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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
二章 聖女は奇跡を起こす
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謁見から大騒動になるテンプレ様が現れた!

 いきなり女王陛下にお友だちになってくださいまし! とか言われた。私は頭を再び下げて答える。


「分かりました。陛下のお申し出ですので私には断るつもりは有りません」


 そう言いつつ例のハゲーコ、じゃなかったコーゲを陛下に分からないように横目で見ると悔しそうな顔をしていた。その横目で見るスキルでコーゲの横に居るハゲを発見。仕掛ける事にした。発言を許してもらい、仕掛ける。


「女王陛下、私は錬金術師として聖女に認定を受けましたので錬金術には覚えが有ります。ここに」


 懐から出す振りをしてイルが肩に吊るしているボードから毛生え薬を取り出した。事前にテストしたが、三メートルくらいなら離れていても大丈夫だ。


「毛髪を復活させる薬が御座います」


 そう言った瞬間に謁見室が割れるくらいの歓声が上がる。ハゲ多すぎぃ!


「是非そこのコーゲ伯爵、の、右隣の方に使って、効果をお試しください!」


 実際こんなこと王前でやったら普通は殺されそうだけど、聖女認定にお友達認定だからね。他の貴族も文句言えない……っつか興味津々だ。ハゲ多すぎぃ! この薬は植物用栄養剤に赤精霊水を混ぜるだけで作れるので私だけでも作れるが、これはプラムに濃縮してもらった特別製だ。ぶっちゃけ私が作ったのでも雑貨店店主のヨルアさんはふさふさになった。


「分かりました、早速聖女様の奇跡を確認致しましょう。ドルーシ伯爵、こちらへ!」


 あ、あの人がアンセルのお父さんか。ちょうど良いなぁ。

 女王陛下に許可を得てドルーシ伯爵様にも許可を取ると、なんかプルプルしている。な、泣いてる?!

 泣いてるドルーシ伯爵が憐れなので早速失礼して頭に振り掛け、毛生え薬の効果を試した。おおっ、みるみる毛髪が甦っていく! 効果がやっぱり高杉くんだろ!


「おおっ、おおおおっ!!」

「まあっ! 本当に奇跡的な効果ですね!」


 伯爵は大号泣アンド謎の土下座。女王陛下は感嘆してパチパチ拍手している。他の貴族も大盛り上がりだが、コーゲだけが膝をついた。これからは平民を見下すなよ。


 その後クシワク婆様に相談して決めた、貴族に吹っ掛けるにちょうど良いらしい値段、金貨千枚を提示すると全てのハゲ貴族に売れた。三十人くらいハゲてた。なのでコーゲの分は足りなかった事にした。


 ……物凄い金持ちになっちゃったよ。クシワク婆様吹っ掛けすぎたんじゃない? 金貨三万枚とか流石に私も多すぎるのが分かるんですけど。

 後ろでアンセルが俺にも売ってとか言ってるけど、親があれだから心配なのかな。ただで作ってやるから、アンセルがハゲたら流石に駄目な気がするし。


 騒いでる貴族たちは、全員が私の味方になってくれたようだ。だが、こう言う時に予期せぬ騒動が起こるのもテンプレだよな。


 それは突然、王城の壁を破壊して現れた。

 ガンッと言う轟音で私は気絶しそうになる。城の壁を破壊して現れたのは、ドラゴンだ。はぐれ竜か! よりにもよってこの日に狙ってくるとか、一瞬女神の関与を考えてしまった。『知らないわよ』知らないそうだ。ガチのはぐれ竜か。


「アンセル、イルレコユサ、カナイ、良いところを見せるぞ!」

「分かった」

「楽勝」

「やるにゃあ」

「うまそう」

「熟成する?」


 ちょっと待て熟成できるんかい。ユサが呟いた二つ名もガチだったようだ。それどころじゃないのでさっさと殺っちゃって!


 五人が暴れ始める。竜に疾風迅雷で斬り込むアンセル、イルの盾を用いた突撃(シールドバッシュ)で仰け反るドラゴン。カナイの氷結で足を止め、ユサの矢は雨のように降り注ぐ。私は女王陛下を守り、レコは傷付いた貴族たちを癒していく。傷が残る人も居るだろうから、あとで女王陛下に許可を得て欠損回復スープ作ろう。


 ドラゴンは狂ったように暴れる。なんかおかしいよな、はぐれ竜だけでもおかしいけど、なんか異常……つまり、このドラゴンは誰かに何かをされてる。

 だが、私はそんなに器用じゃないからな。倒させてもらう。私以外で。


 私は全力で結界や氷の壁を作って女王陛下を守ってるよ。倒れた騎士に欠損回復ポーションを振り撒く。……ゾンビアタックって奴だ。

 ちなみに欠損回復スープは収納すると効果が失われるんだよね。保存が効かないんだ。流石にそこまでチートは女神様に許されないのかも知れない。普通のポーションは二年から三年は腐らないし。蓋さえしておけばだけど。保存ボードならボードが壊れるまで持つけどね。ちなみに壊れたらアイテム全て失われる。魔力はゆっくり漏れていく。そうでないと魔力爆発を起こしてしまうからボード自体に薬品で処置してある。


 ドラゴンの噛みつきをギリギリで回避し、アンセルがドラゴンの目を抉る。ブレスを吐こうとすればイルがシールドを口に突っ込む。カナイの氷剣が突き刺さり、ユサは弓で地道に竜にダメージを与えている。突き刺さった矢は時間を置いて爆発。

 流石にこれは竜も耐えられなかった。

 止めと繰り出されたアンセルの一撃で眉間を貫かれ、それでもなお暴れていたドラゴンはやがてゆっくりと、その動きを止めた。


 私はレコと倒れている人をどんどん癒していく。倒れていた貴族たちは私に感謝してくれた。……今日一日で貴族を味方に引き入れすぎじゃないの?


 コーゲも死にかけてたので治してやる。土下座された。流石に可哀想なので金貨二千枚で毛生え薬を売ってやる事にした。お金はもう要らないけど他の貴族さんが納得しないだろうからね。ちなみに売れた。


 女王陛下にも貴族たちにも感謝された。これで私のスローライフも誰にも邪魔されない……はず……何故私はフラグを立てるのか。






 カナイとか、そのうち出てくるキャラでも何故か突然居なくなるキャラがいて、書き直していたりします。

 後は閑話でこの章も終わりです。有り難う御座いました。感想とかお待ちしてます。

 ラウネーズ分が不足しています。長期間出てこない事が有るので、この際ここで活躍してもらおうかと思います。


ヤクラ『かつやくねー』

ヤクリ『したいよねー』

ヤクル『あるらうねー』

プラム『しかし戦闘ではラウネーズは役に立てないからな、私は活躍するぞ』

ラウネーズ『やるらうねー』

プラム『え、ちょっと待て止まれお前ら何を……ぎゃああああ!』


 プラムの身に何が……。それは永遠の謎である。




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