制服の上着を脱いでハンガーにかける。
「何か大事になってたな」
予想以上に昨日の事が問題になっていて、まさかここまで騒ぎになっているとは思ってもみなかった。
「素直に本当の事言っとくべきだった?」
「……今更だろう。真偽は置いといて、多分俺達の事も話さないと辻褄が合わなくなる。なるたけ目立たないように……は出来ているかはわからんが、これ以上騒ぎになってもな…」
「そうだよなぁ…一応、学園内で誰か被害があった訳じゃ無いもんな……おれ達は別で」
話した所で、どうして嘘を?となるだけである。
それなら今のまま、調査をしている人達には悪いが、黙っている方が無難だ。
とりあえず今は聞きたい事もあるので、ベッドで仲良く寝ている虎と狐を起こす。
『んぁ…?にいちゃん達?お早いお帰りで』
「あぁ、急遽学園が休みになったんだ。…んで、今朝はつい勢いで放り投げちまったが…お前達に色々聞きたい事があるんだが…」
『いいぜ、狐っ子を助けてもらったしな』
「そうか、じゃあさっそく。お前は…あの黒い剣なんだよな?」
『おうよ』
そう言うと虎は、ピカッと光ると剣の姿になった。
もう一度光ると虎の姿に戻る。
『俺っちは剣であり虎でもある』
「「……??」」
『そうだな……四獣って知ってるか?』
「「知らない」」
『…まぁ当たり前か。四獣ってーのはな、聖獣の従兄弟みたいなもんだ。精霊や聖獣は知ってるだろ?」
「「一応」」
『精霊や聖獣とは違い、四獣は自然から産まれた存在だ』
「自然?」
『そうだ。自然は、人間や動物とは違うなんて事はない。ちゃんと心がある。水や土、草木や、そこらに転がる石だってだ。そいつらの心から産まれたのが四獣であり俺っちだ』
「……それがどうして剣になったり虎になる?」
『早い話、聖獣のお守り役だからだな。守るには虎の姿で一緒にいる方が都合が良く、剣になれば武器にだってなる。誰に命令されたわけでもないが、そうゆうもんだと心が言ってるんだよ」
「……あれ?じゃあそのお守り役の虎は誰を守ってんの?」
『んなの、この狐っ子に決まってんだろうよ』
『何を今更…』と虎は呆れたようにため息をついた。
つい狐の方に視線がいく。
「え?じゃあこの狐さんは聖獣…?」
『付け加えるなら、聖獣の赤ん坊だな』
……は?聖獣がどうしてここに?
いや、わかるよ?連れて来たの俺たちだけどさ!
「お、親は?赤ちゃんなら親がいるだろ?」
『親?聖獣に親なんていないぞ。まぁ束ねる長はいるだろうがな』
「じゃあ届なくっちゃ!!」
『何言ってんだ…早々見つかるもんじゃねーよ。そもそも白いにいちゃんがいるんだ。わざわざ届ける理由もないだろうよ』
「……なんでおれ?どうゆう事?」
『そりゃ狐っ子が、白いにいちゃんの使い魔になってるからじゃねーか』
……ん?今なんてった?使い魔?聖獣が?誰に?
「……はぁあああぁぁあ!?!?!!」
『うわっ、急に叫ぶなよ。びっくりしたじゃねーか』
「いや、だって!!どうゆう事!?使い魔!?何それ美味しいの!?!?」
『光栄に思えー?赤子とはいえ銀狐の聖獣が使い魔なんだ。それにこの狐っ子は特殊個体の異変種だ』
ドアを開けた時以上の衝撃。
グレンも珍しく、ぽかんと間抜けな顔をしている。
「いや、いやいや…え?いつから?使い魔って勝手になるもんなの???」
『何言ってんだ。白いにいちゃん…昨日ちゃんと契約しただろうが』
一体いつの事を言っているかまるでわからない。
『ちゃんと昨日の夜に"魔力くれねーか"って聞いただろ?聖獣からの申し出何て早々ねーし、狐っ子と正式に言葉も交わしてる。んで、魔力も渡した。契約を受けたのは白いにいちゃんじゃねーか』
そう言えば、と思った。
確かに昨日寝る前に、狐に魔力が欲しいと言われて渡した。
だけども!どうしたらそれが使い魔の契約云々だと思うのか。
『お?思い出した?良かったなぁ狐っ子!!』
「きゅいきゅいっ!」
狐はとてとてっと近寄り、ぐるぐるとルインの足元で喜んでいる。
どうしてこうなった…とグレンを見れば、やっぱり現実逃避に勤しんでいた。
『まぁそうゆうこった。てことで黒いにいちゃん…いや、主もよろしくな!』
「……………は?」
先程から空を見つめてたグレンが、間抜けたように声を出した。
『どうした?主。いや、もしかして"ご主人様"の方が好みか?』
グレンの足元に近づいた虎が、ニカッと笑う。
……こいつは今、俺になんて言った?主だって?
