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夜会は続くよどこまでも。つか私が調子に乗る

 四十話くらい書き溜めてるとお話の方向がだいぶ変わりますね。

 各国の首脳陣が挨拶を終え、次に国内貴族が挨拶にくる。つかもう疲れたな。大国ばっかり四ヵ国と挨拶したんだからもう私お役御免で良くね?

 駄目らしい。


 国内貴族の相手っつか国内情勢の勉強な。ルートが丁寧に教えてくれる。こいつ自分が王弟だって宣言してないけどもう分かってるでしょ? みたいな振る舞いするよな。逆に言えばそうせざるを得ないポジションなのはわかった。

 女王を確固たる地位に導くためには優秀な王弟が少し邪魔になるんだろう。……そしてこいつは控えているんだ。なんか同情してしまう。

 私はルートが好きだからな。植物に愛されたボッチな王子様だから。まあ今日会った王族がみんな濃いし、王子様が特別って感じは薄れてるけど。

 ボッチな王子様の欲求だって詐欺師の私は分かってるよ。何だって有るよって言ってやるさ。


 でも今私がやるべきは、この場では、まずは国内の貴族と対談なんだよな。


 最初に来たのは二大公爵、お父様とヨドミちゃんだ。つかいつの間にヨドミちゃんになってるの? 国内での評価はどうなってるの?


 シンクお父様がヨドミちゃんに食われて無いのが凄い気がする。逆に言えばお父様はなかなか濃い人らしい。具体的に言えば釣りバカな人で愛妻家で、暇と自由を愛する人? そんな感じらしい。また接待で釣りするか。お父様だから必要無いけどね。凄い謎の家族愛をもらっている。


 ヨドミちゃんに息子と紹介されたのは金髪碧眼マッチョなイケメンだった。誰だお前。


「この姿で面と向かったのは初めてだな。ジルア=チーダ、公爵家嫡男だ」

「誰だお前」

「ありすちゃんですわ」

「その姿で高音出すな! なんかそっちのが地声よりヤバイ!」


 身長百八十はあろうかと言う金髪碧眼巨漢のロリボイスとか有る意味拷問である。女神様はなんでこんな存在を許すのだろう。神は死んだ!


『やかましい』


 お叱りを受けた。もうこんなに濃い人は流石にいないだろう。次は伯爵だな。こう言う会合では上位貴族とだけ挨拶するらしい。次はリカちゃんち、辺境伯家だ。


「初めまして、シェル様。その節はリーカが失礼しました」

「その件はむしろ私の為にもなったので全く気にしておりません。あはは」


 悪鬼羅刹を人間にしたような強面である。実際に牙が生えてるので多分異人種、鬼人族の人だ。ユサがたまにオーガを狩ってくるけど、鬼人族はれっきとした人種だ。オーガと鬼人族の差がまたややこしいのだが、猿と人くらいは違うらしい。


 辺境伯ツセラ=ノナニオ様のプレッシャーはこれまで会った王族より凄かったが、辺境伯婦人メーヨ様に一発頭を叩かれたらプレッシャー無くなった。なんか天然で人を脅してしまうらしい。泣く子とかを特に脅すそうな。本当は子供好きらしいが。……仲良くなれそうだ。

 リカちゃんはひたすら苦笑していた。もう許してるのだがまだ謝ってくるのは、この場で立場を固定する貴族ならではの行動らしい。

 私はリカちゃんを抱きしめた。いや、とっくに許したと表現したのだが、会場が馬鹿ウケ状態。私ばかりかリカちゃんまで称賛されている。リカちゃんはアワアワ言ってるが、この子は本当に良い子だよな。自分を盾に人を守ろうとするのが辺境伯令嬢の心意気なのだろう。


 次にロコちゃんち、ドルーシ伯爵家が来た。アンセルもいるな。なんか初めて貴族として対面してる感じだ。やっぱりドキドキはするな。不思議だ。


 相変わらず親父さんは私に感謝しているらしい。ハゲとはそこまで心を抉る現象なんだろうか……。謎である。私は禿げたこと無いからな。


 伯爵家が続くんだけど私の知り合いの伯爵と言うとあいつなんだよな。簀巻きモードを解除したマキシ=マクアが来た。


「おーっほっほっほっ! 今日も素敵なお胸と世界に自慢しても良いお尻をプリプリさせて貴族王族の皆様から今にもレ○プされかねない視線を向けられつつなおも花のように咲き誇る聖女様! こんばんは!」

「死ねい」


 アイアンクローは本気で効くんだよ。やっちゃる。伯爵令嬢がなんぼのもんじゃ!

 何故かマクア家の方々は嬉しそうだぞ! なんだこいつらマゾか! マゾの血族なのか!


「ロダンタサ=マクアと申します。聖女様、我が娘の性癖を理解してお友だちになっていただき、非常に感謝しております」

「理解しちゃおりませんがね!」


 彼らの種族は魔人族と分類されるそうだ。前々世の小説やゲームみたいな魔物の仲間ではないな。むしろ凄い紳士的。……簀巻きがおかしいだけだな。この場で簀巻きにしたのに何故かマクア家のみんなが拍手喝采している。おかしいだろ。ロダンさんが私も簀巻きにして欲しいですなあとか言ったが奥様に止められた。ナイス奥様!

 シンテ様と言うらしい。神々しい幼女様だった。貴族婦人幼女多くね?


 概ね国内貴族との面会は終わったので私はここで一つパフォーマンスすることにした。

 この場には割と古傷とか持ってる人が多いんだよな。傷を消したい人限定で奇跡のスープを食べさせよう。

 コンロを出して鍋を乗せて、作りおきスープを乗せたら欠損回復薬を注ぎ、魔力を込めて混ぜる。んー、この作業すげえ楽しい!

 ふわっと蛍たちが飛んでいく。


 あ、やはりみんながポカーンとなったな。しめしめ。まあ夜会で料理がおかしいもんな。やってみた。

 なんか行列できた。片目を失っていたウトリ国のトマヤ王も別に拘って無かったのかスープを飲んで目を癒した。しばらく感動してた。


 あー、調子に乗ってしまった。

 この後、国内を炊き出しして回り、ここに来た同盟国も回る事になる。大変だけど頑張るか。


 ちなみに個人の面会は奇跡のスープの効能のせいかほぼキャンセルとなった。と言うかしてもらった。これ以上濃い貴族に会うと死ぬ。






 これで本章終了、閑話を挟んで新章です。

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