アマノジャクの夜
-30分前-
「昂。」
「ん〜?なぁに?」
-15分前-
「昂。」
「ん。」
「おい、聞いてんの?」
「ん。」
-5分前-
「昂…。」
「うっるせぇな黙っとけ。」
-そして今-
「ハルぅ〜♡(ゴロゴロ)」
「お、おぅ…。」
「んふふ。」
「…。(いや、何なんだよこの機嫌の変わりようは…)」
「?どしたの?いつもみたいにしないの?」
「は?」
「抱きしめてよ。」
「?!おっ、おま…どうした…?」
「何が?」
「や、なんつーか…そんな、くっついて…?」
「ダメ?」
「(ズキューン)!!…いや、全然いい…。」
「ふふ〜ん、今日は珍しく甘えたがりだな〜なーんて思ってんだろ〜?」
「…。」
「今日の今だけだから、ベタベタすんなら今の内だぞ〜。」
「…あぁ。」
ぎゅ〜
「(やっぱいい匂いする…。)」
ソッ…
「触んな駄犬。」
パシッ
「あ?!なっ、んで、だよ…?」
「髪崩れる、あとなんか掴まれてる感じして不愉快。」
「……お前ってマジ分かんない…。」
「理解しようとすること自体烏滸がましんだよ。」
「はぁ?恋人を知りたいってのは普通だろ…。」
「それなんだよねぇ〜、ホントそれ我慢なんない。」
「…?」
「なんかさぁ、知り合いって思うのはいいよ?でもそれが…なんか色々と見透かされてる、って感じがしてマジで嫌だ。」
「…はぁ。」
「だからボクの気持ちはある程度察して、底の方は覗かないでよ。」
「…それがワガママでも照れ隠しでも、オレはお前の事理解したい。」
「お好きにぃ?」
「…この前のケーキ。」
「…!」
「あれ、美味かったな。」
「あぁ…アレね、まぁ喜んでくれて良かったよ〜。」
「お前が行ってくれたんだろ。」
「…なんのこと〜?」
「オレのために。」
「(騙されてる騙されてる)…さっ、さぁ〜?知らね。」
「…嬉しかった。」
「…?」
「なんか…いつもワガママばっかのお前が、オレのためになんかしてくれるとか…。」
「ん、ん〜?」
「そうゆう事してもらうの…久々だったし。」
「くっ…!(グサッ)」
「慌てるお前も、可愛かったし。」
「うっ(ズシャッ)」
「それに…あれ、高いんだろ?」
「べっ、別にぃ〜?(小銭欲しさに普通の店で買ったなんて言えねぇ…!)」
「全部ひっくるめて…お前の、気持ち?ってヤツが…すごい嬉しかった。」
「…の…ば…。」
「ん?」
「はっ、遥翔のバカアアアアアア!!!!!!」
ガバッ
「んなっ…?!は?えっ…。」
ギュ〜〜〜〜〜〜〜
「バカじゃねーのホント!!?マジでバカ!!あーーもーーバカバカバカバカバカ!!」
「ばっ、ばかぁ…?」
「なんっ…なんだよマジでぇ!!あんな、あんな事ぐらいでさぁ!!!!ピュアか!不良のクセして!?ピュア?!マジでふっざけんなよ!!!!」
「な、なにキレてんだよ…。」
「キレてねーし?!!てかなんでオレがこんなハートフルボッコにされなきゃいけねぇワケぇ?!!クッソ、あ゛ーーーーーーーもーーーーーーー!!!!」
「………?」
「あーそーだよなァ?!オレのせいだもんな?!オレが全ッッ部悪ぃよ!!」
「…こ、昂…お前、マジで一旦落ち着けよ…。」
「オレは…オレが…。」
「ほら…とりあえず離せって…。」
「…嫌。」
「…は?」
「嫌。」
