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第4話 翠斗くんの死因はなんだっけ?

第4話掲載させて頂きました。


当面の間、1日間隔の18時に掲載を予定しております。

拙い文章かとは思いますが、よろしくお願いします。

ご指導、ご指摘など頂けるとありがたく思います。

ちょっと褒められるとやる気が爆発的に上がります笑

「まず追っ手ってなんのことなんですか?追っ手がいるってことは命を狙われる可能性があるっていうことですよね?」


「そう。追っ手がいる…かもしれないという段階なのだけれどね。まずさっきあたしが言った各地で争いが起き人族、魔族、それにその他の種族に大きな被害をもたらす可能性が高い。その者が何者かはわからないわ。だけどそのような可能性があった。だからルナリスと共謀してあなたの魂を保護した。」


 それは先ほど聞いたけれどもいまいち納得はできない。

 そういう思いが顔に出ていたからなのか、リナさんは真剣な眼差しを俺に向け、続ける。


「まぁ保護した理由。っていうのはその者、あるいは組織に翠斗くんの魂を使いその者の元で転生もしくは転移するのを妨害するため。現段階であたしとルナリスの作戦はとりあえずは成功しているの。あ、別世界からこちらの世界に渡ってくることをあたしは転生と転移と呼んでいるわ。」


「転生と転移はどう違ってくるんですか?」


「まず転移から説明するわ。別世界からあたし達がいるこの世界に移動する。これはどちらも同じことなのだけれど、転移というのは別世界からこの世界に精神や肉体をそのままにワープする…って感じね。」


「簡単にいうなら、転移は元々住んでいた世界で寝て、起きたら別の世界にいました!って感じってことですか?」


「そう。前の世界からこの世界へ移動する際のスキルの割り振りはあるけれど、それは無意識のうちに行われるわ。そして転生と違い転移は自身ではスキルを選べない。そして転生っていうのは転移と違い魂だけこちらの世界へやってくるの。そして魂は、一度天界へ行きそこで神に選別され新しい人格を形成させる。まぁ、元々ある肉体にスキルとか能力付与するより、魂だけの状態の方が、スキルや能力付与がしやすいって感じらしいわ。」


「ということは俺は通り魔にあって死んで、魂だけになったから転移ではなく転生。ということですね。で、転移じゃなくて、転生だから神の干渉もあったと。」


「そういうことよ。お察しの通り転生は魂だけこちらにやってくる。だけども、魂だけこちらにやってくるには、肉体は死んでいないと無理。つまりは元の世界で死亡していないと転生は不可能なの。」


 リナさんは真面目な表情を少し崩し、そう説明する。


「そして転移は肉体ごと、転生は魂だけ。召喚者の魔力も転生の方が転移に比べ消費も負担も全然転生の方が楽なの。それにさっき言った通り転移はスキルがランダムで選ばれる。転生は神の干渉があって、選択肢の自由度が広がった状態で決められる。つまりは召喚者にとっては魂を転生させた方が自分の負担が少なく、依頼者がいるなら依頼者は転移者より転生者の方が戦力になりやすいってこと。」


 なるほど、だったら召喚するにしても転移させるよりかは、転生させる方が遥かにコスパがいいよな。

 召喚者は知ったこっちゃないだろうが、いきなり転移させられるよりも転生させられた方が心の準備もできるだろうし。

 実際、俺もルナリスとの話があって、心の準備ができた。

 朝起きてここどこよ!?じゃパニックだもんな。

 しかし、ここまでは転移と転生の違いに理解できたものの、まだ俺がルナリス、リナさんに魂を保護してもらった話には行きついていない。


「そうですよね。前世で生きているならば転移だし、死んだら魂を転生。大まかに言いましたが、その2つっていうのはわかりました。けど、なにが問題だったんですか?問題がなければ、ルナリス様もリナさんも俺を匿うなんてことにならないと思うんですが…」


「翠斗くんの死因はなんだっけ?」


リナさんの表情がまた真面目になり、真剣な眼差しを俺に向ける。


「通り魔による刺殺。らしいですよ。後ろからだったので犯人の顔は見ていませんが。」


 俺はそう答える。後ろから殴られたような鈍痛もなかった。

 なにが起こったのかわからないまま死んだのでおそらく、刺殺だと俺は断定したのだが…

 そういえばルナリスも通り魔に刺され…と言っていたので刺殺で間違いないだろう。


「タイミング良すぎると思わない?」


「え?」


 突然のことに俺は固まってしまい聞き返すことしかできなかった。しかしリナさんは依然、真面目な表情で俺を見つめる。


「タイミングが良すぎるのよ。あたし達の敵は翠斗くんが欲しい。だけども、転移だと召喚者の負担が大きく、確実に有用なスキルを会得させられない。だったら…」


 俺はもう体が固まり、心臓の鼓動が大きくなる。冷や汗も出ているだろう。リナさんは真面目な表情からとても悲しそうな顔をし、目線を落とす。


「…殺してしまえばいい。と…」

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