第十一話「覚醒」
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純粋に、ただ純粋に闇へと堕ちていく奏を見て涯は嬉しく思っていた。
非力な能力者が「覚醒」するためには大まかに分けて三パターン存在する。
一、自分が死ぬ寸前まで追い詰められて、心や体に深い傷を負った時。
二、誰かを本気で助けたいと思った時。
三、知り合いの死を間近で体験した時。
これは科学的にも証明されていることであり、もちろん涯も知っていることだった。どれか一つでも、当てはまれば今までの己を超える領域に達することが出来る。
そして、今、侵入者として現れた少年が全てのパターンに当てはまった途端、今までにないほどの力が身体全身から放出しているように漏れ出していた。
禍々しい、怨念のような黒色のオーラが一条奏を喰い尽くそうとしている。
自分の能力があまりに強すぎたために制御できなくなり、能力に食い潰されていった。
そんな、既に自我の欠片すらない全身闇に覆われた悪魔のような奏を見て、涯は静かに心の中で喜んだ。これで自分はもっと強いモノと戦える。――と。
「なぎさぁぁぁぁ!!」
涯が目の前の「闇」に向かって攻撃を仕掛けようと能力を発動させた直後、彼の真横を通る風が絶叫を放ちながら、通過していく。
そして、闇と化した奏を力の限り蹴り飛ばした。
「な、なぎさぁぁ!」
既に虫の息となった渚を抱きかかえて京子は急いで涯の正面を戻って行くとアゲハの部屋に戻って何も出来ない自分を嘆きながら、嬉しそうな笑顔で眠っている渚をベッドに寝かせた。
そして、タイミング良く京子の背後にアゲハが駆け寄ると何かを思い出した様子で機械島用の携帯電話を取り出した。
「姫宮、なぎさは! なぎさは……」
携帯電話で何処かに電話を掛ける傍ら、素早く渚の手首を掴んで動脈に手を当てると慌てる京子の肩を押さえつけて、ゆっくりと口を開いた。
「間宮渚さんはまだ生きています。意識はないけど、脈はまだ微かに……」
「ほ、本当か!?」
「はい。ですが、このままでは弱る一方。このままだと良くて十五分が限界でしょう」
「それじゃあ、どうすればいいんだよ。どうすれば、渚は助かるんだ!」
アゲハが何かを言いかけようとした所で電話から声が聞こえてくる。それを素早く応対してアゲハは、電話の相手に簡潔に今の状況を説明する。
「はい。そうです、お願いします。地下三階にいますので至急、来てください」
『――――――』
説明を終えた後、本題へと移行したアゲハは電話の主に助けを求めた。了承してくれたかは判らない。ただ、アゲハが渚を救うために働かせた知識ではこの人を呼ぶ他、助ける術は無かった。
一安心したアゲハに弱った声で京子が声を掛けてくる。
「渚は、死なないよな?」
「多分、大丈夫です。後は、あの人が間宮渚さんのために自分の能力を使うかどうかです。なんせ、君達から見れば敵に助けを求めているんですから、見殺しにされるかもしれません」
「そ、そんな……」
「でも、大丈夫です。私が、どんな手を使ってでも間宮渚さんを救います。例え、私の命を犠牲にしても」
京子はすがり付くような思いで渚の寝ているベッドを見つめる。その横で再び決心をしたアゲハが真剣な眼差しで眠っている渚を見下ろしていた。
しかし、問題なのは仮に渚を助けられる術が見つけられたとしても、その人物が渚を治してくれる人であるとしても、このフロアに赤城涯がいる。だから、迂闊に行動は出来なかった。
それに唯一の最高戦力であった一条奏も自我を無くし、何時こちらに攻撃してくるのかすら判らない。だから、自分の命を犠牲にしてもとアゲハは断言した。
自分の能力に願いを込めて、託して、彼女は目を瞑り、予知を待つ。
同じ気持ちを抱きながら、京子はただ一人の親友の安否を心から祈った。
「いいね、いいねぇ!! もっと楽しませてくれよ。俺と殺し合いをしようぜ!!」
高鳴る涯の姿がエントランスホールに映る。
渚を助けるために京子に蹴り飛ばされた闇は防御することもなく壁に向かって吹き飛んだ。わくわくの止まらない純粋に戦いを好む赤城涯が先行して炎の球体を創りだした。
「火焔」
投げられた炎の球体は蛇の形へと変形して、内壁の瓦礫の中にいる闇に向かって放たれた。舌を舐めて楽しそうに笑みを浮かべる涯は間髪入れずに、次々と攻撃を放った。
まるでこれからが開幕戦だと告げるかのように無限の炎が闇に放たれていった。
「火焔」
爆風と爆熱で周囲の空気が歪み、楽しさのあまり、相手の姿なんて一度も見ないままに涯は普段の敵を殺すように堕ちた奏を仕留めてしまったと、しばらくして冷静さを取り戻す。
「あっちゃー」と声を漏らした涯は右手を額に乗せて退屈そうにため息をつく。
「また、殺しちまったよ。全く、俺っていう奴は、楽しみは先に食っちまう方だからな」
涯は思っていた。
結局、わざわざ「覚醒」の手伝いまでしてあげた能力者も元が弱ければ「覚醒後」も弱い。などと敵の安否も気にせずに剥き出しになった部屋で何か、処置を施そうとしているアゲハ達に目を付けた。
「ま、このまま全員を殺しまわってもいいんだけどよ。まずは、あいつらからだな」
元味方である姫宮アゲハは半殺しと決め、残りの京子をどう殺そうかと既に気配のない闇に対して背を向けた瞬間――――涯の表情から、一瞬にして笑みが消えた。
抉り取られるような激痛が走った途端に、涯は気づいた。左腕を失ったと。
殺傷性のある攻撃で一瞬にして左腕を持って行かれた。そして、そこから大量の血が噴水のように噴き出る。思わず、唐突な痛みで涯は初めて床に膝をついた。痛みを堪えながら、闇の方へと身体を戻した。そこには全身黒一色に染まった奏の形をしている化け物がいる。
初めて感じた、これほどまでの痛覚に笑いが止まらない涯は皮肉にも笑顔だった。
すぐに焼灼止血法で左腕を素早く焼くと、止めどなく溢れ出ている大量の血を止血する。
「マジか……、これほどとは正直、見くびっていたぜ」
涯がまず始めに驚いたことは自分自身の左腕を失ったことではなかった。自分の力量を見る目が化け物と化した一条奏を正当に評価できていないことだった。
追って、左腕を失ったことに多少の後悔が生まれるが、そんなことは彼にとって二の次だ。今はただ、単純に本気で戦える相手と出逢えて、良かったと思っている。
涯が左腕を処置している間に、化け物と化した奏は縦横無尽に暴れまくる。まるで敵味方の区別・判断が出来ていないように空を切るように攻撃を続けている。
立ち上がった涯は痛みを堪えて、次の攻撃にでた。
「火焔。――鳳凰」
左腕を無くしていることを思い出して、右腕だけを上げた涯の袖からは大量の火の鳥が奏に向かって、上下左右、無数に羽ばたいて行った。
爆破を帯びた直接攻撃型の炎。
この鳳凰は従来の炎とは違い、威力が格段に違う。それは瑠璃と小町も身を以て知った。
決して、化け物と化した奏と侮っているわけではない。ただ、相手の力量を測るためには敵を砕いた業で攻撃するのが一番だと考えた涯の策略でもある。
そして、鳳凰の形状を催した火の鳥が闇に渦巻く、堕ちた奏に向かって一斉に攻撃しようと飛び掛かる。その瞬間、無意識なのか、故意なのか、闇と同化した奏が大きく口を開き、そして鳳凰を一匹も残さず、食べ尽くした。
摂氏千度以上を超え、掠るだけでも火傷では済まない涯の攻撃を簡単に喰らい尽くす。
「ウガァァァッ!!」
火の鳥を喰らった口は再び大きく開くと、次の瞬間、化け物と化した奏の口から涯の攻撃と同等の炎の息吹が放たれた。
まるで今、食べた炎の鳥を取り込み、自分の力へと変換して、攻撃したように輝きを帯びた一本の閃光は瞬く間に涯の顔スレスレを通過していく。
壁は吹き飛び、アゲハの部屋にいた二人は爆音で悲鳴を漏らす。
「いいねぇ、いいねぇ、もっと楽しもうぜ。一条奏ェェェ!!」
油断しきっていた自分を卑下して、左腕を失ったことは紛れもない事実と認め、堕ちた奏と全身全霊で殺しあうことを再度、認知する。
目付きが変わり、人を何ら躊躇いなく殺す、殺戮者と化した赤城涯が見事に復活を遂げた。
立ち向かっていく。
片腕だけでも、自分が勝てると信じ込んでいた涯は足元に炎を凝縮させて爆発させるように一気に加速をすると暴走状態の奏に向かって拳を振り降ろした。
しかし、涯は拳が奏の身体に触れる直前、何か直感したように攻撃を止めると即座に背後に戻って行く。
ただ、立っているだけなのに異様な雰囲気が涯の戦闘本能に危機を感じさせていた。
「そうか、お前のその能力は……、面白れぇ」
近くで見て涯はハッキリと確信していた。
そして、頭をガシガシと掻きながら、次の策に攻撃を移行させる。
「篝火。――――砲炎」
弾丸のような炎が飛んで行った。
闇に堕ちた奏は瞬時に回避すると狙いを定めて、涯に向かって高速で移動をしていった。
そして、それを狙ったように涯が不敵に笑みを浮かべた。すぐさま、膝を曲げて右手を地面に付けると一瞬にしてコンクリートだった床が、溶岩の流れる大地へと姿を変えた。
しかし、闇堕ちした奏は速度を落とさず、そのまま溶岩の流れる所へと入って行く。
「なっ!?」
そのまま、逃げることもせずに奏はマグマの大地を通り過ぎると空を舞い、涯が次の行動を起こそうと移動を始めた瞬間、再び大きく口を開いて咆哮を撃ち放った。
舌打ちをしながら、涯は右掌に炎の障壁を作って素早くガードをする。
次の瞬間、攻撃を防がれた堕ちた奏は激しく咆哮する。
「ヴァァァァァァッ!!!」
漆黒に染まりし、奏の暴走は瞬く間に加速をし、次々と人間離れをした攻撃を続けていく。翼を生やし、空を舞い、炎の障壁の真上から姿を現すと彼が驚く間もなく、力一杯、涯を地面に叩きつぶした。
涯が生まれて初めて、頭を押さえつけられて地面に叩きつけられた瞬間だった。
「く、がっ…………」
自分では幾度となく相手に行ってきた行為だったが自分がやられるとなると相当の怒りが伴うわけで、すぐに動こうとするも片腕がないせいか、上手くバランスが取れずに結局は床へと叩きつけられ続けた。
「うぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
そこで涯は右腕を地面と平行に付けると炎を逆噴射させて自分ごと、吹き飛ばした。爆破を伴い、涯も相当な傷を負ってしまったが目の前を見て、暴走している奏にもダメージを負わせた様子を見る。
頭を押さえながら、白煙が上がっている堕ちた奏を見て立ち上がった涯は久し振りに血管が浮き出る程、敵に怒りを覚えた。――――それは涯が本当の意味で本気になったという証拠でもある。
顔を隠すように手を当てると不思議と笑いが止まらなかった。
「はっははは。いいねぇ、お前を殺すのが少しだけ惜しいと感じた」
立ち上がった奏は次の瞬間、涯の正面に拳を振りかぶって姿を現した。
極限状態にまで覚醒した奏の潜在能力が高速移動を、可能にするまでに急成長をしていた。だが、涯は頭を抱えて笑っていた素振りを瞬時に止めると冷静な目付きで奏の拳を紙一重で躱した。
空を切るように奏の拳は涯の左頬を通過していく。
「甘いんだよ」
宙に浮いていた奏をそのまま、足で蹴り上げた。天井にぶつかった奏は動くことも出来ずに落下した。それを見計らって涯は自分自身の業を放った。
「百火繚乱」
指を弾いたその瞬間、落下していく奏の周囲を包み込むように小規模な爆発が幾度となく奏を襲った。爆発音と爆風でエントランスホールは目まぐるしい熱風に覆われるが、涯はその風をビクともせず、敵の様子を見据えるように仁王立ちを続けていた。
しばらくすると闇と化した奏が床に倒れている様子を見て、改めて確認した涯は最後の一撃をするためにゆっくりと奏の元へと近づいて行く。残された右手に炎を灯し、間宮渚を貫いたあの右手で同様に奏を殺すために歩幅を進めていく。
そして、翼の生えた漆黒の奏を見下ろして口角を上げた。
「お前がその暴走を自分の力として見出せていたら、もしかしたら俺を殺せたかもしれねぇ。けど、お前は未熟すぎた故に死ぬんだ。そして、俺に殺されることを光栄に思え、一条奏」
力強く引いた右手の手刀が、奏の背中に突き刺さろうとしかけたその時、再び涯の脳裏には一人の青年の姿がフラッシュバックしていた。
思いつめるように一瞬、踏みとどまった。――しかし、それが彼の油断となる。
「――――あ!?」
次の瞬間、涯の態勢が後方へと倒れていく。唖然としながら、声を出した涯の目に映るのは翼の生えた奏の形状をしている、へこんでいる天井の様子だった。
そして、次に訪れた感覚は左腕を失った時と同等――――いや、それ以上の激痛だった。
「ウガァァァァァッ!!」
息を吹き返した闇の奏は視界に捉えた涯の右脚を容赦なく、喰らう。そして、エネルギーを得たように傷のついていた漆黒の身体は回復していった。
この時、赤城涯は生涯で二度目の「死」を直感的に感じた。
すぐさま、もう片方の左足で逃げようと試みるもそのまま、地面に崩れ落ちた涯の目の前に大きな影と共に黒く染まった掌が、涯の身体を今までにない力で押し潰しにかかる。
「くそォォォォォ!!」
痛みよりも、相手に一本取られたことに激怒した涯は残された右手で堕ちた奏を攻撃する。瞬時に首を傾げた奏は涯の攻撃を紙一重で回避した。
まるで先ほどの光景を逆パターンで見ているようだった。
再び大きく咆えた闇と化した奏は床にヒビが入ろうがお構いなしに、どんどん力を強める。ミシリ、と床に傷が入った時には既に遅く、エントランスホールの床は崩壊し、四階のエントランスホールに落ちた。
「なめるなよ、餓鬼がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
空中で少し身動きが取れることを好機と考えた涯はすぐさま、右腕を地面に向けて逃げようと試みる。炎を噴射させて、威力を殺し、奏との間に出来た隙間から脱出しようと言う算段だった。
「グガァァァァ!!」
しかし、涯が行動に起こそうと右手を床に向けたその瞬間、涯は顔を引きつりながら、奏の顔を見た。圧倒的な恐怖に涯は思わず、何もできず仕舞い。
翼の生えた堕ちた奏は大きく口を開いて、闇屑星を放った。