「…なら、そのまんまでいいけど…。」
「…。」
「…なんか、よく分かんねぇけど…お前は、悪くない。」
「!!」
「オレが知らない内に、お前がなんかしたとしても…もし、気付いても…オレはお前を嫌いなんかならない。」
「〜〜!!」
「言いたくなきゃ言わなくてもいい、だけど…オレはそんな…素直じゃないお前も、好きだ。」
「は、遥翔ぉ…。」
「ん、なんも言わなくていい、こうしててやるから、な?…昂、愛してる。」
「…そうゆうとこだよ…。」
「ん?…!?」
「だ、だから…遥翔の、そうゆうとこが…。」
「…顔…。」
「そうゆう、お人好し…てか、優しすぎるとことか。」
「…?」
「いつも…ボクのワガママ、聞いてくれたり、い、一途な…とことか。」
「…昂?」
「…っ、ボクより背ぇ高いとことか!変なとこでバカなのに頭いいとことか!喧嘩強かったり!ウザイくらい気遣ってくれたり!いつも鉄仮面のクセしてたまに笑ったり!くさいセリフサラッと言ったり!」
「…。」
「ヤキモチ焼いたり!スマホ盗み見たり!返信怖いくらい速かったり!束縛したり!全部好きの裏返しなんだろ?!それに…。」
「待って、昂、ホント…ちょっと待て。」
「なっ、なんだよ…!」
「……ちょっと、ヤバい、マジ熱い…。」
「っ!!」
ぼふっ
「っ、こ、昂…?」
「そうやって…可愛い顔したり…。」
「…!」
「…ごめん、本当…いつも、ごめん、素直じゃ、なくて。」
「…なに…自分から、押し倒した癖に…震えてんだよ…。」
「…はっ、そりゃ…怖い、から…こんな…こんなかっこ悪い自分、見せんの…。」
「…かっこ、悪い…?」
「でも…でも…!今日は、その…素直に、なるから…ちゃんと、目、見て…言うから。」
「……。」
「好きだよ、遥翔の事…いや、ごめん、違うね…愛してる。」
「……っ。」
「…はぁ…あ〜…ホント、かっこ悪…!な、なに…泣いてんの…?」
「……。」
「…な、なんか…言ってよ。」
「…かっこ悪く、ない。」
「…え。」
「お前は…カッコイイよ。」
「…!ば、バカにしてるだろ…!」
「してない。」
「…じゃ、その顔止めてよ。」
「…?」
「笑ってんのか、泣いてんのか…分かんないんだよ…このまま、していいのか…。」
「…分かってるだろ、お前なら。オレがどうして欲しいのか、なんて。」
「…あぁ、もう、止めろよ…その顔…!」
グイッ
「んっ…ふ…はぁ、はぅ…ん…。」
「はっ…んっ、ん…。」
「ん…!こ、昂…はっ、んん…!…も、やめ…っ…!んっ…。」
「…ん、好き…はぁ、んっ…!んぅ…っ、は…大好き…ふ…。」
「っは…!はぁ、はぁっ…。」
「…素直、って…はぁ…こうゆう、ことでしょ…?…ほら、もっと…はぁ…して、あげるから…顔、逸らさないで…。」
「…っ!…い、き…が…んっ…!」
「あ…んっ……はぁ、ん…ぁ…。」
「ぁ…ん……!……っは…!」
「はぁ…はぁ、素直に、なって、やってん…だから…簡単、に…ダメ、に…なんないで…。」
「…い、われ…なくても…んっ…!…はぁ…まだ、足りない…。」
「足り、ない…?…はぁ、なら……愛してるよ、遥翔…っふ…なん、か…柄じゃ…ないな…こうゆう、の…。」
「はっ…んじゃ…行動、で…示せ、よ。」
「……ん…。」
「ぁあっ…!…っ、はっ…ぁ…ん…あぁ…昂…。」
