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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
六章 生と死の炊き出し
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肉が滅ぶ日

 お肉食べたいですね。ときどき入ってくるカオス回です。

 マヤ王国に来たよ。いやあ、ヨドミちゃんに聞いてたけど本当に前々世より権力者と平民の距離が近いみたい。今、列に並ばなかったエルフの公爵とか名乗った人を平民のドワーフが殴り倒してた。

 こわっ!? 権力差考えたら明らかに打ち首コースじゃん! これ私も殴られたりしない?! 個人戦闘力は皆無なので許して下さい!


「聖女様が殴られるわけないでしょ」

「そ、そうかな?」


 まあ個人格闘戦闘力が無いロコちゃんとか私が殴られたらあらゆる方向から抗議が来そうだけどね……。流石に荒くれの国って訳じゃ無いだろうし。リカちゃんは殴り返しそうだし簀巻きは殴っていい。


「そもそも喧嘩を売るにもシェルじゃ貧弱過ぎますわよ」

「リカちゃんも私に喧嘩売ってきたよ?」

「うっ、私も貧弱だから良いんですわ」

「鬼人のくせに」

「しぇーるうぅーーー!!」

「めっちゃ仲良いよねシェルとリカちゃんは」

「すまきー!」


 いつもの三人娘と遊びながら、凄く開放的なマヤの国を歩く。三人も楽しそうだな。ドワーフの国は子供も可愛いんだろうなぁ。


 あ、そう言えば獣人娘たちはどうした……って……。なんかおどろおどろしい気配が漂っている。何故かイルとレコがチベスナ獣人に? 何が有ったの? あ、ユサとキスリカ様と知らないエルフの女の子が集まって……!


「ユサ=キンノ」

「キスリカ=マヤ」

「クニナ=イマウ」

「我ら三人、生まれし日、時は違えども姉妹の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを肉を狩って調理して救わん」


 あ、最近ユサが文豪を目指してるらしいです。凄く文学的な台詞ですね。ユサたちは名誉男爵位を得たのでとりあえずキンノ姓を名乗ってます。シンクお父様にはイセイス姓も推されたけどね。私も三人と姉妹でも良かったんだけど何も言わなかったら決まってた。


 つかなんかヤバめの桃園の誓いが宣言されてりゅううううううううっ! なんでその三人そろってりゅのおおおおッッ?


「先月くらいに合流した」

「肉を食らう会」

「美味しい肉料理を極め尽くすのですわ!」


 なんだ、これは何が起こってる? 一人で一つ森を滅ぼす肉好きばかり三人集まってるとか……ひょっとしてもう、この近隣の肉は滅びたのか?


「いや、流石に」

「そんなに食べない」

「森三つくらいしか滅ぼしていませんわ」

「滅ぼしとるんかーいッッ!」


 ヤバい、ヤバい! 今日この日が肉が滅びる始まりの日ですか? どうすんのこれ?


 そうだよ、マヤにはキスリカ様がいるのに何故すっぽり忘れて私はユサを連れてきたの? しかもなんでリナトの肉料理研究家来てるの?


「キンノの肉が安かったので研究のために行ってみたんですよね」

「そこで出会った」

「マヤには王女たる私が招いた」


 ユサのせいかーっ! ユサが狩りすぎて肉が安くなったので二人を引き寄せた模様です。運命か! 運命は肉食獣のものなのかっ!


「シェル、私たちはドラゴンハンバーグを所望する」

「竜肉の新たなる世界とユサに聞いた」

「奇跡のスープを開発した聖女様の奇跡のドラゴンハンバーグ…………ああ、女神様はここに御座します!」


 なんか肉料理要求された。

 ユサとキスリカ様は知ってたけど三人目のリナトの肉料理研究家、クニナ=イマウさんがなんかヤバすぎる! ヤンデレって本当はこう言う人だよね! 料理道は肉グルイなりとか言いそう! ただでさえたまにユサに肉女神とか呼ばれてるのに! そして肉を見る目で見られてるんだよね……怖すぎる。


 は、ハンバーグを、ドラゴン肉ハンバーグを焼かなければ、死?!


 お昼はまたドラゴンハンバーグです。朝はドワーフ寝てるんだもん、朝御飯は炊き出ししても人が来ないとヨドミちゃんデータ。夜に酒を飲む種族だから?


「はぐうううっ」

「にくうううっ」

「なんとっ、これが奇跡、これが安らぎ、肉女神の肉料理!」

「シェルは肉の女神。これが女神の肉料理」

「はぐっ、はぐっ、はぐうううっ!」

「まるで聖女様の肉のようにふわふわですわーっ!」


 なので昼は肉グルイです。ユサ、私の肉じゃないからね? キスリカ様は最早ドワーフの皮を被った獣。クニナさん、私の肉は食べないで下さい。


「し、シェルのお肉……」


 その想像はダメーッ、ルート! わわわ、私の肉は料理用では無いよ? でもまだちょっとそっちの意味は早いのー! シェルに心読まれたとか言ってなんで嬉しそうなの?! そう言うのは読みたくないからー! 割とルートってむっつりなの? ちょ、ちょっとくらいなら触っても……良いよ?


「こんな時までのろけるな!」

「あ痛っ! ロコちゃん痛いっ!」


 なんかみんなに肉扱いされるし料理は忙しいしロコちゃんに(はた)かれるし最悪だよ……。


 うっ、なんかあの三人放っておいたら無限に食べそうなんだけど、そろそろ竜肉在庫無いんだよね。あ、イルとレコまでが参戦した。


「狩ってくる?」

「買ってくるみたいに言わないでルート。どの道にしろ熟成が間に合わないから……こんど狩っておいてね」


 そして五匹はいくらか減っていたとは言え、竜肉一頭分を食べ尽くした。肉レンジャーを結成してた。

 …………お昼はそんな世界の肉の危機と戦い抜いたよ…………。


 夜は夜でお酒の危機と戦う事になりそうだけど。ドワーフの国恐ろしすぎる…………。あれ? 奇跡のスープの材料足りるかな……? 今日は新しい土地だからいつものキノコと鮭のたっぷりシチューにするつもりだったんだけど……。今からミウニオかウトリに魚買いに行こうかな…………テレポーター便利だし…………。なんと言う料理奴隷。私はきっと聖女なんかじゃないんだよ…………詐欺師だし。






 肉の熟成は三日くらいでも美味しいみたいですが、トリミングとかしないと食中毒が危ないです。

 アルコールで死なない菌もいるらしいですね。

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