●第164話●扉の奥
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週3~4話更新予定です。
「コイツはまたデカい扉じゃな」
「前回潜った岩砂漠の遺跡にあったものと雰囲気は似てるねぇ」
扉にカンテラの光を当てながらエトとヴィレムが様子を確認している。
重厚そうな扉が嵌っている壁面は、他の遺跡でも良く見るコンクリートとプラスチックの中間のような素材で出来ており、岩盤剥き出し部分の多いこの遺跡において少々異彩を放っていた。
「お、前の扉とは違ってコンソールらしきものがありますね」
その壁面の扉のすぐ右側、目線よりやや低いところにカンテラの光を当てたまま勇が言う。
そこには縦40センチ横30センチほどの大きさの、黒くて艶のあるボックスが埋め込まれていた。
「十中八九、扉を開閉させるための魔法具でしょうね。色々と調べてみたいところですが、どれくらい時間がかかるか分からないので、また明日にしますか」
「そうですね。何百年か何千年か前からあるものが、一日二日で何か変わる訳でも無いでしょうし」
勇の言葉にフェリクスが答える。他のメンバーも頷いているので、特に異論は無いようだ。
一度片付けた野営道具を再び設置し夕食を摂った後は足湯タイムとなった。
初日はあまり部屋が広くなく、天井も低かったので控えていたので、ガスコインとシュマイケルは初体験となる。
「おーー、足を湯につけるだけでこうも気持ち良いもんなのか……」
「あ~~、歩きっぱなしだったからこりゃいいぜ」
そして二人ともその良さに表情を緩めた。
一度に4人くらいは足を入れられる大きさなので、エリクセン領の二人以外に勇とフェリクスも一緒に足を浸けている。
勇の膝の上では、織姫が下を覗き込みながら時折前足でお湯をパシャパシャと引っ掻いて遊んでいた。
「で、あの扉は開けられそうなのか??」
距離が近いので、自然明日の行動についての会話が始まる。
「何とも言えませんが、可能性はあると思います。これまでのパターンだと、起動陣の魔力は切れていますが、機能陣側は生きていることが多いんですよ。なので、まずは起動陣に必要な量の魔力を流し込みます。まぁ大体この魔力量がとんでもなく大きかったりするんですが」
「はー、もうその時点でとんでもねぇな……」
「で、起動させたら、先程手に入れたこの認証用と思われる魔法具で開くんじゃないかな、と。ダメだったらまぁ仕方がないですね」
「さっき使ってた泥化で壁を溶かせねぇのか?」
「あれはどうやら岩や石にしか効果が無いんですよ。そこの壁に使われている、遺跡でよく見る謎の物質には効かないんです。これも一種のセキュリティなのかもしれないですね」
「なるほどなぁ。他の魔法でも壊せたって話は聞かねぇし、簡単にはいかんか。まぁ、俺にはどうする事も出来んから、お手並み拝見させてもらうぜ」
「あはは、分かりました。その代わり魔物が出たらよろしくお願いしますね」
「おう、そっちは任せとけ」
ニヤリと笑ったガスコインが、自分の二の腕をポンポンと叩いてそう言った。
翌朝。簡単な食事を摂って荷物を片付けると、勇はまずセキュリティ装置と思われる黒いボックスの調査に乗り出した。
「んー、カレンベルクで見たのともこの前の遺跡で見たものとも、ちょっと違う感じがしますね」
「どういうことじゃ?」
「なんだろ、上手く言えないんですけど、ちょっと古いというか武骨と言うか……」
勇としては業務用っぽい、と言いたかったのだが、ニュアンスが伝わらなさそうだったので止めておく。
「まぁ作りは同じようなものでしょうから、ひとまず開けてみますね」
そう言って、ボックスの左側面に見える隙間にミスリルのブレードを差し込んでいく。
