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第61話 ロゼリールちゃんと遊んでていいかしら!?

第61話掲載させて頂きました。


毎週月水金の18時~19時頃に掲載を予定しております。


ブックマークも50件を超え、評価も200PTを超えました。本当にありがとうございます。


レビューや評価、感想などを頂けると今後の創作意欲に繋がります。

またご指摘や、こうした方がいい等、助言も頂ければなと思います。

 俺はリナさんの店を出て、スライズへ向かう。

 アイナさん達にエマへのお土産を預かるためだが…俺も何かお土産を持って行った方がいいかな?

 まぁとりあえずスライズへ行ってから考えよう。


 スライズに到着し、店を開ける。

 カウンターではいつものようにリフルがすやすや寝ている。いつもリフルはあそこで寝てるよなぁ…

 店に入るとアイナさんが笑顔で出迎えてくれた。


「あらあら。スイト君早かったわねぇ。グランー!スイト君来たわよ!」


 アイナさんは奥にいるであろう、グランさんに声をかける。

 グランさんは紙箱を持って出てきた。


「おうスイト!お疲れ様。エマへのお土産だがこれだ。悪いが持って行ってくれ。」


 グランさんが紙箱を開けると中には色々なパンが10個ほど入っていた。

 スライズのパンは美味しいからなぁ。エマも喜んでくれるだろう。


「確かに預かりました。エマさんも喜んでくれるでしょうね!」


「まぁどこまでいっても俺とアイナはパン屋だからな。エマにもよろしく言っておいてくれ。」


「分かりました。じゃあ行ってきますね!」


「私からもエマちゃんによろしくって言っておいてねぇ。近くによったら会いに行くと伝えて欲しいわ。」


「アイナさんの事も伝えておきますね!じゃあ行ってきます!」


「おう!大丈夫だと思うが無茶はするなよ。気を付けてな!」


 俺はスライズのお土産のパンをリュックにしまい、少しアイナさん達と会話をしてスライズを出る。

 リナさんは紅茶、アイナさん達はパン…俺もやっぱり何か買って行かないとなぁ…

 南門へ向かって歩いて行くとルーリアさんのお店の前を通る。

 と、ルーリアさんが出てきた。


「スイトちゃん!どうしたの!?それにハルちゃんと…この子!」


 相変わらず元気だなぁ。そして色々説明しなきゃならなさそうだ。

 というかどうしたって…道歩いてただけなんですが。


「今日、初めてソロで冒険に出るんですよ。なんで、リナさんのお店は早めに上がらせてもらったんです。で、こいつはクイーンビーでロゼリールって名前です。」


 とりあえず俺はルーリアさんに聞かれたことに対してすべて答える。

 ルーリアさんはロゼリールを凝視して目をキラキラさせている。


「この子のスカーフだったのね!?めちゃくちゃ似合ってるじゃない!?これがクイーンビー…上品な見た目で…あぁ…」


「ビッ!?…ビッ!?」


 ルーリアさんは飛んでいるロゼリールに目を輝かせ詰め寄る。

 ロゼリールはルーリアさんの剣幕にタジタジだ。


「私はルーリア!よろしくねロゼリールちゃん!」


「ビィー…ビッ!」


 ルーリアさんは不意にロゼリールの両手を取り自己紹介をする。

 タジタジでどうしていいか分からないロゼリールも俺を見た後にこの人は大丈夫と思ったのだろう。ルーリアに向かってニコッと笑いながら返事をする。


「あぁ…本当に可愛いわねぇ…今後もこの子の装備品や魔道具は任せなさい!誠心誠意作らせてもらうわ!」


 それはありがたい。が、ロゼリールはまだ困惑している。

 だが俺がそのスカーフ作ってくれたのはルーリアさんだ。と伝えると掴まれた両手を逆に握り返しお礼を言っている。よほど気に入ってくれたんだなぁ。


「えへへぇー。それほどでもないわよ!これからもよろしくねロゼリールちゃん!で、スイト君は早上がりしてソロへ…ってところだったわね。いつもリナと一緒に歩いているし、まだ店の営業時間だし…どーしたのかなって。」


 あぁ、そういうことか。確かに俺が1人で歩いている方が逆に目立っちゃったのかな?

 むしろリナさんと俺が歩いている方が街の人から見て当たり前ってのも…うーん…


「確かに隣にリナさんがいないのも久しぶりだなぁ…ところでルーリアさん。ティーセットとか売ってるお店とかって知りませんか?」


「あるわよ?私の隣のお店なんだけどね。そこでリナはティーセットとか色々買ってるわよ?」


 ルーリアさんに言われルーリアさんの隣のお店を見ると、なにやら雑貨屋さんのような店舗が。前来た時は気にも留めていなかったが…

 大体こういう雑貨屋とかは北の通りにあると聞いていたが。


「ここは私の妹のお店よ。食器とか家具とかインテリアを色々売っているわ!」


 なるほど。姉妹並んでお店を構えているのか。

 それに紅茶好きのリナさんがここでティーセットを買うくらいだから、物もいいのだろう。ちょっと見ていこうかな?


