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7.〆
ずぞっ。
夜啼うどんの屋台で、鍋代は箸を止める。
「どうしました、旦那?」
店主が尋ねる。
「このうどん、まずいのう。汁が塩辛いばかりじゃ」
「鰹節の一掴みも入れりゃあそりゃ味も良くなるでしょうがね、こちとら商売でやってますんで、そうそう材料は驕れませんや」
「そうじゃのお……」
ずