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晩酌しようとするとあの人が来ます

 ホラー表現が有りますので心臓の弱い方はご注意下さい。

「幸せと愛情のセールスマン、ヤーカミです!」

「帰れ」

「今回お届けするのはこれ! 熟成したドラゴン肉のハムですよ!」

「帰れ」

「あれ、お気に召しませんでした?」

「なんか座布団でも運んできそうなウザキャラになってない?」

「座布団は運びませんけどお酒は運びますよ」


 あ、座布団は有るんだ? まあこの世界日本人転生者が悪乗りして変な情報たくさん残してるからな。


 まあハムにしろソーセージにしろ自分で作れるから別に買わなくても良いんだが…………この辺り知識チートは振る舞えないんだよな~。まあそもそもソーセージに使う腸とか用意するの難しそうだけど。ネギとかでも詰められるけどな。

 餃子が分かりやすくは有るんだけどあれも小麦粉の味が肉を邪魔してはいるんだよな。ラー油とかにんにくの強い味、と言うか餃子と言う料理の味になってる。好きだし美味いけどね。

 肉を純粋に美味く食うならステーキなんだけど、それもまた寂しいよな。手の込んだ料理否定されてる気がするし。ステーキも本格的なのは難しいんだけど。だからハンバーグが良いのかな~。料理ってなんだろう?


 まあ私は美味しく食べれたら良いや。モツ炒めにレモン添えとこう。味変な。

 味変テクニックって実際カロリーオーバーになりそうだよな。食べられないなら食べないで良いと思う。カロリーは一番控えなきゃならない要素だし。スポーツ選手並みに運動してるなら良いんだけどね。


 さて、定番のヤーカミと、爺様婆様も来たし、あとヨドミちゃんもお休みさせてやった。仕事に追われる人生なんか今日は止めにして、飲もうぜ!

 ちなみにシンクお父様は女王様と仕事。なので代わりにルエモお母様、ララキお姉様、ルチオ君を呼んでみた。シンクお父様は血の涙を流していたらしい。


 ヨドミちゃんを呼べたのは話が有るらしいからだ。なんか重大な動きが有ったんだろう。ちなみにお姉様も色々お父様をサポートしていたのでヨドミちゃんとお姉様の仕事はお父様に丸投げである。ジャスティスだな! お父様が可哀想だが。


「ここがシェルちゃんの隠れ家なのね~」

「お父様はもう来たこと有るんでしょ?」

「お父様は女王陛下と来ましたね。ヨドミちゃんは良く来ます」

「チーダ公爵様、お久しぶりです~」

「昔みたいにヨドミちゃんで良いですわ!」

「お二人は友達なんですね」


 お母様はハーフリングだからな。ちなみにハーフリングハーフのララキお姉様とルチオ君は小柄だが普通人種(コモンヒューマン)の規格を外れるほどは小さくない。百五十センチくらいかな? ルートの方が小さい。ルートは子供かと思ったので百三十くらいかな? 私は百六十五有るんだけどね。エルフにしては小さい方だよ。まだ若いからね~。


 んー、普通の女の子ならジルア=チーダこと、ありすちゃんの本体やアンセルの方が興味有るのかも知れないけど、私は大きい男やイケメンが少し怖くて、ルートはそう言う意味では怖くないし仲も良い。

 だからルートを好きになってるのも自然な事なのかも知れないな。アンセルには悪いけど、アンセルが居たからこそルートを好きになっていく。


 そう言う意味ではルチオ君も年下だし怖くないんだけど、ツンツンしててなかなか近付けない感じ。

 ありすちゃんは女の子ですよ? あんな変態の婚約者可哀想だよね。ひょっとしたら辺境伯家や伯爵家の令嬢であるリカちゃんやロコちゃんがそうなのかも知れないけど怖くて聞けてない。


 あ、ルエモお母様も長命種族だからほぼロリキャラだ。シワとか一切無いからな。小学生にさえ見える。

 ルートと仲が良さそうで嫉妬するけど相手は人妻だからな。二人並べてたら可愛いし。あれ、悪くないな。なんか嫉妬心が消し飛んだわ。やっぱり私は根っからの子供好きらしい。


 ララキお姉様とルチオ君にお酒を振る舞うと、ララキお姉様は良く笑う。ヤーカミの話を聞きながら大笑いしてる。なんかルエモお母様もヤーカミの話を聞いてニコニコしてるしヤーカミうちの家族にモテモテだな!


 ルチオ君の方はなんか……シェルお姉様とか言い出した。飲むとデレるタイプか!


「シェルお姉様、僕では駄目でしょうか……。ルート様は僕より地位も高いですが……僕だって、その、小さいですし」

「いやいやいや、どうしたのルチオ君、ちょっと水飲もうか! あ、ポーション飲む?」

「お姉様の出してくれる物なら何だって飲みます!」


 ヤバいぞヤバいぞ、あっさりデレ過ぎだろルチオ君。酔いが覚めたら後悔するパターンだ。大きな取引が決まり勢いで酔ってしまって、泣いてる女の子をホテルに連れ込んだ前々世を思い出してしまった! ごめん愛人……これはヤバいわ。


 あまりにも危険なので浄化ポーション突っ込んだらルチオ君は今度は顔を真っ赤にしてうつむき酒も進まなくなった。絡んで来ないなら飲んでくれた方が楽しいんだけどな……。


 んで、そんな事が有ったのでルートもなんか絡んできた。何故かルエモお母様とララキお姉様もしなだれかかってくるし! カオス!


「潰れてしまわないうちに大切なお話をしましょうか」


 ヨドミちゃんナイス! こう言う時は大貴族様は仕切ってくれるから有り難いよな!


「うーん、けっこう重い話なので酔いを覚ましたくない方は離席をおすすめしますわ」

「えっ、それってマズイ話ですか?」

「有る意味、とても不味いです」


 そう聞いてルエモお母様はスッと席を立った。聞いたら駄目な話と判断したようだ。お姉様はむしろ国の仕事に手を出してるので聞くべきと判断した。ルート、ありすちゃんも同様だ。他の人は席を離した。そこでヨドミちゃんは小声で切り出す。しかし、ギリギリ聞こえたのだろう、その場が凍りついた。


「帝国から、半分ホムンクルスとなったサンカイダ=ノルワの首が送られて来ましたの……」


 あの反乱を起こそうとしていた元男爵、その生首、しかも半分ホムンクルスって。情報が多すぎて頭が止まった。


 つまりわざわざホムンクルス化を進めていた元男爵、多分私を恨んでいた男を、生首、つまり殺して送り返して来た。政治的にも色々なメッセージが読み取れるけど一番大きいのは……。


「つまり帝国は、シェルちゃんを殺す事ばかり主張するノルワ家を完全に切った。つまり目的は」

「前回の宣言通り私の身柄をまるごと確保する方向に指示がかわったと……」

「誘拐等の手で来る可能性が高いですわ。この町にはシェルちゃんの大切な人もたくさんいるので気を付けないといけませんわね」

「マジか……」


 そこまで話していて、どうやら話を聞いていたクシワク婆様とかプラムが突っ込んできた。


「今のこの町を攻めるのは悪手だねえ。私らがそこらの冒険者に負けたりはしないし、騎士がホムンクルスになっても多分消し去れるよ」

「それに妾もいるし、先日の植物用回復薬で元気になった先代もシェル贔屓だ。この町を攻めたりしたら帝国が地図から消えるぞ」


 こっちの方が一層おっかなかった。







 酔った勢いでやったことってフラッシュバックすること有りますよね。

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