俺は
傷ついて傷ついて
いつの頃からか傷つきたくないと考えるようになった俺
相手を傷つけなければ
自分も傷つかないと思ってた
それが綺麗ごとであったと気づいた
17歳の夏
人の悪口を言う奴はクズだと思っていた
誰かを嫌うような奴は
自分の足元にも及ばない卑劣な存在だ
真っ向から見下してやる権利が自分にはある
そう思って疑わなかった
高校2年の冬
だけど
高3の秋
それすら綺麗ごとであったと気づいた
相手を傷つけずにいられるほど
完璧じゃなかった
誰も憎まずにいられるほど
優しい人間じゃなかった
俺は普通の人間だった
誰かを見下し嘲ったのは
自分から目をそむけたかったからだ
他人に悪を押し付けるのを嫌ったのは
俺自身がそれを恐れたからだ
気づいていた 気づいていたはずだった
綺麗でもない完璧でもない
うわべだけを飾った俺の汚さは
誰よりも俺が一番わかっていた
完璧だと思っていた
俺がそれを望んだから
正しいと思っていた
俺は誤ちを隠す卑怯な奴だったから
俺自身が綺麗な俺を演じるのを良しとしながら
俺は自分が嫌いでたまらなかった
傷つきたくない
だけどそれ以上に
自分から目を逸らしたくない
自分が一番望んでることを知っていながら
それでも知らないふりをする
その事に気づかない俺を
俺がどうにかしてやりたい
これから先
俺は俺を抱えて生きていく
議論の余地なく当然な話
だったら俺は
俺で俺を 変えていく