聞くに堪えない爆音と共に五階の円卓会議室のテーブルに落ちた奏は大きく奇声を上げる。涯を砕き、四階のエントランスホールの床まで破壊した奏は五階に到達した時点で異形な「最終形態」と化していた。
終えに負えない暴走状態。
足元には踏みつぶされて、命からがら息をしている涯の姿が瓦礫に埋まって窺えた。
「かはっ……」
微かに息をしている涯は腹部を踏みつぶそうとしている相手の足を握りしめた。薄れかける意識の中でこいつだけは止めなければならないと本能がそう預言していた。
だから、涯は二度と使うことはないと決めていた「奥義」を使うことを決めた。
「はあ……、はあ……。絶対に避けろよ、一条奏」
涯の瞳が赤色から朱色へと薄まって行く。そして、闇堕ちした奏の周囲に黒煙の如く蔓延るオーラが黒だとするならば、涯の身体を薄く包み込むように朱色のオーラが目視で確認できるようになった。
そして、力強く奏の足を握りつぶすように掴んだ。
「――――――――ッ!!!」
「ぐ、あっ……」
何を思ったのか、足元を覗きこんだ闇の奏は再び耳を塞ぐほどの咆哮で涯の意識を消そうとしている。流石に意識を保つことに限界を感じた涯はしばらくすると、ゆっくりと目を瞑り、周囲のオーラが消えることで気を失ったことを物語った。
「グガァァァァ!!」
意識のない涯から少し離れた奏は両手を広げて、何かを呟くように理解不能の言語を発す。すると彼の周囲を取り囲むように幾数もの闇屑星が生成されていった。
まるで流星の如く、宙を舞った闇屑星は堕ちた奏の叫び声で意識の無い涯に向かっていった。
「よくやった、奏。後処理はオレ達に任せて、今は寝ていろ」
杖を地面に叩きつけ、その言葉を堕ちた奏に向かって告げた。
次の瞬間、涯に向かって飛来していった闇屑星の流星は掻き消えるように姿を消す。
「今だ、飛鳥」
「任された!!」
突然、自分の能力が消えたものだから奏は周囲を見渡して動揺を隠しきれない。その一瞬の隙を狙って五階に移動を終えていた斑目飛鳥が突如、闇堕ちした奏の背後に姿を見せた。
そして、木通から受け取っていた高電圧式スタンガンを容赦なく、奏の背中に押し当てる。激しい火花が散って「これ、死なないよな?」と不安がる飛鳥を余所にスタンガンを受けた闇堕ち奏は膝をついて、その場に仰向けで倒れ込んだ。
「飛鳥、こっちまで奏を連れて来てくれ」
「わかった、今すぐ行く」
仰向けの奏の腕を自分の肩に回して、立ち上がる。すると黒く侵食していた奏の身体が元の姿へと戻り始めていた。
それを見て色々と事情を聞いていた飛鳥は一安心する。そして、現在位置の五階から拠点に戻るべく、四階へと駆け上がって行った。
「……あれが赤城家を追放された最強の男、赤城涯」
拳銃を取り出して撃ち殺そうと銃口を向けた。だが、木通はそこで一瞬、迷ってしまった。
自分と似たような境遇を抱える敵のことを見て同情してしまった。
「木通、ちょっと来てくれよ。お前に頼みたいことがある」
「……わかりました、すぐに行きます」
後ろから声を掛けられて木通は銃を懐にしまい込んだ。
ここで殺せば、脅威は一つなくなる。しかし、一条奏を覚醒させた。そして、間宮渚を進化させた涯を見て何か思いついたのだろう。木通は殺すことをせずに、踵を返すと部屋に戻って行った。
「一条奏、そして間宮渚。よーく、自分を見直してこい。お前らが今、経験していることはあくまでも通過点に過ぎない。本当の意味で「覚醒」を目覚めさせたいなら、己を倒してこい」
全てを知っているような口振りで木通はこの場を立ち去った。
そして、一条奏を筆頭にした高校生組が四時間振りに全員、集合することとなる。




