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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
七章 青春の炊き出し
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青春色の生活

 シェルは化粧一つで色々化けられる顔立ちです。

 戦争が進まないので相変わらず学園生活をしている。ルートがゲハマナさんと交代して帰ってきた。

 ゲハマナさんは魔の森の守りの要だけど先日のスタンピードからは暇になっているらしい。ルートは仮にも学生なので交代と、言う名目で私のところに帰ってきたようだ。女王様にめちゃ気を使われてるな。またなんかご馳走しよう。魔物魚のフライとか。カロリー高いのばかりだと机から動けないらしい女王様は太りそうだけど。

 豆腐サラダとかにしておこうかな。あんまり嬉しくないか。ダイエット用ポーションとか無いかな……。


 三年生のAクラスで授業して、終了後、演劇会の事を聞かれる。だから何故三年生がお姉様と呼んでくるの?!


「お姉様、演劇会楽しみにしております! 聖女を守る勇者役ですってね!」

「そうなんですよね、私聖女なんですけど……」

「女の子だけだから出られませんけどルート様の聖女役って見たくありません?」

「何それめっちゃ見たい!」


 三年生の女の子たちとルート男の娘計画をしているとルートがたまたま見に来てちょっと怒ってた。ごめんね。

 でも格好良いルートが可愛いってなったら私は卒倒する自信がある! そう主張したら二人だけの時ならとご了承いただきましたー! 演劇の練習を手伝ってもらう時にやってもらいます。


 午後はその演劇の練習で時間を取られる。更に女王陛下からは舞踏会の参加と武闘会のゲストを頼まれる。炊き出し準備で徹夜する。忙しい! けどなんか凄い楽しい! 青春してる感じ!

 薬草ハウスでもルートとキスする。青春してる……。


 戦争なんて早く終われば良い。戦争が終わったら、ルートと……。

 だから早く終わらせよう。そしていっぱい、もっと、終わり無い青春をしよう。


 今日は一年生のDクラスの授業だ。このクラスは基本ポーションでガチに失敗する子も居たりするなかなかに難易度の高いクラスである。雑談も多い。こう言う子供って調子に乗りやすかったりするんだよね。扱いが難しい。


 詐欺に掛かりやすいのは実は相手の話を聞いて論理的に推測出来る頭の良い人で、逆に言えば馬鹿は人の話を聞かないんだよね。そして推測を組み立てたりも出来ない。トレーニングすれば誰でも出来るんだけど。

 でも押し付けられてやれと言っても無理なので私はこのクラスでは…………。


「炊き出ししまーす。みんな手伝ってね!」

「はーい!」


 なるべく面白そうな実践をする。そして私に興味の有る生徒は徹底的に味方に付ける。そうすると空気がまとまる。パフォーマンスで注目が集まったところで何度でも同じ説明をする。無意識の領域に基本を叩き込んでいく感じだ。

 記憶すれば良いことを、考えてしまうから覚えられず、学習が捗らない。勉強の基本は記憶で、それが出来て思考、実践経験が積める。考えるな、感じろ、ではなくて、考えるな、覚えろ、なのね。感じるから覚えるんだけど。


 私は実は馬鹿なんて一人も居ないんじゃないかと思っている。逆に言えば人間はみんな馬鹿だ。私もね。差は無いから自分を卑下してはいけない。

 無理な事は確かに誰にも有るだろうが、学ぶ人が上に行き、学べない人は残される。

 出来ない事は悪じゃない。やらないことは、悪だ。だけど、こらしめたら済む問題じゃない。

 興味を持てばやれと言わなくても自分からやるんだから。切っ掛けを作るんだ。やりたいと思える切っ掛けを。やる気○イッチだな。

 むしろやる気さえ出したなら先生はサポートで良い。教師は彼らの人生の主役じゃ無いからね。

 脇役って言えば聖女も脇役感有るよね。勇者様のサポート、って言うかルートのサポートなら喜んでやります!

 ルートは、私に、必要だから。


 一年D組で金○先生して学園に帰る。みんな授業の内容を楽しそうに話してる。成功でしょう。


 学園に帰ったら放課後は演劇会のレッスンだ。なんか私演技上手いらしい。詐欺師だからね!


「魔王は確かに強大で、この戦いで既にボロボロの私は命を落とすのかも知れない。だが、私の聖女……君と共に、私は生きたい」

「はい、勇者様…………。お供致します、お互いの命が尽きる、その日まで」


 聖女役は身長の関係でララキお姉様なんですが、お姉様目がハートになってますよ?!

 私は白銀の勇者役なので白銀のプレートメイルを着ている。これめっちゃ重いんだけど身体強化で支えてる。

 髪はボサボサにして、前髪だけ整えてる。

 鏡を見たら凄いイケメンが現れた。線の細い肌の白い、キリッとした顔立ちのガチイケメンだ。私の三度の人生で一番イケメンである。ララキお姉様が堕ちるのも仕方ないね。中身が男なのも良くない。うっかり真面目にお姉様を落としに行ったりするのが、何と言うか終わってる。お姉様がその道に目覚めない事を祈るしか無い。魂の問題で相性が良いのもヤバイかも。浮気はしません! 前々世本妻でしたけど!

 一連の演技を終えて二人で固まっていると、演劇会をまとめている監督役の三年生が話し掛けてくる。他の生徒は目をハートにして頬どころか顔全体を真っ赤にしてハアハアとかふうふうとか熱い息を漏らしててヤバイ空間が出来上がっている。


「いやー、ララキ様もシェル様も演技上手すぎでしょ。なんか魂がこもってるよね」

「あはは、私がお姉様大好きだからですかねー?」

「普通にシェルちゃんがイケメンだから入っちゃうのよね~」

「素敵ですわー!」

「きゃーっ!」


 なんか周りの演劇会出演者たちが盛り上がって盛り上がって。彼女らで演劇部を作るとか言ってる。私は入りませんよ?






 雨は植物には有り難いんでしょうね。


ヤクラ『あめねー』

ヤクリ『やまないねー』

ヤクル『あるらうねー』

プラム「有り難いが、あんまり降ると根腐りしそうだな。そう言えばお前らの根っ子って人間の部分か」

ヤクラ『くさるねー』

ヤクリ『くさったねー』

ヤクル『やるらうねー』

プラム「らうねーずが不良に! ってギャアアアアッ!!」


 鉢植えなど、水のやり過ぎには注意しましょう。




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