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通行人A  作者: ゆか
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偶然



「じゃあ、あなたはここから歩き始めて。あそこの椅子に座ってね。」



「はい」



「それじゃあ、テストいきます。3,2,1」




私は、今ドラマの撮影現場にいる。


エキストラを始めて3年くらい経つと思う。



それでも、よく書類審査で落とされドラマの現場はまだ2回目くらいだ。




今のところ撮影は順調らしく、少し早めに帰れそうだ。


監督や演出家の指示通り動き、目立たずに背景のように主役を引き立てる仕事。それがエキストラ。




始めた頃は、画面にうつれるかなとか期待することもあったがそんな淡い期待は抱かないようにした。だって主役ではないのだから。なれないから。







「じゃあ、次は楽しそうな雰囲気出して。大学生が休み時間過ごしている感じで」



「はい」



隣に座っている女性と話そうとふと隣を見る。

初めて会った方だなと思った。



「あれ?佐伯さんですよね。登録会一緒だった塩田です。覚えてます?」



登録会…たぶんエキストラ登録したときのことだな。3年も前のことなのによく覚えているな…


塩田さんか。登録会のときに話した記憶がない。



「ごめんなさい。覚えていなくて…同じ事務所の方ですか?」



「こちらこそごめんなさい。急に話しかけてしまって。改めまして、塩田みなです。登録会のときに佐伯さんの自己紹介してる時の声がすごく素敵だなって思って。覚えていたんです。今日、同じ事務所から来てる方がいないなと思っていたら佐伯さんがいてびっくりしました。」



「塩田さん、よろしくお願いします。改めまして佐伯友梨です。同じ事務所の方がいて心強いです。実は、あんまりエキストラの仕事入れてなくて結構久しぶりなんです。1ヶ月に1回入るかどうかで…」




塩田さんは、ワークショップなども参加しながら本気で役者を目指してるということで、エキストラの仕事も結構入るらしい。



いろいろと話をしていた。今まで行った現場で楽しかったこと、辛い撮影の話も聞かせてもらって勉強になった。





「次、外でのシーンで移動します。エキストラの皆さんは、一旦待機お願いします。」




私達は待機室に向かう。


















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