以前、魔石に魔力を充填する魔法具“充魔箱”をバラすときに作った、半田ごて機能を有する極薄のミスリルブレードだ。
数センチ差し込んでテコの原理でブレードを捻ると、パカリと隙間が空いた。
その隙間に指を引っ掻けて手前に引くと、右側に蝶番のようなモノが付いているのか、厚みのある本のように手前側と壁側に分かれて開いた。
「んー、やっぱり機能陣は読めないかぁ……。起動陣は、っと、ああこっちか。どれどれ……、お? これも起動魔力は1,800くらいなんで、それほど多くないですね」
「ふむ、この前の岩砂漠の遺跡が1,500じゃったから、似たような感じじゃの」
「ですね。この辺りのは、それくらいが相場なんですかね」
「カレンベルクのとはだいぶ雰囲気が違うからねぇ。目的も時代も全然違うのかもしれないね」
そんなことを話しながら、ヴィレムが手際よく起動用の魔力チャージ魔法陣を作っていく。
「よし。じゃあ起動させますね」
出来上がった魔法陣を起動陣へと接続して、起動用の魔石に触れる。
1秒ほどでチャージされた魔力が起動陣へと流れ込むと、いつものフォンという起動音と共に黒いボックス型魔法具が起動した。
ディスプレイのようなものは付いていないようで、正面の右下の方に赤い光が灯っていなければ起動しているのかどうか分からないくらい地味な動きだ。
「これで起動したはずですが……」
「これまでのように文字が出てきたりはせんの」
しばらく様子を見ていると、ティラミスの被ったヘルメットの上にいた織姫がひょいと飛び降り、姿勢を低くしながらそろそろと扉へと近づいていった。
唸るようなことは無いが、姿勢を低くしたまましきりに耳を動かしている。
「あれは姫が気になる音がした時にする動きですね……。扉の向こう側で、私達には聞こえない音がしたのかもしれません」
「……これは開ける時に注意したほうが良さそうですね」
勇の言葉にフェリクスが剣を抜いて構えを取ると、騎士達が全員それに倣った。
「後はこれで開くはずですが……」
そう言って勇が昨日入手したIDカード(仮)を取り出す。
「何が出てくるか分からないので、皆さん十分注意してくださいね」
「「「「「了解」」」」」
ミゼロイとティラミスが勇を守るように扉との間に立ち、勇の後ろにアンネマリーとエト、ヴィレム、カリナが下がる。
他の騎士達が扉の正面に間隔を空けて扇形に陣取ると、中央に立つフェリクスの肩に織姫がひょいと飛び乗った。
隊形が固まったのを見て、勇が声をかける。
「では、いきますね」
手に持ったIDカード(仮)を黒いボックスに触れさせると、IDカード(仮)に埋め込まれた無属性の魔石が淡く光る。
続けて、ヴォンという低い電子音のような音がボックスからして、右下の光が赤から緑へと変わり、扉の中央にあるスリットのすぐ両側に、縦方向に上から下へ光が走った。
そして……。
ゴウンゴウンと重量感のある音と共に、大きな扉が左右へと開いていった。
中は暗く、どうなっているのか様子は分からない。
扉前に陣取った騎士達がカンテラの光で内部を照らそうとした瞬間、不意に扉の向こうが明るくなった。
突然の出来事に驚いていると、更なる驚きが一同を襲う。
扉が開いたすぐ先、その中央にそれは居た。
身長は3メートル程か。艶消しのサンドベージュ色をした鎧のようなものを全身に纏っている上半身は、顔らしきものや二本の腕があるため人型に見える。
しかしその下半身は二本脚ではなく四本脚で、ゲームなどに出てくるケンタウロスのような形状と言えなくもない。
だが、腕も足も太く短く、頭のようなものはあるが首は無く全体的にずんぐりとした体形をしていた。顔に当たる部分は真っ黒で、目のような赤い光が一つだけ不気味に輝いていた。
「おいおいおい、なんだよコイツは……」
