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聖女降臨祭

 ちょろっとですが女の子の日の描写が有りますので苦手ならご注意下さい。

 夏休みまで私はダンスの特訓をしていた。ステップが踏めぬ。体を動かすのは得意だけど密着してってのが色々と不味い。一応他に居ないので弟君のルチオ君やアンセルと踊る。けど、そんな速攻で理解できる物でもないよな。染み付いた動きで綺麗に踊るアンセルやルチオ君に綺麗に合わせようとしてもそれは失敗する。ララキお姉様とかルエモお母様が上手なので真似もしてみるんだけど……。

 とにかくリズムを覚えて体は少しずつ合わせていく事にした。何とか基礎のステップは踏めるようになったかな。


 今更だけど聖女にこんなスキルいるかな? いらんよね? 回復アイテムだけ作ってたら良くね?

 仮にも貴族の中に入るので詐欺師の私は外面は気にしてしまうんだけど。見た目の評価ってそれだけで相手をある程度信用させてしまうからな。

 ちなみに同時期に聖書もめちゃ読まされた。聖女が聖書の内容知らないとかシャレにならないからな。……ぶっちゃけ苦手だ。物語的なのは面白いしこっち方面は好きだが……。実は私理系なのよねー。


 聖女のお披露目なので各国から貴族王族が集まってくる。警備も厳重になってくるし、そうすると炊き出しの場所も制限されてしまう。私自身の命も危険に曝されるしな。

 実際ヨドミちゃんやイセイス公爵家の暗部がスパイを相当な数捕らえているらしい。久々にちょっと怖い。


 面会したいって人も多いらしいけど、それはお披露目の後になるらしい。

 幸いなのは私は国内貴族に受けが良いので何かと誰かに守ってもらえる。貴族の子女もロコちゃんとリカちゃんのお陰も有ってか私に面と向かって敵対したりしないし嫌みさえ聞こえて来ない。ただ言葉遣いのせいかたまに同級生に限らずお姉様とか言われる。上級生がお姉様とかおかしいだろ。実年齢はともかく。中身は高齢ってバレてる?


 イルレコユサとカナイは常に護衛してくれているんだがアンセルはたまに実家に帰っている。聖女降臨祭に関連して騎士団でも警備等で会議が行われたりしているようだ。あいつはあれでも王国騎士だからな。

 まあいないならいないで少しは寂しいかな。


 聖女降臨祭は学園の夏休みに合わせて、一週間行われる。最初の日がお披露目で、それからお茶会に夜会に面会ラッシュだ。忙しくなるな。

 これによって女王陛下の地位をより固める意味合いも有るらしい。……ルートが言ってたのはこれの事だろう。姉の地位が固まれば自分もフリーになれる。……んー、やはりルートが王弟でSランク冒険者なのか? 悪いけどぜんぜん見えない。

 最近は学園にもルートやジルア……ありすちゃんは来ていないようだ。高位貴族には色々と調整とか仕事があるんだろう。……寂しいな。まあそれ以上に忙しいけど。


 炊き出しの制限もキンノなら無いから……つかバレたら怒られそうだが、プラムもいるキンノで何かあるとは思えない。なので割とのびのびやっている。

 ハンバーグを食べさせてやったガキ共はなんかハッスルして踊り出した。私よりステップ上手そう。

 ラウネーズもむにむに嬉しそうに頬張るしイルレコユサもガツガツ食ってる。何か鬼気迫るものがあるな。ユサとか。


 イセイス公爵家でも奇跡のスープ炊き出しをやったけど、何か新興宗教の団体さんみたいに崇められるのが困る。いくら詐欺師でもここまで信頼されたのは初めてだし動揺するわ。中でも料理人さんは錬金術料理に興味津々だった。


 後、特別な事と言えばとうとうアレが来た。いや、女の子の日がね。いやー、本気でビビったね。アレはビビるわ。まさかあそこまで血が出るとは……。浄化魔法からポーションまでめちゃくちゃに使ったけどしばらく精神が不安定になったわ。浄化魔法があるせいか生理用品あんまり普及してないし……。一応有るんだけど薄いし、気がついたら血がついてそうで怖いんだけど。

 じっくり長時間回復するタイプのリジェネレート式浄化ポーション作ってみよう。


 ポーションなんだけど、身体強化ポーションとか授業で習ったので作ってみた。他にも耐性強化ポーションとか、やっぱり学校だから実用的なアイテムも教えてもらえる。


 でも紙とかは改めて作らなくてもキンノでたっぷり作ったんだよなぁ。

 石鹸も作った。これも前世のレベルを超えた浄化石鹸だ。泡が青く光ったりする。魔法が使えない人は重宝するらしい。トレーニングすればこの世界の人は誰でも魔法を使えるんだが、一般の人は半分くらいは使えないな。貴族では使えない人は珍しい。

 魔道具のランプとか加工はなかなか楽しかった。魔石の加工はさんざんやったのだが一人でどこまで出来るかチャレンジして教室が太陽の中に飛び込んだような光を放つものを作ってしまった。何の役にたつんだよ。効果が高ければ良いってもんじゃ無いな。調整が必要だ。


 そんな生活を楽しみながら、やっと夏休みが来た。みんなとたっぷり遊ぶ予定も立てたが、まずは大きなイベントがある。……忙しいのはこれからだな。





 王宮の大広間では既に各国の要人が集まっている。テロとかは警戒しているけれどやっぱりこの国の暗部が大活躍する事になってる。気を引き閉めて行かないとな。

 結界を張ってると動けないし、リジェネレート指輪とか作って定期的に魔力注ぐようにした方が安全かも知れない。


 今回は私のお披露目なので待機室で人の会話の声や雑音を聞きながら緊張して待つ。女王陛下との打ち合わせも何度もやった。大丈夫。化粧もまた王宮の人たちが詐欺師も驚く技で綺麗にしてくれたので……。鏡を見る度にビックリする。ナルシストでは無いが本当に綺麗に聖女様にされている。私の顔立ちで純情そうに見えるとか、本当に詐欺だな。


 女王陛下の声がかかったので、いよいよ聖女様のご出座である。






 変に強靭なところがあるせいでTS物に有りがちな戸惑いをけっこうスルーしてくれるシェルですが、流石にこれは戸惑ったようです。

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