履くだけで素早さ99999のチートな靴を手に入れたら世界が変わった件
第1話(最終話)『商品紹介そして伝説へ、、、』
今回紹介する商品はこちら!『瞬過』!!
大人気のシューズですよぉ!!
これを履けば今までのシューズなんて履けなくなります!
なんと言ってもこの瞬過の機能!!皆さんもご存知ですよね!?そうです!『過速』機能!!!特許技術を用いたこの機能を使えばいつもの何倍もの速度で移動ができますよぉ!
十倍設定で五十kmも一時間で!百倍設定で五百kmも一時間で!もっともっと倍率を高く設定すればより早いんですよぉ!!徒歩でどこだって行けちゃいます!!凄いですよねぇ!!?
実際に今、私が履いているのも瞬過のビジネスモデルです!これも働く皆さんの熱いご要望にお応えして生産されました!!これからこのスタジオの端から端まで歩いて見ますねぇ!
見ててくださいよぉ!!はいっ!!
見えましたか!?早すぎました!?
もう一度やりますよぉーーっ!はいっ!!
どうですか!これは凄いですよぉ!
さて、この瞬過!皆さんも欲しいですよねぇ!?お値段気になりますよねぇ!!?勿論、大ヒット感謝セールとして頑張らせていただきますよぉ!!
通常50000円のところ、なんと39800円!!まだこれだけじゃないです!なんと言っても大ヒット感謝セールですからねぇ!!ここから更に!引きます!!
なんとなんと、、、29800円!!29800円です!!
本当に出血大サービスですよぉ!!
更に番組終了後一時間以内にお申し込み頂いた方には瞬過専用インソールニセットをお付けしますよ!更に更に!!瞬過を二組お申し込みの方には二組目の金額が9800円です!!なんと一万円を切ってしまいました!!これには私も驚きですよぉ!!
さてご覧の皆さんお電話番号は画面下、この番号ですよ!番号終了後に!どんどんお問い合わせください!!
瞬過基本モデルのメンズ、ウィメンズ各十種類、お子様にもキッズ用十種類、働く方向けのビジネスモデル男女各三種類、学生様の制服にも合う学生モデルこちらも男女各五種類、ご年配の方にも履きやすいシニアモデル男女各三種類のなんと五十二種類からお選びいただけて、インソールも専用のものを一時間以内のお申し込みでニセットプレゼント!!
是非皆さんお買い逃しのないようどんどんお問い合わせくださいねぇ!!
前にな。
『瞬過』って靴があったんだ。それはそれは人気があったよ。履いてない奴なんかいないくらい。
高かったが、人気が出てきてな。会社が儲かったんだろうよ。安いやつも出てきてなぁ。最終的にはそこらにある安い靴なんかと変わらないくらいの値段になったかなぁ。そりゃあ普通の靴なんか売れないわな。
とにかく便利だった。『過速』って機能があってな。倍率を高くした分だけ早く動けるんだ。
まず車なんか要らなくなったな。バイクも、電車もな。瞬過があれば日本縦断もすぐだよ。瞬過を買って車を売る奴もいたくらいだ。俺は一応持っていたがね。
笑ったのがな、瞬過を履いて逃げる窃盗犯をパトカーで追いかけてた映像があってな。本当におかしかったよ。
それにな、これは環境にも優しいってなもんで政府も推奨した訳だ。そしたら世界の奴らも欲しいってなってな。
そんな靴がなんで今はないのか?
それはな、瞬過の機能が危険だったからだよ。
まず、じいちゃんばあちゃんが死んだ。それこそパタパタとな。そん時にゃあ車より瞬過の方が早かったからな。家族や周りの連中が救急車呼ぶ前に病院にじいちゃんばあちゃんを運ぶんだよ。ただな、あまりに数が多すぎて病院が回らなくなったんだ。こっちじゃダメだ。あっちはどうだ。ってな感じで駆け巡るんだ。
そしたらな今度は駆け巡ってた奴がパタリだ。
それがどんどん続くんだ。すると町中に倒れた奴らが増えるよな。警察を呼ぶやつもいた。警察は急ぐよな。パタリだ。マスコミの連中もネタをとりにいく。パタリ。病院の奴らもパタリ。
異変に気付いた国や政府も急ぐよな。パタリ。
とにかく皆焦ったんだ。瞬過の倍率をどんどん高くしていった。そしたら皆死んでいく。
要するにな、過速って機能はな倍率を高くした分そいつの時間を進めちまうんだ。寿命って言ってもいいかもな。人間みんな生きる時間は決められてる。時間を早く進めればその分早く寿命が尽きるってことさ。死んだ奴らの見た目はそのままさ、寿命を進めただけだからな。そういうシステムなんだ。
五十年生きる奴が十倍で動いていれば五年で死ぬ。百倍なら半年で死ぬ。
皆瞬過を脱ぐという考えがなかった。より早く、より早く動けば全部の問題を解決できると思っちまったんだろうな。もう早く動くことが当たり前になっちまってたからな。
世界的にも少し被害があったがな。海外に出して間も無くだったからそこまでじゃない。日本が一番人が死んだ。瞬過を一番使ってたからな。それでまだ使用者が少なかった国の奴らが気付いたんだ。
その後、国として機能しなくなった日本は無くなったよ。なんせ政治家やなんかも死んじまってたからな。
俺?俺は見てのとおりさ。子供の時からずうっと寝たきりだからな。靴なんかいらないだろ?ずっと勉強してたな。ははは。
時間過速装置を作ったときにな、どっかの社長が聞きつけたのか多額の金でそれを買っていった。それこそ人生を遊んで暮らせるほどのな。
暫くして瞬過って靴が販売された。俺は海外へ移住したよ。
どうなるか分かってたかだって?勿論。俺が装置をつくったからな。ただな、装置を売るときに約束したのさ。取引は秘密にして、装置を開発したことも黙っているようにってな。俺は約束を守ってただけさ。
ああ、そういえば。
今日は『時間耐止』装置を誰かが買っていったよ。
秘密にしてくれだってさ。だからさ、俺はみんなには言えないよ。
なんで笑ってるかだって?そりゃあ、、、
楽しみだからね。
色々突っ込みどころ満載ですが、気にしないでおこう。