引きつった顔でガスコインが呟く。
「雰囲気的には、カレンベルクの遺跡にいたヤツや、この前のタカアシガニに似ていますが……」
フェリクスも油断なく様子を窺っている。その肩に乗った織姫は、目を真っ黒にしてぐっと姿勢を低くしたままだ。
勇達が動くに動けずにいると、それの目のような赤い光が、大きな一つの光から細かい複数の光点に代わり、チカチカと点滅し始める。
「なんだ……?」
呆気に取られてみていると、唐突にその首が左右に素早く90度ずつ振られた。
「何かを探してるのか??」
その様子は、あたかも迷子の子供が自分の親を探している、そんな仕草に見えた。
『◎△××〇□◇▽×◎』
「「「「「っっ!!!」」」」」
またもや唐突に、今度はそれが鳴き声を上げた。
やや高く、人間の女性の声色のようにも聞こえるが、言葉を発しているようには聞こえない。
『◆◎△▲×〇□◇■×〇』
なおも鳴き声を上げ、今度はゆっくりと右から左へ首を振っていく。
いつ襲い掛かって来ても良いように、騎士達は臨戦態勢だ。
そして一番左、勇の方へ顔を向けたところで動きを止める。
『◎△××〇□◇▽×◎』
ランダムに点滅していた赤い光が、今度は横方向に流れるような動きに変わった。
ガシャガシャ
がしゃんがしゃんがしゃん
すると今度は体の向きを勇の方へ向けると、ゆっくりと動き始めた。
「下がってくださいっ!!」
勇の前に立つミゼロイが声を上げグッと腰を落とす。
勇がちらりと織姫に目をやると、姿勢は低くしてイカ耳にはなっているが、まだ唸り声は上げていない。
それは5歩ほど歩くと動きを止めたが、依然として鳴き声は上げている。
『〇◆◎△▲■■×〇×▼』
「……これか??」
何かに思い当たった勇が、手に持っていたIDカード(仮)を前へと差し出すと、一瞬間を置いてからまた前進を始めた。
『▲××◆◆●●●』
「イ、イサム様っ!?」
ミゼロイが思わず叫ぶが、勇がそれをなだめる。
「まだ織姫が唸っていないので、多分大丈夫です……」
「で、ですがっ!?」
ゆっくりと近づいてきたそれは、勇の2メートル程手前で足を止める。赤い光点の動きがひと際激しくなった。
『〇△▽□□』
2秒ほどそうしていると、唐突にこれまでとは違った声色で短く鳴き、目の色が赤色から緑色へと変わった。
そして勇にくるりと背を向けると、がしゃんがしゃんと音をさせながら、扉の中へと戻っていった。
「ふーーーーーーーっ……」
それを見届けると、勇が大きく長いため息をついてその場に座り込んだ。
「おいおいおい、イサムは魔物の言葉が分かるのか??」
ひとまず難が去ったらしいと判断したガスコインが、勇に近づきながらそう零す。まだ剣は抜いたままなのは、さすが歴戦の傭兵だ。
「いや、さすがに言葉は分からないですね」
ガスコインの言葉に笑いながら勇が答える。
「ただ、向こうが問答無用で襲ってくる魔物なんだったら、多分扉が開いてすぐ襲い掛かってくるはずなんです。それがわざわざ待っていたのと、何かを探しているような素振りだったんで」
「確かに、これまで遺跡で出くわした謎の魔物は、向こうからすぐに襲ってきましたね。今回のも見た目と言うか雰囲気は似ていましたが……」
フェリクスも勇の方へとやって来る。
「ええ。それに織姫が警戒はしていても威嚇していなかったんで、大丈夫かなと」
「な~~う~」
勇の言葉に、フェリクスの肩に乗っていた織姫が勇の肩へと飛び移り、頬に頭をすりつけた。
「確かに、これまで襲ってくる魔物がいた時は、かならず先生が威嚇していましたね」
ミゼロイが頷く。
「多分ですけど、アレは通して良い人間かどうかを確認したかったんでしょうね。だからこのカードを見せたら大人しく引いていったんでしょう」
