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クズ人間の俺が聖女と呼ばれている  作者: いかや☆きいろ
一章 クズ人間は聖女と呼ばれる
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いざ、イレキ湖へ!

 頭いてえ。いやあ、久々に良い酒だったから飲みすぎたな。回復ポーションをなめて頭痛を治す。便利だな錬金術は。


 今日は昼に炊き出しをしたいから朝の内にガキ共に広めておこう。ラウネーズに頼むか。炊き出し昼からと書いた看板を持たせて村を歩かせる。

 あいつらに頼りすぎな気もするが、代わりに食わせている飯が好評なので問題ないだろう。嫌われたくはないから色々おやつとか考えておこう。砂糖で煮たフルーツをベースに酸味の強いシロップとか使ってカクテルにしたり……パンケーキ作っても良いな。メレンゲ作るのがめんどいけど。果物を発酵させて酵母作る方法も一応知ってるし瓶も有るから作れるが……。何だかんだ言って割と知識チート発揮する前世の自分の暇人さが怖い。営業は時間作り放題だったからな。


 今日の炊き出しは何にするベー。炊き出しが終わったら釣りに行くから腹持ちが良いのがいいよな。パエリアでも作るか? サフランが高いんだよなぁ。そもそもほぼ色付けだしな、あれ。ターメリックで良いかー。つか米がねえ。

 パンをベースにするにも硬いからな~。焼いてチーズ乗せたりするのは手間が大きいし。果物を使うとか~。ううん。ピザとか焼けたらな~。

 ……ナンみたいなのなら焼けるな。ソースを作ってナン食べるか? ……駄目だ、ドライイーストがねえや。

 今日すぐに小麦粉をふわふわに焼くにはメレンゲ作るくらいしか手段がない。


 ……パスタ買ってくるか。大人しく。それで具は量を多くしよう。しかし貝類は乾物しか無い。海老は干しエビだ。なんと料理の難しい世界か。まあこの地方が山の方だからだろうけど。海に行きたいぜ。海に住めるだけでも割とチートだよなぁ。


 仕方ない、今回はキノコのクリームパスタだ。生クリームとかねえけど余裕だ。俺には愛人のシチューレシピがある。娼婦風パスタじゃなく愛人風パスタだな。……どうなんだそのネーミング。





 ミカーヤ……ヤーカミ食料品店で必要な物を買っておく。どこで炊き出しをするか。コンロなんかはヤーカミに出させる。広場で良いな。ラウネーズは子供たちを集めているから俺はプラムと準備だ。働け。

 まずはホワイトソースを作るが今回は出汁が有る。普通に小麦粉、オリーブオイル、塩、牛乳でソースを作りクローブ、胡椒、出汁で味を足し、甘味に白ワインを少し足して味を調える。キノコや玉ねぎ、豚肉を炒めたら投入。更に別の鍋では塩水を沸かしパスタを茹でる。パスタの塩水は味付けの意味があるらしい。茹で加減は時間ではなく箸で触った感触で確かめる。ボールでクリームとパスタを絡めたら味を見る。うん、塩も強すぎない。上手く出来た。キノコのクリームパスタだ。ホタテとかアサリ入れたい……ぐぬぬ……。


 まあ子供たちには受けた。なんか冒険者も並んだがまあ良いか。つかなんか最近冒険者多くねえ? なんか起こらなきゃ良いんだが。ちなみに護身用指輪は完成した。魚を釣ったら氷も出せるから木の箱をクーラーボックスがわりに釣りと行こう。ガキ共を誘って、いざ、イレキ湖へ!


 ……その前に雑貨屋に頼んでた釣具を取ってこよう。餌はミミズだ。ヨルア=モデンナ雑貨店は村に有る割にけっこうでかい。品揃えも良い。店主の剥げた渋いおっさん、ステ○サム似のおっさんに色々売ってもらった。金はまだあるし雑貨屋になんかアイテム卸しても良いな。


 釣具をガキ共に持たせてイレキ湖へ。うーん、けっこう近いか。一時間かからなかった。だが昼から出たから時間はあんまり無いな。


 イレキ湖は綺麗な水質で、いわゆるエメラルドグリーンに透き通っていた。浜も真っ白な砂で森の緑と空の青、雲の白のコントラストがめちゃくちゃ綺麗だった。しばらくは見惚れてしまう。


 ……だが、時間もないしちゃっちゃと釣って帰るぞ。釣った分は買い取ってやる。そうガキ共に伝えると喜んで走り出すガキ共。転けるなよー。ラウネーズも一緒に走っていったが、魔物が出た時のためかいつも仲良しの三人がバラバラに走っていった。あー、魔物対策考えてなかったな。プラムに働かせよう。プラムの尻を蹴って結界を張らせた。なんか最弱の俺が胃袋掴んで立場が強くなってる感じだな。……男なのに胃袋掴むってどうなんだ。もう女だが。


 さて、釣りだ。こう見えても接待でチヌ釣りとかよく行ったからな。なんか釣り好きな金持ちって多いよな~。五十センチ二キロのブラックバス釣った時は取引先の社長も、一緒に接待釣りしてた専務も目を白黒させてたな。普通に誉めてもらえてその後の営業は上手く行ったっけ。なので釣りに嫌な気持ちは無い。


 ここは菅釣りのニジマス釣りを思い出すべきか。ルアーなんかねえけど。

 毛鉤も良いんだよな。こいつらは虫や小魚を食うんだ。アクションは強めでも良いはず。


 ミミズの付いた針を錘の重さに任せて遠投気味に投げ込む。狙いは浅瀬や水上に障害物が見えているような場所だ。

 お、早速食った。釣りで大事なのは「魚の居る所を釣る」ことだ。当たり前だと思うかも知れないが水中の「魚の居る所」なんてどうやって見つけるんだ? 水底まで見えるクリアウォーター(透明な水質)でも魚影を見つけるのは難しい。魚からも人が見えてるから、普通は逃げるからな。

 つまり推測で魚の居る場所を割り出さないと駄目なんだ。これが難しい。経験や知識や勘をフル動員して更にポイントを細かく変えたり、逆に同じポイントでしつこく粘る事が必要になったりして、本当に難しいんだが、それが釣りのゲーム性だよな。楽しい!


 ちび共が苦戦する中でも俺は大人げなく六本のニジマスみたいなちょっと地球のそれとは違う魚を釣り上げた。

 今晩は美味い飯を食わせてやろうな!






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