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女神と春時雨  作者: 阿多間伊太
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朝露の女神

『お前はどうして罪無き人間を殺めるような真似をした?』


正しく単刀直入。

雨宮凛が表情に反して淡々と、殺害理由という深く暗い本題へと遠慮なく真っ直ぐに切り込んでいく。

一つ言えるのはこの言動が飲酒によって判断が鈍っているせいではないということだ。


『悔しかった』


その質問に対してそいつは表情一つ変えず、独り言の様に口だけを動かして答えた。


『何が?』


凛も同様作り物の微笑と冷たく険しい目を絶やすことなく真っ直ぐに見つめ、問う。


『どうせ……』


変わらず心ここにあらずといった様子で、しかしその声は震えていた。


『どうせ俺の気持ちなんて解ってくれないんだ!誰も……』


すると突然そいつは光のなかった目に怒りの炎を灯し睨みつけ、叫んだ。

感情任せに発せられたその言葉は質問に対する答えとして成り立っていない。


凛の顔からスーッと笑みが剥がれ落ちていく。

そして口をゆっくりと開き、こう言い放った。


『他人が幸せそうにしている事が悔しくて堪らなかった。交通事故ですべてを失った自分とは違って。これであっているな、雨宮豊』


―――いえ、お父さん。

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