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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
七章 青春の炊き出し
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決勝戦!

 いつも読んでくださり有り難う御座います!

 ルートは次々稲妻の球をゲハマナさんに投げつけるけれど、ゲハマナさんもそれを打ち返しながらルートに向かっていく。この二人なんなのー! 準決勝なのに派手すぎる!

 まあ勇者クラスが二人ぶつかってるんだから仕方ないけどね。どっちも鬼の強さだね。片方本当に鬼だけど。


 ゲハマナさんは両手持ちのポールハンマーを片手でぶんぶん振り回してます。ルートの雷撃が来ると言う瞬間には前に突き出して避雷針にもしてる。それでも手を伝ってダメージは来てるはずなんだけど、堪えてない感じだ。

 時折ルートに攻撃が当たるしその度私は冷や冷やしているが、雷神スキルのせいかこちらもダメージは通ってない。ルートの魔力が尽きるか、ゲハマナさんの体力が尽きるかの戦いになってるよ。どちらも尽きなさそう。思った以上に互角の戦いだ。


 焦れたのかルートが接近戦に持ち込む事が多くなってきた。至近距離で猛烈な撃ち合いだ。派手さが一層増した。格好良いなあ、二人とも。


 私もあんな風に戦えたら良かったけど臆病者の私には無理だね。遠くから魔法撃つだけだ。

 直接殴るとかこっちがトラウマになりそう。まだ魔物やホムンクルスしか殺してないけど、いつか人も殺すんだろうか? ほとんど人に見えるホムンクルスを殺してるんだから今さらだ。元は人間だもんね。

 この世界は斬り捨て御免だからね。それを身をもって味わったし。躊躇したら私が死ぬ。もう死にたくは無い。


 ルートは剣に直接雷撃を送り込みつつ振るってる。どれだけ魔力が有ればあれだけ出来るんだろう。何発か強烈な雷撃がゲハマナさんを襲う。遂に手に痺れが来たのか、ゲハマナさんがハンマーを取り落とした。そこでルートが首元に剣を突き付ける。

 ………ゲハマナさんが首でも剣を受け止められそうなのは気にしては駄目なんだろうね。


 結局準決勝はそこで決着がついた。リカちゃんも悔しそうだけど握手した。良い試合だったよね。ルートも決着を告げられた瞬間には座り込んだもん。魔力キツかったんだろうね。


 今日の試合はこれで終わりで、翌日は三位決定戦と決勝戦だ。うーん、トマヤ様も尋常じゃ無い強さなんだけどゲハマナさん優位かな? 決勝は分からない。ありすちゃんの力が未知数だ。


 結界の蓄魔石は新品に変えておこう。空になりかけてた。明日は三位決定戦の後に一回張り替えないとね。ゲハマナさんが壊しそうだとか思ってるけど言わない。リカちゃんが蓄魔石準備すると言って騒いでるけど。叔父さんの力一杯の戦いを見たいんだろうな。

 その分魔力だけもらっておこう。


 いよいよ翌日、三位決定戦が始まる。ゲハマナさんもトマヤ様も歴戦の猛者だから雰囲気が戦場になってる。気のせいか砂埃が舞ってタンブルウィードが転がってるのを幻視した。あの昔の西部劇で転がる奴ね。オカヒジキの仲間らしい。オカヒジキ食べたこと無いけど。


 審判が合図していきなり戦いが始まる。想像よりもトマヤ様が押してる! スピードファイターのトマヤ様だからゲハマナさんがかなり手こずってる。スピードだけならルートみたいに音速出せてるんじゃないの? ……ルートはそれ以上力を出すと服とか指輪とか壊れちゃうからね。難儀な能力だよね。


 ゲハマナさんも受けるだけでは不味いと判断して打ち返し、これを受ける訳にいかないトマヤ様はスウェーしたりハンマーに足を乗せて飛び下がったりと、まるで空を舞うような戦い方を見せている。


 女王陛下、リカちゃん、私が一斉に、ほおおー、と、変な声を出してしまった。二人とも凄いよー!


 ゲハマナさんも何回か剣を体で受けてるんだけど、トマヤ様の技を乗せても斬れないらしい。魔力による防御なんだけど、凄いよね。私には出来ないから。刀で斬られてもダメージ受けない女とかなんかやだよね。と言うか技術的に知らないし出来ない。


 私はか弱いから守ってとかそんなことは言わないけどね。ただ一人じゃやっぱり戦えないと思うけど。


 二人の戦いはゲハマナさんが上手く刀で受けさせて刀を曲げて、素手の掴み合いを咄嗟に挑んだトマヤ様を、何度か投げられはするもののゲハマナさんが力尽くで返り討ちにして終わった。お互い健闘を称えあっていた、良い勝負だったよ。


 そして、いよいよルートとありすちゃんの決勝戦だ。正直意外な組み合わせだよね。

 ありすちゃんがあそこまで戦えるのは詐欺な気がするけど、多分かくし球なんだろう。策謀を主体にしてるありすちゃんやヨドミちゃんが実は強かったら、大抵の人が騙されるだろうし。あの変態変装からして底の知れない人たちだよ。興味は無いけど。


 二人が睨み合う。低身長の二人なのにその雰囲気はドラゴン以上の生物同士のぶつかり合いが始まるような雰囲気を醸し出している。ビリビリとした空気がこちらにも伝わってくるよ。

 ありすちゃんはルートと幼馴染み、従兄弟の関係だ。ルートの力や奥の手も把握しているように見える。そして本人は搦め手が得意なタイプだ。如何にルートが強くても安心できない不気味さを感じるね。


 そして、審判の声によりこの武闘会でももっとも白熱する戦いが始まる。

 決勝戦だ。






 この章も次話で終わりです。

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