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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
七章 青春の炊き出し
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演劇会

 TSして男装って本末転倒ですかね?

 戦争中に何やってんのかなと思われるかも知れないが、まあ日常生活を犠牲にしなくても戦えるならそれで良いよね。実際今やるべきなのは全力で新アイテム開発するところなんだけど、ほぼ無敵なので足すところが見つからない。

 生理も二回目来たけど浄化リジェネで乗り越えた。最初三ヶ月はこの体が馴染んでなかったとか準備できてなかったからなのかな? まあそれはそれ。


 どうしたら今の私たちの弱点を補えるだろう? 蘇生薬を作ったら唯一の弱点は、私本体のあまりにえげつない弱さだ。弱いんだよ、私は。

 アイテムは無敵なんだけど使う私がノーマルだからね。

 例えるなら任意で発動できる無敵と言うスキルを持ったハムスター? それくらいの弱さ。スキルを発動すれば味方がいなければ、無敵だけれどスキルが発動しないと猫もドラゴン並の強敵だ。ハムスターじゃないから流石に猫には負けないけどね。


 でも敵の攻撃を察知して対応する術式がとてつもなく難しい。思い付かないんだよね、それを指定する方法が。勢いの有る攻撃や魔法を遮断する等色々考えてはいるんだけど。今有るのは斥力の指輪と風魔法の指輪だ。防御用だから大して力はない。

 この辺りはプラムと研究してる。本当あんたは私の相棒だよ。最初はただ飯食らいで嫌いだったけど。今や居なくなられたら聖女辞めないと駄目なレベルだ。プラムに頼らないくらい錬金術極めなきゃね!


 そうこうしているうちに、ついに演劇会の日が来た。ララキお姉様の目が最初からハートになってるが気にしては駄目だ。何度も練習していたらララキお姉様物凄く甘甘になってしまった。未来の女王候補なのに! ヤバくないか?


「聖女、危ない!」

「きゃあっ! 勇者様、何を!」

「くっ、無事か、聖女。君が無事なら、良かっ…………」

「きゃあ! 勇者様ーッ!」


 でもまあ演技は普通にこなせてる。背景を説明するナレーションが入った。聖女を庇い致命傷を負った勇者。その時初めて聖女は己の力に目覚めた! 何と言うか、テンプレだよなあ。


「勇者様、今お救い致します!」

「お、おお、傷が塞がっていく…………!」

「勇者様に、私の全ての魔力をもって……!」

「有り難う、聖女。俺はもう、負けない! うおおおおおおおっ!!」


 聖女に傷を癒してもらい力をもらった勇者は渾身の一撃で、四魔王の一人、土の魔王を打ち砕く。


「土の魔王がやられたか」

「くくく、奴は四魔王の中でも最弱」

「人間ごときにやられるとは魔王の面汚しよ」


 そのテンプレ様って異世界にも御座すのですね。私に襲いかかって来るのは凶悪なテンプレ様が多いからなんか返って落ち着くわ~。


 ちなみに残る四魔王はナレーションで死んだ。ここまでテンプレ様。まあ一時間の劇でいちいち倒していられないけどね。そして聖女の村を襲ったスタンピードを起こした真の魔王と戦う。このお話は基本的に勇者と聖女のいちゃラブ恋愛物なので戦闘はあっさりしている。


 色々テンプレなセリフを放って私の力、つか薬品で魔王を倒して、倒した風に見せて、ララキお姉様に愛を囁いたらお姫様だっこして額にキスをしてくるくる回りながら退場する。あとはナレーターと脇役の皆さんが最後の演出をして、スタッフ紹介に移る。ララキお姉様がハアハア言ってて怖い。観客席も大爆発してるし。今更だけど場違い感あるよね。


 順番にスタッフが会場を出ていく。最後に私も出ていくんだけど、歓声が凄い。男も女も問わず声を上げてるみたいだ。

 聖女様コールより何故か勇者様コールが大きい。私は女の子ですよー! 聖女ですよー!


 演劇会の翌日から、私に対するいじめはパッタリ無くなったが、ラブレターが男女問わず靴箱を埋め尽くす事態になった。近くのゴミ箱を見るとやはり私宛のラブレターが山盛りだったので陰湿な人はやっぱりいるんだろうな。つか多いわ! 逆に私用ポスト設けなきゃダメなくらい手紙だらけ。もう私にはルートがいるってば!


 演劇会を何とか終えて数日後、薬草ハウスに来た。ルート分が足りないよお。


 ルートはなんかむすっとしてた。どうしたの?


「シェルが人気過ぎて辛い……」

「あうう、ごめんなさい」

「いや、シェルが人気者なのは仕方ないんだ。僕が嫉妬してるだけ」


 可愛いなルート。抱き締めてしまおう! ルートに飛び付いてぎゅうぎゅう抱き締める。アワアワ言ってるけど逃がさない。ルート分補充中です。

 離したら見詰め合う。このまま、キスを……。


「勇者様! 浮気はいけません!」

「ララキお姉様が壊れたー!」


 勇者様はルートですよ! ララキお姉様が目がハートのまま私に抱き付いてきた! ララキお姉様は混乱している! ルートもアワアワ言ってる! 助けてね!


「あの、お姉様?」

「はっ、ここは?!」

「本当に記憶飛んでるー!」


 男装は危険なのでもう封印してしまおう。うん。お姉様には個人的に求められそうだけどイセイスの実家でやるのはなんかやばすぎる。お母様も絡んできそうだ。封印だ封印!

 男装したらモテすぎると言う知りたくなかった自分の属性を知ることになったよ……。






 カオス回と言うか、キャラが混乱しているとなんか楽しいですよね。

 三日連続らうねーず!


ヤクラ『あついねー』

ヤクリ『なつねー』

ヤクル『あるらうねー。しなびるねー』

プラム「雨のせいで余計蒸し暑いな……枯れそう」

ヤクラ『かれたらだめねー』

ヤクリ『みずねー』

ヤクル『ごくっ、ごくっ』

プラム「お前が飲むんかい!」




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