「ソロで冒険するって言ってましたが、知人にも会うんですよね。そのお土産で良い物があればなーって思うので見ていってもいいですかね?」


「全然いいわよ!あ!それまで私、ロゼリールちゃんと遊んでていいかしら!?」


「ビッ!?」


 突然のことに俺も驚いたが…ロゼリールはもっと驚いている。

 まぁルーリアさんも悪い人じゃないし、大丈夫だろう。


「俺はいいですが…ロゼリールはどうする?」


 一応ロゼリールの意思も確認しなければ。嫌々付き合わせるのも悪いしなぁ。


「ビィー…ビッ。ビッ!」


 ロゼリールは少し悩んで大丈夫。というような返事をする。

 よし、ルーリアさんにちょっとロゼリールの相手をしてもらっている間に俺はエマへのお土産を見繕うとしよう。


「やったぁ!じゃあ私のお店でロゼリールちゃんと一緒にいるからね!買い物終わったら顔出してちょうだい!ロゼリールちゃん!行こ!」


 ルーリアさんはロゼリールの手を取り、店へ駆けて行く。

 ロゼリールは少し戸惑っていたが…まぁ悪いようにはならないだろう。

 それはさておき隣のお店へ恐る恐る入っていく。

 扉を開けるとカランカランと心地いい音が鳴り、それに気づいた店主…ルーリアさんの妹さんであろう女性が出迎えてくれる


「はぁーい…って初めてのお客さん…ですよね。」


 出てきたのはルーリアさんと同じでほんのりオレンジ色をした髪。少し眠たそうなたれ目。身長は少しルーリアさんより高く、おっとりとした口調の眼鏡をかけた女性が。ちなみに胸は…圧勝です。


「初めまして。ルーリアさんに紹介してもらってきたんですが…スイト・イーガマックと言います。」


「スイトって…あぁ!リナさんのところの。私はミーリア・マイヤーです。えーっと…姉さんは?」


「今そこで会って俺の仲間を連れてお店で一緒に遊んでるはずです。それでですね…今から知人に会うのでお土産になにか…と思ったのですが…」


 お店を見渡すとシンプルな食器や可愛い食器などが棚に並んでいる。


「お土産に…ですかぁ。ではシンプルなものより可愛いものの方がいいですよね。」


「そうですね…その人は紅茶が好きでティーセット等いいかと思うのですが…」


 紅茶も美味しいと言ってくれていたし専用のティーセットなんか喜ばれると思うんだけどなぁ。

 異性にプレゼントなんてしたことないから正解かどうか分かんないけど。


「うーん…じゃあこの辺りでしょうか?私の手作りですけど、どれも出来栄えは胸を張れるものですよー。」


 ティーセットを見ると確かにどれもしっかりとしていて、可愛らしい模様の物が多い。

 リナさんの家にあるティーセットもミーリアさんの物だろうか。


 色々と棚を見ていると1つ気になったものがあった。これはエマにも喜んでもらえると思う。


「すいません。これを頂けますか?」


「はいー。こちらですねー。じゃあ梱包してきますのでカウンターで受け渡しますねー。」


 ミーリアさんはニコッと柔らかい表情で微笑みカウンターへ行く。

 呼ばれるまで食器等色々見ているがどれも可愛いものが多く、可愛いだけでなく使い勝手が良さそうな物も多い。

 ルーリアさんもそうだが、ミーリアさんもなかなかの職人さん?なのだろう。


「おまたせしましたー。こちらになりますー。」


 カウンターからミーリアさんが呼ぶ声がするのでカウンターへ行くと、これまた可愛らしい包装をしてくれている。


「ありがとうございます。おいくらになりますか?」


「そうですねー。セットで銀貨1枚ですー。」


「えっ…こんな良い物で銀貨1枚ですか?」


「えへへー。サービスですよー。その代わり姉共々ご贔屓にしてくださいねー!」


 なんとこの出来栄えで銀貨1枚か。サービスにしても激安な気がするが。

 俺はお土産を包んでもらった包装を受け取り、リュックへ入れる。

 よし、エマへのお土産も購入した。後は…大丈夫だな。


「ありがとうございます。また顔出させてもらいますね!」


「はいー。ありがとうございましたー!あっお姉ちゃんのところ行くんですよね?私も行きます!」


 ミーリアさんと一緒にお店を出て、そして隣のルーリアさんのお店に入ると、


「うーん…これなんてロゼリールちゃんに似合うと思うんだけどなぁー。あっ!スイトちゃん!」


「妹さんのところで良い物が買えました!…ってなにしてるんですか?」


 ロゼリールを見ると、リボンやらなにやら色々とつけられている。


「ロゼリールちゃんに似合う装備や装飾品をね!色々と試してたのよー。元がいいからなんでも似合うわよね!ってミーリア?」


「ビッ!」


 ロゼリールも女の子だし、色々とルーリアさんに振り回されていたようだが…まぁでも満更でもなさそうだしいいか。


「お姉ちゃん!もぅー…この子スイトさんの仲間でしょー?勝手に…って、こっちの子もスイトさんの!?キャーッ!」


 ミーリアさんはハルを見て興奮している。

 姉はロゼリールに、妹はハルに…魔物好きな姉妹なのかな?


「スイトさん!この子可愛いですね!名前は!?ハルちゃん!?それにお姉ちゃんの帽子も似合ってて…あぁー…」


 ルーリアさんもミーリアさんも性格は違うが同じような反応をしている。

 やっぱり姉妹は姉妹だなぁ…と思うが。

 いつの間にかハルはミーリアさんに抱かれている。


「プルプルしてて、可愛くて…私はミーリア。ルーリアお姉ちゃんの妹よー。よろしくねー?ハルちゃん!」


「ピッ!」


 ハルも可愛いとか帽子が似合っていると言われて満更でもなさそうだ。

 というかそろそろ冒険に出たいのだが…


「すいません。2人とも…そろそろ出ようと思うのですが…」


「えっ!?もう行くの!?仕方ないわね…今度帰ってきたらリナのお店に行くわ!またね!ロゼリールちゃん!」


「あぅー…私もお姉ちゃんと一緒に行きますね!またね?ハルちゃん。」


 2人は名残惜しそうに2匹を離す。

 2匹とも挨拶をして俺達はルーリアさんのお店を出る。


 いきなり寄り道をした形になったが…それでもまだ時間に余裕はある。

 俺はエマのお土産を買い、南門へ向かった。

 

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