勇が手の中でIDカード(仮)をくるくると回しながら予測を口にした。
おそらくアレは魔物ではなくガードロボットのようなものなのでは無いかと勇は考えていたが、確証も無いし魔物のようなモノと言えなくもないのでそういうことにしておいた。
「さて、それじゃあ中を見てみましょうか。ここはご丁寧に照明まで自動でつけてくれましたからね」
落ち着いた勇は腰を上げると、扉の中へとゆっくり歩いていった。
「……コイツはまた」
「広いし……天井も高いね」
エトとヴィレムが上を見上げながら呟いた。
重厚な扉の向こうにあったのは、かなり広い空間だった。学校の体育館の半分くらいはあるだろうか。
天井も高くまさに体育館のそれを彷彿とさせる。地下深くに入り口があったのはこのせいだろう。
そしてその天井には、内部を照らす照明が完備されていた。
「うひょー、あのカードがなくて敵認定されたら、こいつらに襲われてたんすかね??」
開きっぱなしになっている扉の脇を見ながら、ティラミスが身をすくませる。
そこには、先程確認に出て来ていた魔物と、それによく似た魔物が5体、綺麗に並んでいた。
飽きてきた織姫が、魔物の背中の頭の上でカリカリと首筋を掻いているが、動き出すような気配はない。
「先生は余裕だな、おい……。しっかしコイツも硬ぇなぁ、遺跡の奥にいる奴ってのは皆こんな硬いのかねぇ」
そんな織姫を見て、ガスコインが渋い表情でコツコツと魔物の外皮を叩く。
「そうだな。この前の合同討伐のも奥から出て来ていたし、我々だけでは行けない領域にいる奴らは、皆硬いのかもしれん。さすがにこの数に一斉に襲い掛かられたら大変なことになるところだったな……」
同じく外皮をコツコツと叩きながらミゼロイが答えた。
「コレは、魔法巨人の脚、でしょうか??」
「まぁ、まずそうだと思って間違いないね」
扉の真正面最奥では、アンネマリーと勇が少し上を見上げている。
そこには、クレーンのようなものから大きな足に見えるモノが吊り下げられていた。
「仮に人型の魔法巨人だったとすると、4~5メートルくらいの大きさになるのかなぁ。前に手に入れた腕っぽいのと、比率は同じくらいなのか?」
「そうだね。まぁ魔法巨人の実物は見たこと無いし、人間と同じ手足の長さとは限らないけどね。あと、この前見つけた腕とは、外装の雰囲気が随分違うよね」
「確かに……。前のはどちらかというとつるっとしていて曲面が多かったですね」
「うん。対してこっちのは、直線が多い角ばった感じだね。色も地味だし」
顎に手をやりながら、イサムとヴィレムが意見を交わす。
「おーいイサムよ! この吊り下げとるやつ、動くかもしれんぞい」
クレーンのアームの根元にあるコンソールのようなものを調べていたエトから声が掛かった。
「本当ですか!?」
「おう。今濁っとった起動用の魔石を交換したところじゃ。どれ……」
そしてエトが、起動用と思われる魔石に手を触れると、いつもの起動音の後にヴーーーーンという低い音が聞こえてきた。
「確かに起動したっぽいですね……」
「そうなのか?」
「ええ。似たような魔法具は元の世界にもあったんですが、待機中は何かしら音がするものが多かった印象があります」
内燃機関で動く重機や工作機械類はアイドリング状態になると当然音がしていたし、電動モーターで動くようなものも冷却装置などの音がするはずだ。
この魔法具も、何かしらの準備状態に入ったものと思われた。
「操作は……、まぁ多分このボタンだろうなぁ」
コンソールの上には四つの四角いボタンが配されていた。2x2の正方形ではなく、1x2x1の三段配置なので、おそらくそういう事なのだろう。
勇は一番下にあるボタンを押した。
ゴウンゴウン……
さほど大きくはないが重厚な音を響かせて、クレーンが下がり始める。
