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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
四章 勇気の炊き出し
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キンノでのんびり

 恒例の飲み回です。

 プラムに相談ついでに晩酌する事にした。ルートとアンセル、ありすちゃんも誘ったぞ。私は枯れてない!

 ……ありすちゃんを男の数に入れて良いかは知らん。ヨドミちゃんは仕事が増えたので無理だ。そっと疲労回復ポーションを一ダースほど差し出しておいた。苦笑されたけど。


 ちなみにロコちゃんリカちゃん簀巻きの三人もセットとばかりにやって来た。みんなキンノのガキ共好きだしな。あいつら元気だけどセクハラしないしな。私を敬ってるのが気になるけど。友達になりたいんだよな、私は。


 しかしキンノは今の私の故郷だし、のんびりするならここだよな。


「貴女の心のオアシス、ヤーカミです!」

「帰れ」

「晩酌するでしょ、シェルさん。お酒とつまみ持ってきましたって!」

「仕方がないから入れ。今日はチーズか、これは良いな。後はサラミ? 有るんだな。まあ薫製も普通に有るしな」


 サラミはドライソーセージだからな。薫製を知っていれば作れるだろう。

 しかしヤーカミの察知力が謎だな。どうでも良いけど。流石にヤーカミと付き合いたいとかは思わないから……結婚とかしてるのかな?


 ヤーカミのつまみを広げて例によって焼き肉する。今回は鶏肉とかも有るぞ。これが塩だけでも美味いんだよな。鶏肉好きだ。安いし。豚肉も美味いけど、鶏、豚、牛は見事に味が別れてるよな。この味を決めてるのは脂なんだと思う。魚なんかは脂で味が決まるから脂の少ない部位だと味の差が分かりづらいらしい。


 お酒は火酒とグレープフルーツとレモン、炭酸水と塩でソルティドッグぽい何かを作ってみた。普通に美味いわ。女の子に受けた。


「さて、しばらく私のんびりするから、炊き出しは冒険者に依頼してね」

「まあたまにはゆっくりすると良いよ。このところ忙しすぎたからね」

「帝国も動いてきたし、スタンピードも迫ってる。ここでシェルが色々嫌になったとか言い出したら困るし、休むのは僕も大賛成だよ」

「うん、まあ明日は休んで明後日は釣りに行く」


 もう予定組んだ。動かないからな! 押すなよ、絶対押すなよって奴じゃないからな!

 あー、久しぶりに鱒のシチュー自分でたらふく食べたい。余ったシチューでクリームパスタにしたい。働きたくない。働くけどな。ちなみに明日も炊き出しのストックは作るぞ。ご飯がわりになるし。お休みは寝てるより動いていたい人なんだよな、私は。子供と遊びに行くとか大好きです。水族館か映画でお願いします。映画はパステルさんちゃんシリーズとか大好きです。子供向けって泣かせてくるからずるいよな。迷探偵コンナンは休んだ気にならないから苦手だ。


 今日は太るくらい食べよう。トマトソースに一味やにんにくを加えてチリソースのパスタとか。山のものがキノコや肉ばっかりなんだよな。海の幸……。この休みが終わっても辺境伯領でだらだらするか。スローライフだもんな。

 スローライフってやっぱりロケットスタートしたら駄目なんだな~。まあラウネーズには凄い助けられてるけど。


「シェル、お酒作ってよ」

「ロコちゃんも作れるよね? なんで頼むの? 作るけど」

「なんかシェルが作るとより美味しいんだよね。やってる事も分量も変わらないのに」

「? 魔力が入ってるからだな、たぶん」

「お酒に魔力?」


 んー、炊き出しの時とかもそうだけど、最近料理とか混ぜる時に必ず魔力込めてるんだよね。これが奇跡のスープの一番の原因みたいだし。

 ……なんで無意識に仕事してるんだ私は。まあいいや。なんかワーカーホリックかも。


「シェル、僕のお酒も飲んでみる? 魔力入れるのやってみたよ」

「ん、もらう。……ほんとだ、旨味を感じる。私のと風味が違うから他人の魔力の方が美味しく感じるみたいだ」

「シェルって舌が良いよね?」

「そうか? まあ美味いもんは食ってきたからな」


 日本人が異世界で料理して勝てるのは舌が肥えてるからってのが一番だろうな。私の場合は名店の料理より愛人や妻の料理の方が好きだったけど。そもそも家庭料理ってレストランじゃ出せない料理が作れるのが良いんだよな。

 私も炊き出しと普段の料理じゃ違うし。料理の話してるとなんか作りたくなってくるな。

 それにしても魔力に属性なんかの個人差が有るのは知ってたけど、味も違うんだな。


「なんか食べたいのある?」

「肉」

「ユサはそればっかり。なら私は野菜です」

「魚にゃ」

「私は~辛いの!」

「んー、やはりミルク味の料理が私は好きですわ」

「私もシチューとかが好きですわね」

「僕も辛いの」

「俺は……んー、この前の料理。小麦粉の皮で包んだの」

「俺はうーん、乾物の料理を増やしたいですね!」

「すまきはスープが食べやすいまきー」

「食べる時は簀巻き脱げば?」


 総合すると……どんな料理だよ。まあいいや。シチュー使って甘いソースを作って魚を小麦粉をまぶしてにんにく風味に焼いたのにかけてみたり肉を一味と白ワインで葉野菜と炒めてみたり、後は餃子か。作りおきするのけっこう大変なんだよな。しかも炊き出しに使うにはボリュームが足りないし。

 他には魚があればちくわとかかまぼことか作って磯辺揚げなんて作れるけど。海ならにがりを取って豆腐もいけるよな。……なんとしても海に行かないと……。

 乾物は戻しておいた貝のスープだ。シンプルだけど美味いよな。時間かかるけど。


「そうだ、主、スタンピードだがな、植物栄養剤数種類を二十セットほど作ればなんとかなるかも知れない」

「マジで? 作るぞ!」

「今は動けなくなった私の先代があの栄養剤で若返ってな。それならと他の長老連中も薬を欲しがっていて、代償に森を守ると」

「うわあ、めっちゃ助かるな!」


 問題が一つ片付きそうだ。しかも丸投げで! これがジャスティスか!

 明日は予定変更で栄養剤作るかな。


「シェル、明日は僕と休もうね?」

「また働く気か」

「ご飯」


 またルートに心を読まれたし。アンセルもとうとう呆れたようだ。あとユサ、お前は食べ過ぎだ。






 シェルは料理とかは趣味なので仕事してしまいます。

 パステルさんちゃんとか迷探偵コンナンとか、誰かやってそうですよね。

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