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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
四章 勇気の炊き出し
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女の子にお酒を飲ませると

 このお話は飲みの話ばっかりです。

 女の子でもバカみたいに酒が強い子いるよな。ロコちゃんやリカちゃんは普通にお酒を飲むみたいだ。簀巻きも飲んでるが藁入らないの?


 炭酸水多めに入れたレモン割り火酒を振る舞うとリカちゃん一気飲み。鬼人族お酒めちゃ強い!

 ドワーフと飲む前に彼女と飲めば良かったらしい。ツインドリル悪役令嬢がグイグイアルコールを(あお)る。今私は凄い光景を目の当たりにしている。ロコちゃんも負けてない。カナイとプラムはひっそり飲んでる。簀巻きは飲んでるのか? 染みさせてるのか?


 普通女の子って早々と潰れてしまうけどこの子たちは潰すのが難しそうだ。念のためにポーション割りの準備はしてあるんだけど要らないかも?

 イルレコユサはまだ十三、四才なので肉をかじっている。いや、そっちもビジュアルがおかしいけど。三匹が一つの皿を囲んで鶏の手羽元のガーリック炒めにむしゃむしゃ食らいついている。我先にと手を伸ばし、皿が空いたらこちらをじっと見てくる。……おかわりありますよー。くうっ、作りおきが全然足りねえ!


 何故か料理上手なヨドミちゃんとありすちゃんに追加のおつまみを任せる。この二人も酒が強い。強い奴しかいない!

 ルートとアンセルも普通に顔色も変えずに火酒をかなり濃くした炭酸割りを飲んでる。ヤーカミはその二人と得意の行商のお話をしているようだ。あいつは話が面白いからな。でもなんでそこに行く? 女の子いっぱいいるのに。


 ……肉に食らいつく獣人と無限に飲みそうな鬼子二人と中身がおっさんな私とオカマのヨドミちゃんとありすちゃん、酔うと喋るカナイに魔物のプラム、そして簀巻き……。あ、ごめん、まともな席は無かったよ。


 私も飲もう。せっかくなのでヤーカミたちの席につく。リカちゃんとロコちゃんもこちらに来た。絡まれる予感。


「一緒に飲みましょうよシェル」

「友達でしょ」

「すまきー」

「私たちは仲間よね?」

「友達は大事よね?」

「すまきー?」


 案の定絡んできた。強いけど酔わない訳じゃないのね。女の子の絡み酒はたち悪いぞ。まあ楽しいけど。簀巻き語は分からん。ユサは分かるらしい。

 鉄板を置いて切ってあった肉を焼く。塩ダレ焼き肉だ。これをつまみつつ酒を進める。


「もー、シェル天才か!」

「このお酒もおつまみも最高ですわっ!」

「すまき!」

「やっぱりこの焼きながらつまみにするスタイル良いよね~。無限に飲める」


 焼肉で飲むと案外悪酔いしないよな。ステーキだと悪酔いするんだけど。不思議だ。


「いやあ、華やかですね! 美しい皆さんに美味しいおつまみをお届けするヤーカミです!」

「女の子みんなお酒強いの珍しいね」

「シェルがそう言う人物を引き寄せてる気がする」

「あ、何か私も自分でそんな気がしてきた」


 一緒に飲める人の方が良いもんな。酒が飲めない人には申し訳ないけど私は飲める友達が良いな。

 予め作ってた秘蔵の餃子も焼いちゃおうかな。さすがにフライパンで蒸し焼きにするけど。焼き餃子は強火でやるんだよな。お湯を足して蓋をする。十分くらいかかるんだよな。塩ダレにレモンでいただこう。あー、胡麻油欲しいな。サラダ油に唐辛子やにんにくつけたらラー油っぽくなるかな……? 唐辛子オイル。醤油無いかな~。ウトリに行ったら探してみよう。


「シェル、この料理美味しいね」

「お、ルートは中華派か? 辛いの好きなら私も得意だから作るよ?」

「あー、辛いパスタとか好きかも」


 この土地で中華は難しいけどな。いや、麻婆茄子なら作れる。甜麺醤や豆板醤がないから唐辛子に色々加えたなんちゃって中華になるけどな。にんにくとかはちみつとかで意外と美味しく出来るんだよな。甘味や旨味を調節すればそれっぽいのは作れる。あと塩ね。


 塩ダレは旨味をつけるのが難しいけど鰹節を少量の水につけて出汁を取る。濾したら片栗粉と塩を溶いて、オリーブオイルを足して少し熱しながら混ぜ合わせる。ここににんにくを加えても良いし、唐辛子を加えても良い。鰹節は偉大だぜ。料理によってはレモンも足したい。


 焼き肉を焼いてたらイルレコユサも寄ってきた。肉に寄ってくる虫かお前らは!

 ロコちゃんとリカちゃんと獣人たちのために焼き肉席を用意。勝手にやってもらおう。簀巻きもセット。


 私はルートやヤーカミと話したいんだよ。ヨドミちゃんとありすちゃんも調理を終えたみたいだ。肉ばっかりなので野菜も乗せよう。


「そう言えば次の予定地は?」

「次はナコイから近いドルーシ伯爵領都ですわね」

「アンセルのとこか」


 予定はヨドミちゃんがほぼ管理してたりする。困った時はヨドミちゃんだ。まあ仕事押し付けてきてるのがヨドミちゃんでもあるんだけど、私が無理の無い範囲の炊き出しなら当然受けると彼女? には言ってある。ただ、多少無理してもポーションでどうにでもなるんだよね……。楽しいから良いけど。

 どっかのヒロインみたいに倒れてヒーローに心配されたいわ。いや、別にそんなイベントいらないけど。


「うちの領地は大きな川が流れてるから川魚料理とか有名だよ」

「ドルーシと言えばワインも美味しいですねえ。行商に行くとつい酒場に入ってしまうんです」

「料理が川魚を揚げたのとかばかりだけどね」

「僕も楽しみだな。ドルーシは一度行ってみたかったんだ」

「ルートはやっぱりあちこち行ってるのか?」

「旅は大好きなんだ」


 へえ。やっぱりSランク冒険者だね。まだ聞いてないけど聞いて良いのかな?

 王弟なのがばれたら付き合いが難しいとか考えてるんだろうな。良いのに、気にしないから。私はもう少し気にした方が良いのかも知れないけど。元が日本人だから貴族の身分差とかはなかなか慣れないわ。


「そのうち一緒に旅したいな。あ、ドルーシには私たちが先行してテレポーター置いてくるから」

「お頼みしますわ。やはりあの空を飛ぶ船とテレポーターの組み合わせは楽チンですわね」


 遠いところに行く必要が有るんだから高速の移動手段は必要だよな。国をまたいで旅しないと駄目だし。一ヶ月で全部回れるのかね?


 ヨドミちゃんによると同盟国には王族用テレポーターが有るのでそれを使うらしい。だよね。






 ラー油は唐辛子オイルにホールの花椒を足してフライパンでじっくり熱すると出来るようです。

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