狐がルインの使い魔になったのはこの際放置だ。
毎度毎度爆弾に突っ込みそのまま抱えてくるルインには、怒りを通り越して呆れるが。
…まぁ狐が聖獣だったってのは素直に驚いたけど。
「……誰が、誰の、主だって?」
『何だ?主、疲れてんのか?黒いにいちゃんが、俺っちの、主に、決まってるだろ?主も昨日正式に契約しただろーよ』
そこでグレンは眉を潜めた。
ルインの契約の仕方を聞いて、確かにグレンも似たような事をしたと。
…いや、正確にはイライラして虎の手を掴んだだけだ。
「……今すぐ契約を破棄する」
『なん…だと?!』
「契約を破棄すると言ったんだ。ルインはいい…人間と聖獣が契約している例はある。だがお前は何だ……四獣何てそもそも初めて聞いた!聖獣のお守りだか何だか何て知らん!他所でやれ!!それに契約だってほぼ詐欺だろ、無効だ無効!!」
段々とヒートアップしていくグレン。
現実逃避を超えて限界突破した今、とにかく面倒ごとは切り捨てる!
『…ひ、酷い!!!!』
わぁっと虎は駆け出し、狐とルインに泣きつき出した。
「グ、グレン…落ち着い「あ"ぁ"っ!?」ひぃ!?」
こうなったグレンは止まらない!
いつの間にか〈共有〉スキルも発動し、グレンの感情が荒れ狂う。
だが、何処ぞのヤクザのように虎に詰め寄るグレンに、怖いもの知らずか、とてとてっと狐は足元に近寄った。
「……きゅぃ?」
艶やかな毛並みを擦り付けながら、暴力的なほどのもふもふ尻尾を足元に絡める。
更にうるるんっと瞳を潤ませて、下から見上げる上目遣い。
更に更に、聞こえるはずもないのに、
『お兄ちゃん…一緒にいるのは、嫌…ですか?』
…と、幻聴まで聴こえてきた。
「ぐっ………」
一瞬の動揺。〈共有〉からの怒りが小さくなった。
「グレン…おれが言うのもおかしいけど…ダメか?」
『主……俺っちと…一夜を共にした仲じゃねーか』
ルインの頼みで、つい仕方ないと言いかけ、虎の言葉でまた怒りが湧き上がった。
…だが、
「きゅ…。きゅぃきゅぃ…」
足の裾をちょいちょいと引っ張られ、ほんのり寂しそうに…それでも精一杯笑う狐の姿に、もれなくグレンは撃沈した。
「……っっ、あ"ぁ"もう!わかった!好きにしろ!!」
がしがしと頭をかく。
どの道、狐のお守り役の虎は狐から離れるわけもなく…。
「そもそもどうして俺と契約したんだ。別に狐と一緒でルインと契約すればよかったんじゃないのか?」
『そりゃ、主の魔力が美味かったからだ!生まれてこの方、あんな美味い魔力は初めてだった…だから俺っちは思いついた。主と契約すれば美味い魔力が貰い放題。更に狐っ子は白いにいちゃんが気に入った。これはもう、契約するしかないと思ったぜ!』
グレンの額にピキリと青筋が浮く。
『あ、主…落ち着いて。…あぁそうだ狐っ子、こっち来い来い』
そう言うと、急に真面目になった虎と狐はグレン達の前にちょこんと座り直した。
『えー…ンン"、おほん。んじゃ早速…
〈火〉を守護する聖獣が一人、名を【銀狐】
〈刃〉を極めし四獣が一人、我が名は【白虎】
創造神より加護を与えられし人の子よ。
我ら、古きに渡る盟約に従い、汝らに加護を与える』
それらを言い終わると途端に虎達は輝き出した。
眩しさに目が眩む。
やがて光が収まり、そろりと目を開けると、今度は自分達の体からキラキラと光が溢れていた。
『気分はどうだ?段々と光は収まっていくし、それで馴染むだろうさ。…まっ改めて、これからよろしくな!主達!』
「きゅいきゅい〜!!」
『俺っちと契約して魔法しょ……ま、待て、落ち着け主。これをやらない訳には……あ、あああああああああああーーーー』
「…あれ、グレン。虎何処行った?」
「今頃土と一緒に寝てんだろーよ」
「きゅぃきゅい♪♪」




