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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
七章 青春の炊き出し
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続く、武闘会

 シェルは脇でひたすらお馬鹿な子でいるけど主人公。

 何試合か知らない人たちの試合が終わり、次の試合はアンセルだ。アンセルって多人数相手で戦えるのかな?

 アイテム使用は禁止されて無いんだけど、みんな私のアイテムは使わないみたいだ。チートだもんね。それ無しで勝ちたいのかも知れない。確かに実力を試す良い機会だよね。


 アンセルは普通に強かったね。疾風迅雷を発動した瞬間に全員が場外に叩き出されたと錯覚するほど速かった。速さだけならアンセルとリナト王の一騎討ちになりそうだけど、トーナメント表からするとアンセルの二回戦の相手はルートなんだよね。こんな早く当たるなんて運命を感じざるを得ないよ。アンセルも微妙な気分だろうな~。私のせいだけど。

 それにルートって速さも桁違いだし、疾風迅雷と雷神、どっちが速いんだろ? 楽しみなカードかも。と言うかこのトーナメントまで出てきた人たちはみんな強いんだよね~。でも一回戦は接戦はほぼ無かった。強い人はやっぱり限られるのかな?


 予選、一回戦がだいたい終わり、知ってる人が六人残った。ルート、アンセル、ありすちゃん、ゲハマナさん、ウトリ王様、リナト王様だ。他も騎士学園のトップクラスの生徒二人で強者ばかりだけど、うーんでも、リナト王様やタケヤ王様、ゲハマナさんもいるから、学生は霞んでるよね。

 そう言えばありすちゃんの試合は見てなかったけど、戦える人なんだね。


 次の一戦、準々決勝第一戦がその王様二人だったりする。トーナメントの組み合わせは半分くじ引きだから仕方ないけどいきなり好カード過ぎじゃないのかな?


 準々決勝第一試合、タケヤ=リナト王様対トマヤ=ウトリ王様の戦いが始まる。タケヤ王様の鋼の肉体はトマヤ王様の刀による剣撃を弾く、弾く、弾く! 変態だ! 身体強化魔法って極めたらあんなに凄いんだね。いや、肉体で刀って弾けるの? トマヤ様も困惑してるよ? スピードでは圧倒的にトマヤ様が勝ってるのに防御力半端ないタケヤ様の鋼の肉体。あれって人間?

 トマヤ様も正攻法では崩せないと見てか、刀を仕舞い、投げ技を仕掛けている。相撲ですね!

 しかし上半身裸のタケヤ様は投げを打ちにくい。なんか相性悪すぎじゃない? でも合気みたいな技で強かにタケヤ様を打ち付けてる。凄いテクニックだね!


 体力勝負だとタケヤ様が有利かと思ったけど、体脂肪率低いと体力落ちるんだよね。ボディビルダーの人が一回のステージでヘトヘトになってるの見たこと有る。低血糖状態になるらしい。

 糖分って嫌われものだけど、無いと鬱病になりやすかったり、低血糖は当然動けなくなる。糖分は大切な栄養素なんだよ。取りすぎは毒だけど。一番エネルギーになりやすいのがブドウ糖だしね。お米食べましょう! 糖は脳のエネルギーだし将棋のプロも試合中に蜜柑とか食べるんだよね。


 結局意外や意外、体力勝負でトマヤ様が押し切り、タケヤ様を場外に首投げで叩き出して決着となった。…………、凄まじい試合だったな~。


 そのトマヤ様と戦うのはありすちゃんに決まった。ありすちゃんの相手は騎士学園のエリートだったんだけど、土魔法で下から杭を打ち上げまくったり会場を泥沼化させて溺れさせたり、挙げ句溶岩を出したり、相手は降参した。凄い魔力だよありすちゃん。実力を隠すタイプみたいだね。まあ宰相の息子? だし。


 そして次は、アンセル対ルートだ。私がステージに立つ訳じゃ無いのに、ドキドキする。ルートもアンセルも頑張って!

 ちなみに私は何故か実況席に座らされているので今の台詞もマイクが拾って会場中に響きました。恥ずかしい!


 ルートもアンセルも私の方に向かって微笑みながら手を振るな! なんか私、頭が可哀想な子みたいじゃん! 可哀想な子だった!

 もー、超恥ずかしいから~。


 でも二人ともキリッと向き合った。二人とも武器はロングソードだね。騎士様と王子様の一戦に、会場も黄色い声に包まれる。私に対する嫉妬の視線が……? いや、なんか期待してるみたいな視線が来る。

 私が勇者なのは演技だけですから! 三人並べて鑑賞会したいとか言わない! 私ならリカちゃんを男装させて並べるよ! うわ、想像したら脳味噌殺られそう。何故ツインドリルなのに男前なんだ? 身長高めだからかな?


 って、試合始まってる! 予想通りスピード対スピードの戦いだ。いや、あの、見えません! 二人とも速すぎる! 会場も唖然となってるよ。みんな脂汗流してるね。


「流石は雷神、勇者ルート様ですね」

「いやー、それほどでもないよー」

「シェルみたいなしゃべり方ですね」

「ああ、一緒にいるから移ったかな~」

「…………及ばずとも一太刀は入れたいですね」

「うんうん、疾風迅雷がどれくらいスピード出せるか、見てあげるね!」


 あれ、なんだろ、二人の空気が物凄い険悪だ。会場に瘴気の黒い雲が渦巻いてるみたいに見えるよ? 何を言ってるか聞こえないけど喧嘩は良くないよ~。

 ガガガガッと凄まじい音が会場に響く。剣折れないんだね。なんか術式が入ってる丈夫な剣みたいだ。二人とも傷付いて欲しくないから、早く終わってほしい。心臓がきゅんきゅんして痛いです。

 あ、ルートが距離を置いて瞬間的に雷撃を放った。雷って撃たれたらもう躱せない。あらかじめ効果範囲を予想して逃げなきゃいけない。

 初見殺しな攻撃だけどアンセルなら躱す方法を持ってる? 避けきれてないけど直撃は免れてる。でもそう、雷にだけ気を取られていたらルート本体が来る。ルートも全力出すと服がボロボロになるから手加減せざるを得ないんだけど、それでも音速で動いていたら疾風迅雷でなければ躱せず、そして疾風迅雷はスタミナを大きく消費するスキルで、雷神は魔力を消費するスキルで、その差が出てくる。莫大なルートの魔力自体がチートだ。

 最後は至近距離から雷撃を打ち込まれ、アンセルが膝を突いた。





 らうねーず格闘大会とか。

 子供相撲大会みたいになりそうですね。


ヤクラ『かつねー』

ヤクリ『まけないねー』

ヤクル『あるらうねー。ぜんしょうねー』

シェル「やめなさい! プラムが可哀想でしょ!」

プラム「妾の位置づけがおかしい」




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