永遠にデートしたいけど終わる時は終わる
愛の炊き出し最終話です。有り難う御座います。
ルートと、甘いキスしてる。ん、むー、んっ、ふうぅっ。はあっ、はあっ、も、もう一回……んーっ、なんか体が切ない感じになってきた。これ以上はヤバいね。今ほぼ密室だからね。青空の下なのに。空飛ぶアイテム作っとこ。ルートから逃げる日は多分来ないけど。
もう一度ルートをぎゅっと抱き締めて日が傾くまで二人でいた。帰って炊き出しの準備やポーション作ったりしないと。ゴーレムにも着手したし植物ポーションの量産も続けている。ラウネーズが最近は森の植物全てを味方につける勢いで薬をばらまいているらしい。恐らくもうスタンピードは起こらないようだ。丸投げはジャスティスだったのである。
ルートとの幸せな時間も終わりに近付く。さっきまであんなにいちゃいちゃしてたのに寂しいよー。
「シェルは寂しがり屋さんだね。もっとキスする?」
「こ、これ以上はなんか変になるからいい……」
キス一つでもこんなに体に響く。ルート好き過ぎる。脳内麻薬中毒とか有るんだろうか?
でも人間関係のストレスは綺麗に無くなった。癒し効果は抜群だな。
寂しいのでちょっとぎゅってしたままトロッコをゆるゆる飛ばす。植物たちもそっとしてくれてるのが有り難いな。空気読めるよね植物。
やがて楽しい時間は終わる。キンノ町外れの我が家に到着だ。
「ルートお疲れさま」
「うん、シェルもお疲れさま!」
「私は疲れてないよー、ルートにいっぱい癒してもらった」
「それは良かった。毎日デートしないとねっ!」
「したいな~」
とろとろに溶けてる頭で緩い感じに返す。キャラクター変わってしまいそう。ルートといるとほんと、どんどん私は変わっていく。頭の中でも男っぽい言葉が自然と減ってくるし。不思議。でも無理せず変われるならそれが良いよね。そう思う。
あー、一日終わった。子供たちが野菜を切って入れた術式保存ボードを確認してお給料をあげる。みんなの頭を撫でてやる。
「お姉ちゃんいつも優しいけど最近はもっと優しくなってきたね!」
「一緒にご飯食べよー!」
「うん、あとで炊き出しに行こうね~」
なんか外から見ても変わってるらしい。良い変化なら良いけどね。家の中では獣たちが肉を刻んでいる。そんなにミンチばかり作られても調理しきれないぞ!
あ、ちょっと調子戻ってきた。やっぱり突っ込みはいないとな。うちはキャラクター濃い人多すぎるし。
恋をして丸くなってしまってるけど、自分は失ってないよね。当たり前か。
ルートもずっとニコニコしてるけど、そろそろお別れ……しない。お酒飲もう。なんか最近は毎日のように晩酌してるけど、ポーションで治るからな~。前世にもこんな効果的なアイテム有れば良かったのに。まあでも、今が一番ってことで良いよね。
さて、ユサがそのまま生肉ハンバーグで食べはじめてしまいそうだからハンバーグ焼いてやるか。ルートも一緒に焼いてくれる。
今日はロコちゃんたちもカナイもアンセルも来てない、珍しい日だ。あんまり気を使われても寂しいよな。まあいちゃいちゃし過ぎて目の毒なのも分かるけど。
珍しいことにヤーカミも来ない。ヨドミちゃんとありすちゃんも来ない。ほんと、ルートと獣人たちだけで、その獣人たちもご飯が終わったら公爵家に帰ってしまう。二人きりだ。
「二人きりで楽しみますか」
「そうだね。いつも賑やかだからちょっと寂しいけど」
「だよね。明日からはまたみんな誘って飲もうね」
今日は二人でいよう。せっかくだもんね。デートの余韻に浸っていよう。
と、その前に炊き出しだ。愛情いっぱいの冷やしたスープにしよう。なんかいつも以上に蛍が飛んだ。ん? 魔力がいつもの倍くらい高まってる? 愛情込めたから?
どうやら思いの強さに魔力が高まったらしい。手伝ってくれたシーナさんたちに金貨を渡して帰る時も、みんなニコニコしてた。魔力には個人の味みたいなものがあるけど、愛情が魔力伝いに伝わった可能性は有るね。興味深いや。ルートへの思いも奇跡に変わる。そう思うと嬉しいよね。
やっと二人の時間に戻れた。あー、もう、好き。駄目だこれ本当に頭壊れてる。二人でお酒飲みます……酔ったらヤバそうだね。き、気を付けないと。
さて、料理はなんにしよう? 和風作りたいところだけどデート記念になるものを作りたいな。つかなんでこんなに記念とか意識するんだろ? 女の子だから?
よし、お寿司にしよう。刺身はウトリで捌いてもらったからな。ご飯にすし酢で酢飯を作り刺身をわさびの代わりの辛子をつけて丸めた酢飯に乗せて布で丸める。簡単手まり寿司だ。茗荷とか有れば乗せても良いけど、ネギにしておこう。生姜なら有るんだけど、ああ、青魚に乗せたら良いな。それにしてもこの魚綺麗に捌いてるな。刀なのに。
よし、とにかくイカや海老も作ったしこれで良いよね。ルートはどのネタ好きだろ? つか辛子大丈夫かな?
「お醤油つけて食べてね~」
「いただきまーす! ん、おお、甘い! 魚を生で食べるの初めてかも? シェルはウトリで食べてたね」
「そうなの? 浄化魔法有っても貝とか中るらしいから生魚もここでは食べないのか……。これは術式保存ボードを使ってるから新鮮も新鮮だけどね」
熟成の浅いお魚は硬かったりする事もあり、あまり美味しくないって人もいるよね。ものによると思うんだけど。熟成したら味が落ちる魚も有るし。
でも健康に気を使うなら新鮮なのが良いよね。毒素が発生する可能性も有るし。上級浄化薬使ってみる? 勿体無いと怒られそうだな~。氷漬けで半日熟成したくらいので良いよね。
それにしてもルートは初めて食べる物なのに普通に口に運ぶな~。信頼されてるのかな……嬉しい。美味しいと良いんだけど。大丈夫か、普通にお酒も進んでる。
そのあとも二人きりで、最後には抱き締めあって、またキスをした。キスし過ぎかも。また明日も一緒だよ、と言ってルートは帰っていった。多分理性が耐えられなくなりそうだったんだろう。私がそうだった。
本気でお寿司のネタを書くとそれだけで二十万文字書けてしまいそうなのでちょろっとで済みません。
寿司酢は米酢と砂糖と塩少量を沸騰させないように温めながら混ぜます。んー、前の釣りガールの方でも書いてますけど古米と新米のバランスが大切なんですよね。口の中ではらりとほどけるお寿司と、隠し包丁を入れたネタのトロッとした舌溶け。昆布で締めた鯛等の加工したネタ! んーと、書かないつもりなのに何故か書いてしまう。お寿司大好きなんです! そして奥が深い!
次の章からは戦いが多いです。いちゃいちゃもします。お酒も飲みます。いつも通りですね!




