第1話 神様とか本当にいるんだ…
第1話掲載させて頂きました。
当面の間、1日間隔の18時に掲載を予定しております。
拙い文章かとは思いますが、よろしくお願いします。
ご指導、ご指摘など頂けるとありがたく思います。
ちょっと褒められるとやる気が爆発的に上がります笑
――ここはどこだろう?
辺り一面真っ白だ。というか光に包まれている。眩しい…眩しくはない…?
そういえば俺、死んだんだっけ。多分。不意打ちだったしなぁ…
痛みよりも身体が動かずに、何が起こってたかわからないまま意識が薄れて…ま、死んだんだろう。
「この度は災難でしたね。今こちらに魂を呼び寄せますので。」
色々考えていたら、不意に女性の声が聞こえる。
誰だ?魂?あっ、やっぱ俺死んでんじゃん。ってことはここは死後の世界か?
閻魔様とかいるんかな。閻魔様にしては可愛い女の子の声だ。女神様かな。どんな人なんだろう。
そんなことを考えていたら、徐々に女神様が現れて、自分も生前?の姿が現れる。
だって手足とか動くし、喋れるから映し出されたんじゃね?って思いました。はい。神様って本当にいるんだ…
女神様はThe女神様って感じの神秘的な白い羽衣みたいなのを着てます。
そして後光は射していないものの、神々しさとか迫力みたいなものを感じます。そしてやっぱり美人さんです。全体的に慎ましい感じです。あっ、胸も慎ましいです。
「この度は災難でした。そして生前もなかなか苦労をされていたご様子。肉体は崩壊しておりましたが、魂はまだ汚れておりませんでしたのでこちらで早急に保護させていただき、生前の肉体を元に可視化できるようにしました。私は、緑を司る女神、"ルナリス・フラウディア"と申します。何かご質問は?」
なにかご質問は?と言われてもなぁ…そもそもなんで対面で話してるんだろうか。面接か?そういえば生前?の入社の際の圧迫面接はだるかったなぁ…とりあえず疑問を投げかけてみるか。
「あのー…現状をまだ把握していないのですが、なぜ私は貴女の様なお綺麗な女神様とこうして一対一で話しているのでしょうか?」
「ふふっ。綺麗な女神様だなんて…先ず、なにが起こったのか翠斗様はご理解できていないようなので順を追って説明させていただきます。えー…まず貴方は通り魔に刺され死にました。」
女神様。ルナリス様か。は頬に両手をあてもじもじしている。可愛い。
というか、ざっくりすぎんか?順も追ってないし。まぁ、死んだもんはしょうがないとして、今沸いた疑問を女神様に投げかける。
「俺の場合、老衰とか病気で死んだ訳ではないのですが、死んだら一律どのような人もこのように女神様と一対一で話すことになるのですか?」
と、率直な疑問を聞いてみる。色々聞きたいことは多々あるが、純粋に気になったので聞いてみた。
「極稀にあります。今回は、先手を打たれたのでこういう形になりました。って上司…いえ、上の者が仰っておりました。」
上司って言ったよな?今はっきりと。神様も1人で色々見てるわけじゃないだろうしな。
部署ごとに色々振り分けないと対処できないんだろう。1日に何10万人と亡くなってるってどっかで聞いたことあるし。
「普通の者は大まかに善行を積んだ魂、悪行を積んだ魂を選定する部署があり、選定された側でまた細かく選定されます。そして来世に何に生まれ変わるか、特に善行を積んだ者の魂はこちら側、所謂天界の所属かまた転生するかの選択となります。悪行を積みに積んだ魂は魂ごと消滅され、輪廻転生に組み込まれないことが多いです。また、輪廻転生とはその世界でのみ循環します。翠斗様の世界の魂であれば地球のなにかにまた生まれ変わる。といううことですね。しかし例外もあります。」
要するに俺の担当はこの女神様だということか。そして俺はその例外であるが故にこの面談を受けていると。
しかし部署って言ったよこの女神様。やっぱり天界みたいなのもちゃんと事業ごとに所属が変わるのかな。生死を司るお役所みたいなイメージか。
「そして、稀に翠斗様のようにこのようにお話させていただくこともあります。あぁ…こうして話しているうちにも私の仕事が…」
目の前の女神様は頭を抱え、顔色が少し青ざめる。
ちょいちょい話の節々に現実味のあるところが出る女神様だな。かといって、こういうケースは極稀だと言ってたから普通の天界の業務において俺はイレギュラーな存在なんだろうな。
「ということは俺はイレギュラーな存在、ってことでいいんですかね?そしてこの後の展開は色々と面談が必要になると。」
「翠斗様は輪廻転生から外れて別の世界、所謂異世界に魂が向かうことになります。要するにご存知かとは思いますが、異世界転生。ってことですね。そして異世界は地球や日本とは全く違う剣や魔法が栄え、魔物がうじゃうじゃいる世界であり、勇者や魔王もいます。前の世界の能力をそのまま今の世界に送ると、転生するやいなや即死です。クソゲーです。」
だんだんこの女神様がフランクになってきているし、口もあんまりいい方ではないな。しかし親近感は沸く。神様とかってもっと厳かで堅苦しくて威厳があるもんだと思ってたし。
「というわけで、私が一対一で翠斗様とお話をし異世界で生活できるように、スキルや特性を付与しましょうってことですね。キャラメイクみたいなもんです。」
「転生先の自分をキャラメイクってことですか。そうなると適当に決めるわけにもいきませんね。死に直結していく訳ですし。」
「その通りです。ただステータスMAXの俺最強じゃん!ちょーつえー!ヌルゲーヌルゲー!ってのも無理です。異世界のバランスが壊れかねませんので。」
確かにそうだな。最強すぎて世界を破滅に導こうと思えばできてしまうわけだし。恐らく色々制限はあるにせよ、慎重に決めていったほうがよさそうだ。