「…はぁ、んっ…ふ、っは…ん…。」
「ぁっ…ぁぁあ…!やっ…いっ、た……。」
「…はぁ…はぁ…。ね、言って…?お願い…好き、って…どこ…して欲しい…?ん…?聞いて、あげる…から…。」
「昂…はぁ…!好き、だ…すき…、っん…!」
「ぁあ…ふふっ…。」
「…!!ぁ…もう…はぁ…。」
「ダメ…ん…ねぇ…!え…?…欲しがれよ。」
「やっ…ぁああ!…んっ…!もっと…した…。」
「…はっ…はぁ…ん、ここ…?」
「ぁっ…!…そ、っこ…あ…やめ……あっ、昂ぉ…!」
「可愛い……ぁはっ、可愛いよ…遥翔…。」
「やめっ…!ひっ……ぁ…ん…。」
「はぁ…はぁ…は、ると…なん、で…そんな、はぁっ…いい、声…出せる、の…?んっ、ん…っ…いつも、はぁ…あぁ、なの…に……ん…!っあぁ…たまん、ない…よね、ホント…。」
「ひゃっ…ん…!」
「ぁ…いまの…イイ、ふふっ…お互い…はっ…らし、く…ないね…んっ…!」
「〜〜っ!!ばっ…か…あっ……ん…やぁ…!あっ、あっ…!」
「はぁ…大分…いや、もう……はぁ、かなり…濡れてる、ここ…。」
「み…んな……やめっ…ぁあああ!やっ、んっ…!!あっ、ぁあっ…!!」
「動くな…じっと、してない…と、上手く…入んない…。」
「はぁ…はぁ…はぁ……も、どう、にか…はぁ、なり…あぁっ…ん…!」
「……っ!!」
「ぁっ…ぁぁあああ!!」
「はぁ…ぁ……んっ、はぁ…うるっ…せぇ…よ……んっ、ん…はぁっ…そん、な…感じる…?」
「っく、ぁあ…はっ、はっ…あぁぁぁ…!!」
「…はい、…はぁ…おしまい……。」
「……はぁぁ…!ん…もっ、もう…?はぁ…。」
「…はっ、もう…トロッ、トロ…じゃん…ふふっ…。」
「…ちから…っは、はいん…ねぇ……ぁあ…。」
「ん…身体の、次は…心、溶かして…はぁ、あげようか…?」
「…え…?」
「ふっ…遥翔大好き、好き…誰よりも……愛してる、から…ね?…はぁ…遥翔………ハル…ねぇ…こっち、向いて…ハル……顔…見せて…。」
「っ!…や、めろ…よ……もう…。」
「いつもは、さ…クール…ぶってる、けど…ふふっ、そんな…可愛い顔、しちゃって…ぁあ……ダメだ…やっぱ。」
「っふ…ぅ…んん…。」
「んぅ…んっ……はぁ…口…開けられる……?」
「………っ。」
グイッ
「…ん、ふっ……ぁん…!」
「………こぉ…!も…らめ…。」
「…ははっ、もう…呂律も、回らなく…なってる……あはっ、はぁ…あっつ……ハルの顔も…火照ってるね。」
ピトッ
「…っ!!」
「え…あぁ、なに…?もう、全身…感じ、ちゃう?」
「……ぁ」
「あぁ、喋んなくていいよ…そのまま。」
ドサッ
「あ〜…疲れた…?眠い…?」
「………。」
「……幸せ…?」
「……ん。」
「…!……そっ、か…うん……たまには…いいかもね、気持ち、ぶつけんのも。」
「……。」
「…そんなとろんとした目で見ないでよ…また、したくなるから…。」
「…しても、いい。」
「いや…もう、勘弁して…?」
「……昂。」
「ん?」
「……。」
「…分かった、ぎゅっと…して欲しいんでしょ。」
「…ふ。」
ぎゅっ…
「……いや、でもこれ…暑くない…?ハル………遥翔…?」
「………。」
「……マイペースはどっちだよ…もう…………
おやすみ、大好きだよ。」