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ドワーフと飲んでみたいよな

 重要な話が終わったので飲むことにした。なんか私遊んでばっかりな気もするな。実際は炊き出しの準備とかしっかり働いてますよ?

 楽しいけどな。仕事は楽しいのが一番だわ。


 ちなみにラウネーズはその辺りの森に帰ったし獣人娘たちは伯爵家でフカフカベッドで寝ると言って帰った。


 きつめにレモンを加えて炭酸割りの火酒を飲む。カナイも割と強いのかクイクイ飲んでるな。楽しそうで良いや。だけどカナイは飲むと喋るんだよな。今はヨドミちゃんとだらだら料理やつまみの評価をしてる。乾物のつまみは好評みたいだな。スルメとか焼いてやる。あ、ヨドミちゃんが火傷した。笑える。


 ヨドミちゃんは見た目ドワーフだが本物のドワーフと飲み比べとかしてみたいよな。私は今世はなかなか酒が強いみたいだし。カナイも良く喋るようにはなるがなかなか潰れない。エルフもまあまあ酒に強いんだな。


 プラムとアンセルも仲が良い。魔物と王国騎士だから何もないだろうけど……。気にするも何も私はアンセルに酷い事しか言ってないからな。

 アンセルは仕事は出来るから老後は楽だろう。そもそもエルフの私は普通人種には置いていかれるのが決定的なんだよな。……まあこの人生は自分への懲罰の意味合いもある。そうじゃなければ女神様も復活なんて方法は取らなかったはずだ。

 だが、人生を楽しむなとは言われていないしな。


「ヤーカミ、生の貝とかはやっぱり難しい?」

「貝は傷むと酷く中るから無理かね~。しかしシェルさんは本当に食の知識深いよね」

「それは俺も感じる。いつもシェルは新しくて美味いものを作るんだよな」

「シェルの護衛はそう言う意味では破格だよね。私もたまたまシェルの奇跡の一番の体現者になれた経緯もあるし、信用を得て護衛にしてもらえたのは幸運すぎて涙が出てくるね」


 あー、カナイ酔ってるな。本当にこいつは酔うとペラペラ喋りだす。本当は喋るの好きで、だけど失言してしまったりして、それでポツポツとしか喋らなくなった、とかだろうか?


「シェル様は女神様のスキルを得ていますからね。普通のスキル持ちとは違うのです」

「女神のスキルって分かるものなの?」

「まず、歴史上誰も持ったこともないスキルですわね。ちなみにスキルの一覧とかは書物に有りますから良かったら読んでみてくださいな。私は暗記してますが」

「凄いな、流石は大物貴族」


 感心しながら話を聞いてるがこの中身が六十代のシブボイスロマンスグレーだと思うと……。良いけど。

 ポーション入れた炭酸割りも出してやると好評だった。これも奇跡のスープみたいに魔力を一致させたら効果が上がったりするんだろうか?


「女神様のスキルは昔はもっと特別な物が多かったんですが最近は一般スキルと大きな差異が無いようですわ。シェル様の植物と会話が出来るスキルなんてそれ自体はほぼ何の力も無いですし」

「妾たちが勝手に協力しているだけで実際は無視しても問題無いからな」

「お世話になってます」


 頭を下げるのは得意だぞ。文句が有ったらいつでも謝罪してやる! 格好悪いけど女の子だから問題ないよね?


 特別なスキルならもっとチートなのが良かったけど、それじゃクズが治らないよな。こう、仕事が忙しいと真人間になれた気がする。……気がする。

 薬を作るのも道具を作るのも料理を作るのも時間がかかるけど、けっこう楽しいし。

 ガキ共の笑顔を見れるのも幸せだ。聖女なんて柄じゃないのは分かってるけど、そうする事で炊き出しをやり易くなるなら、呼び名なんてどうでもいい事だ。

 今回の人生はしんどいと女神様も言ってたしな。こう言うしんどさはむしろ良いかも知れないな。人の役にたってる感じがする。


「さてと、今後の予定だけど……」

「しばらくは炊き出しをしますが、タイミングを見て奇跡のスープを出して行きましょう。どんどん人が集まるようになれば闇ギルドもどんどん生きづらくなってきますからね」

「少しずつ追い詰めて、暴走を狙うんだな」

「しっかり主を守ってくれよ」

「森のダンジョンの魔物に暴れられたら困りますから、そこはしっかりやりますわ。ところでスタンピードは起こりそうですか?」

「妾の管理下に無い魔物もどんどんと増えているのでな。数週間以内に一度は起こりそうだ」


 数週間……って早いな。王都の件もまだまだなのに本気で忙しいぞ。アイテムもっと作っておかないとな。

 新しいアイテムとか手が出ない。一つ作るのに数日かかったりするし。まとめて作るなら成功したレシピじゃないと怖いし。素材はほぼ無料だけど廃棄物がどんな物になるか分からないしね。


「まあその時は教えてもらえるのだろ? なら私がこちらを守りシェルは王都で活動と、分業する事も出来るのではないか?」

「カナイなら森の魔物とは相性も良いか」

「氷結は生き物ならだいたい苦手だろうからな。火もだが、植物が味方だと使いがたかろうし。妾も火の方が苦手だ」


 確かに火は効くんだけど植物が味方になってくれないと私のスキルが死にスキルになるからな。植物だけは敵に回せない。そもそもプラムとラウネーズ居なくなったら泣くぞ。聖女としても死んでる。


 その後も酒を飲みながらだらだらと管を巻いて、次の日ヨドミちゃんも私もカナイもアンセルもヤーカミも二日酔いの頭痛で苦しんだ。ポーションで治したけど。仕事のある日の前日は酒は控えよう。







 土曜日曜で連続三話更新します!

 お酒を飲む話は皆さんお好きですか?


 感想お待ちしています!

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