プロローグ:人ならざるものたち
よかったら読んでいってください。
現代、エルギニア。天仰ぐ丘。
「・・・来たか。」
『・・・・・・。』
「・・・ラインヴェルツ。」
さながら救世主のように荘厳で、神々しいまでに美しいその姿とは裏腹に、
人の世に災いをもたらし続ける忌むべき幻獣。
「倒しても倒しても・・・貴様らの一族は際限りなく現れる。
貴様らは一体何者なのだ。この世界に何を望む。」
『・・・・・・。』
「答えろ・・・ラインヴェルツ!」
『・・・・・・。』
「おいで・・・ラインヴェルツ。わたしがぜんぶだきしめてあげる・・・。」
「もういたくないよ。もうこわくないよ。だいじょうぶ・・・わたしがぜんぶ・・・。」
『ヴォオオオオオン!!!!』
周辺に咆哮が鳴り響く。
「っ!」
(絶望、悲哀、怒り・・・!あらゆる負の感情が怒涛となって押し寄せてくる・・・!)
「ぐ・・・!!」
(・・・負けるものか。私の思いはこれしきでは潰されない。
勝ち取ってみせる。この世界に、人の存在を!!)
「来い、ラインヴェルツ!!!!」
・・・・・・。
またひとつ、地上から光がきえる。
繰り返し、繰り返し。世界に灯っては消えていく光。
それはかつて人を救おうとした戦士たちの、悲しくて優しい願いの光。
この世界を・・・滅ぼす光。
最後まで読んでいただきありがとうございました。