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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
八章 決戦の炊き出し
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全力

 戦闘が続きます。

 ルートが体を雷に変える。全身を発光させ白く輝き、目だけは金色に光っている。うわー、格好いい! ヒーローっぽいね! ただ光ってるので裸は見れないよ……。ざ、残念とか思っていませんよ、本当です。

 ちなみにルートの服はたくさん持ってきた。影で着替えられるようにボードを置いておく。普段は服はバッグに入れて持ち歩いてるらしい。ゲハマナさんも身体強化の魔力で体が魔力光の虹色に輝き始めた。魔力が暴走して精霊化してる証拠だ。畜魔石を使ってるくらいの大魔力、それが身体強化だけに振るわれる。

 二人ともヤバすぎる。


「はああああっ!」

「グオワッ!」


 まずはゲハマナさんが竜をハンマーで潰す。竜って潰せるんだね。あまりにも動きが速く誰も捉えられない。ハンマー使いでどう見てもパワーファイターなのに超速い。ってかあのハンマーが凄いな。リカちゃんによるとノナニオ家の家宝の古代竜の骨やアダマントなんかのレア物質を大量に使ったハンマーらしい。アダマントは非常に重いが魔力を加えない状態なら世界一硬い物質だ。魔力反応が良いオリハルコンの方が価値は高いんだけどね。最強の金属はヒヒイロカネだってさ。どうせ女神様辺りが名付けたんだろう。中二病め。


「ほほー、やりおるのう、あのハーフリングのチビ!」

「あっちのも鬼人にしても強すぎるの~」


 魔王級二人は呑気に高みの見物だ。この人たちまで出したらガチで私たちだけで帝国と戦争出来そうだし、休んでてくれても良いんだけどね。前にモモさんが一人で帝国を焦土に出来るとか聞いた事有るし。

 グリーンドラゴンはエンシェントドラゴンとも呼ばれる古代竜で、ここで飛び回ってるレッサードラゴンからは三ランク以上は上の存在らしい。ルートと戦えるくらい強いみたいだ。最強クラスのドラゴンらしい。

 うーん、過剰戦力ぅ。私が確実に足を引っ張ってますね。

 ドラゴンはどんどん撃墜されるけどこの竜たちはホムンクルス化してるから当然合体している。合体してゲハマナさんに潰されてる。本当に彼らが全力を出したら(かな)う相手なんか居なさそうだ。


 ただネリだけは違う。蓄積した魔力で戦える要塞型の彼女に勝てるのは同じ要塞型の私だけだ。畜魔石は更にチャージしてもらってる。奴とやりあうために来たんだからね。


 ルートも個人戦力だから魔力が尽きたら負ける。私がサポートしてるから今も二人は戦えてるけど、あれだけの力を出していれば魔力消費はかなりの物になる。所詮は個人だからいくらスキルが凄くても限界は有るんだよね。

 でも私には奇跡のスープがあるからアシスト出来る。今の二人はそのアシストをあてに出来るからこのパフォーマンスを見せているんだ。要するに奇跡のスープはチート。チートと言ってもお腹一杯になると動けないけどね。大丈夫、二人が引いたら私も、もう、迷わない。戦うよ。


 二人が引いてきた。ルートは慣れてるのか瞬間的に影で服を着替えて帰ってきた。……ちぇっ。何も言ってません。


 ホムンクルス・ドラゴンの合成はかなりヤバめだ。ゲハマナさんの一撃に耐えるようになってきた。ルートも魔力切れ。今はスープを飲んでる。美味しそうに飲んでくれてます!

 次は私が行こうと思ったんだけど魔王様たちが戦闘を見たからかハッスルし始めた。

 え、戦うの?


「よしっ、儂らも活躍するのじゃ!」

「いくの~」

「はいはい、あるらうね~」


 プラムのやる気無さが半端無いな。でもモモさんもミドリちゃんもやる気だ。やるらうね~。

 どうやって戦うのかと思ったらモモさんは巨大な樹を大量に発生させてドラゴンを貫き、更にそこから大量の木の実を高速で飛ばして、それが空を覆い尽くす量で、火を噴くほどの速さで地面を雨のように叩き、あっと言う間に敵の大半を殲滅した。隕石かよ!


 そしていつの間にか空に現れた巨大な竜が遥かな上空からブレスを放つ。遠くの敵陣にキノコ雲が。しばらくして爆風がここまで来た。その爆風で敵はほとんど蹴散らされる。どちらも超破壊力だよ。


 ……つかやり過ぎーッ! 強ければ良いってもんじゃない! 本当に国が滅びるから!

 モモさんやミドリちゃんは実戦に出しちゃダメだね。破壊力が星を滅ぼすレベルだよ。女子高生のお姉ちゃんと幼稚園児の妹にしか見えない二人は確かに魔王級だ。プラムは地道に敵をバインドして吸収合体を阻止している。多分本気は出してない。最初から無駄飯食らいだっただけはある。伊達じゃないね! ほめてはいない!


 だいたい方は付いたんじゃないかと思ったが、ポッシがいない。倒してしまった? しかし今回は回収にネリが出てこなかったな。


 そう思っていると突然地震が起こり、地面がひび割れ、盛り上がる。地中からなんか来た!

 うわわっ、ちょっと立っていられない!


「……なんであの子がここにいるの~?」

「うげえ、儂の嫌いな奴なのじゃ」

「いや、植物はみんな苦手だろ?」


 そこから現れたのは、マグマ? なんてタイミングで出てくるんだ。


 それは全身が溶岩に覆われた、ドラゴンだった。

 え、もしかして帝国の秘密兵器?






 ラスボスの前に強いボスが出ます。

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