吊り上げられた脚パーツが地面につく直前で再びボタンを押すと、クレーンの下降が止まった。動いた余波で、ぶらぶらと小さく脚が揺れている。
「うん、これで上下左右に簡単に動かせますね。後で中を見てみて、読めないヤツだったらどうにかして丸ごと運び出したいですね、これ」
「そうじゃの。これが工房にあれば、魔動車を作る時の効率があがりそうじゃ」
急に動いたクレーンに驚いたメンバーは、それを起こした犯人であるにもかかわらず動じることなく嬉しそうに会話をする二人を見て苦笑した。
「さて、どんな魔法陣が書いてあるのやら……」
降ろして見やすくなった脚のパーツの隙間から、勇が中を覗き込む。
「うーーん、これもまたバラしてみないと魔法陣は分からないかぁ」
鎧のようになっている外装部分以外は、全てラバーのようなもので覆われており、簡単に中に描いてるであろう魔法陣を読むことはでき無さそうだ。
「ん?」
脚の周りを一周しながらよくよく見ていると、踵にあたる部分に小さく何かが描かれていることに勇が気が付いた。
「なんだろ、これ? 紋章か? アンネ、これってどこの紋章か分かる?」
ようやく国内の主要な大貴族家と近隣国家の紋章を覚えた程度の勇のデータベースには該当する紋章が無かったので、この辺りに詳しいアンネマリーに助けを求める。
「どちらでしょうか? ……うーん、少なくとも国内の貴族、諸外国の主要貴族の紋章ではありませんね。すみません、私も国外の貴族家全ての紋章までは把握していないので……」
しかしアンネマリーにも分からなかったようで、申し訳なさそうに小さく首を振った。
「いやいや、そんなの当たり前だから。むしろ国外の主要貴族の紋章を覚えているだけでとんでもないと思うよ」
「ありがとうございます。そうだ、カリナなら分かるかもしれません。ここが古い遺跡だという事は、現代の紋章ではない可能性が高いのでは?」
「確かに! 千年以上前のものである可能性もあるわけだから、むしろそっちの線の方が濃厚かもしれない……」
古今ジャンルを問わず本を読み漁っているという侍女頭のカリナは、この世界全体の歴史にも詳しい。
ここが遺跡なのであれば、ここにいる人間でカリナ以上に詳しい者はいないだろう。
「カリナー! ちょっと来てください!」
「お呼びですかお嬢様」
織姫が勝手にどこかへ行ってしまわないよう、少し離れたところで膝の上に乗せて遊んでいたカリナが、主人に呼ばれて織姫を抱いたままやってくる。
「ここにどこかの紋章が刻まれているんだけれど、どこのものか分かる?」
「紋章ですか? 失礼いたします……」
カリナがしゃがみ込んで紋章を確認する。
「……これは、アバルーシ国の紋章に似ていますね」
「アバルーシ国??」
しばし考えた後出てきたその言葉に、アンネマリーも首を捻る。
「はい。ズンが建国される以前、この辺りがもっと小さな国々に分かれて長い戦乱の時代だった頃にあった都市国家のひとつです」
「都市国家……」
「大きな国ではなかったそうですが、屈強な大男ばかりを集めた軍が精強で、気まぐれに敵味方を変えては戦いを挑んでいたそうです。この地方の戦争が異常に長期化したのは、この国のせいだったとする説もありますね」
「そんな国があったんですね」
「はい。最終的にはズンに併合されて国は無くなってしまったので、記録はほとんど残っていませんが」
「大男ばかりの少数精鋭な軍か……」
もし彼らが魔法巨人を操っていたのだとしたら、ここにその紋章が入った部品があるのは必然かもしれないな、と考えながら、勇はその冷たい外装にそっと手を置いた。
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