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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
四章 勇気の炊き出し
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聖女砲なんて単語聞いたこと無いわ!

 主人公最強タグを回収します!

 かなり激しい戦闘が始まってしまった。遠距離射撃では他に類を見ない攻撃力のユサが居るのでほとんどの敵は爆砕してるけど、数が異様に多い。

 ルートなんかどうやってるのか分からないけど空を駆けて敵を撃墜していく。チート過ぎだろおおお! 格好良い…………。ヤバイな、なんか映画見てる感覚になってきた。

 ユサやルートが羽を焼いた敵はアンセルが疾風迅雷を発動して叩き斬って行く。奴もマジチート。私の強化が加算された時点で無敵と言って良い。

 イル、カナイ、ありすちゃんもどんどん敵を倒しているし、辺境の強兵、更に私の奇跡で蘇った化物たちの攻撃で、恐らく数千はいた敵がどんどん駆逐されている。


 の、だが。


 今回もこのマシュマロ怪人共は合体して、強くなっている。これがこいつらの怖いところだな。無尽蔵とも言える体力。いつ終わるか分からないボス戦のせいで、セーブしてないのにゲームをやめて仕事や学校に出掛けなくてはならなかった時代を思い出すわ。

 中ボスの癖に体力多すぎぃ。


 とにかく合体しきったところを仕留めようとアタノールシューターを準備。でかいんだよこいつ。この場にいる全員が見上げるサイズ、だいたい二メートルくらいか。

 これを作るのには霊木を灰にして粘土と捏ね合わせ、この巨大な壺を作り上げてそれを更に大きな釜を作り中と外から強火力で焼いた。更にその後から大型の魔石を嵌めて術式を書いて連結して……モデルになったアイテムは有るんだけどこんなに大型じゃない。ドラゴンの魔石に合わせて作ったらこうなってしまった。

 さて、敵が一つに固まったら放つとしよう。


 照準? ユサ任せです。私は魔力込めるだけ。ちょっ、魔力込めたら虹色に輝き始めた! 試作段階であんまり魔力込めなかった時はこんな事無かったのに! 恥ずかしい! なんかやったるぞって感じだけど外したら超恥ずかしいぞ! 爆発したりはしないように設計してるけどちょっと怖くなってきた! 控えてるロコちゃんやリカちゃん、簀巻きはきゃいきゃい騒いでる。


 そんなことしてる間に敵はガンガン削られるしどんどん本体のイワコが変身していく。まるで竜のような装甲になりルートの雷撃さえ耐えるようになってきた。やっぱり対策してきたか。しかし早いな。邪悪な錬金術師だったか、敵じゃなければ共同して研究したいくらいだな。敵だから殺しますけど? 聖女だって人を殺す。サツバツ!

 まあその時は先になるだろうなあ。別に魔王じゃないし倒せとも言われてないし。プラムは倒せと言われたら断るよ? 女王陛下は友達だから無理なお願いはしてこないと思うけどね。


 しかし辺境の強兵がとにかく強い。本当に化物だね。地上から飛び上がって何十メートルも上の敵を斬ったり魔法ひとつで数体焼き払ったりしてる。怖すぎ。

 これ私要らなくね? だいたいの敵が雑魚ですよ?

 まあシューター準備しちゃったから見せ場はもらえそうだけど。


 とか思ってたんだけどやっぱり仲間も負け始め、押され始めた。合体する度に敵の攻撃力も強くなっていってるみたいだ。アタノールシューターのチャージは十分なので奇跡のスープも作る。ゾンビアタックの始まりです。怪我してないアンセルやルートが食べに来るのが玉に傷だ。戦えよ。あ、魔力チャージか。魔力回復ポーション入れてやろう。奇跡のエリクサースープだ。食わせた強兵たちがなんかパワーアップした。効果高杉くん! 久しぶり高杉くん!


 また押し返し始めた我が辺境の軍。圧倒的じゃないか我が軍は。でも敵も硬いしタフになっていく。こいつらもすさまじいな。これはヘカトンケイル? 腕が全身から生えて気持ち悪い。その全部の腕から攻撃魔法を放ってきたり兵たちを叩き落としたりしている。

 幸いこっちは固定式結界が有るのでチャージ魔石が有る間は無敵だ。伊達に金貨稼いでないぜ。言うなれば私がこの国最強の要塞だからな。これで負けるならこの国が終わりだ。もちろん負けないぜ。


 倒れた兵をレコとアンセルで回収、奇跡のスープだ。腹一杯にならないように気を付けろ。

 どんどん敵は居なくなり、合体して一つになっていく。何千もいた敵だ。灰にした部分が大半だが、二十メートルほどのすさまじい巨体に変化した。


 こいつらの元になった生き物ってやっぱり人間なのかな? だとしたらどこから集めて来たんだろう。戦い方を見る限り兵隊じゃないんだよな。こっちの兵の方がパワーアップはしてるとは言っても、圧倒的に強いんだから。

 向こうだってわざわざホムンクルスにしてるって事はパワーアップしてるはずだ。なのに弱い。ベースが弱いとしか思えない。つまりは…………農民とかだ。あれ、凄い怒りが湧いてきた。別に私が帝国を滅ぼしてしまっても構わんのだろう?


 邪骸兵イワコは一体に固まった。馬鹿だな。そんなにデカくならなければ躱せたかも分からないのに。兵たちを全員結界の内側に避難させる。ルートが肩に手を置いてくれた。なんか安心するな。優しさが伝わってくる。一緒に滅びの言葉を言いますか?


 アタノールシューター、フルチャージ、発射!

 七色に輝く魔力砲弾。全てを叩き壊す素粒子の一撃。はっきり言ってこの辺りが焼け野原になるのが心配になるくらいの砲弾がイワコに突き刺さる。瞬間、大爆発ッ!

 ヤバイヤバイヤバイ、やっぱり凄まじい威力になってる! 直撃しなくても殺せるぞこれ!

 結界が保ってくれるように祈りつつもその光景を見守る。眩しい。目がッ、目があッ! 奇跡のスープで治します。


 終わった。高杉くんさっきぶり。もう結婚しよう。幻だけど。全ては消え去っていた。辺り一面、数百メートルくらい? 広範囲が焼け野原だ。

 周りも凄い騒ぎになった。ハーフリングの女性兵の一人が言う。


「正しく聖女砲ですわね」


 ハーフリングの女性は私にとっての鬼門ですか? 聖女砲なんて単語聞いたこと無いわ!

 アンセルやリカちゃんには頭を叩かれた。あ痛っ。すんません。ルートはそれを見て爆笑してるけど。優しくないですね!






 強すぎると逆に使えませんよね。

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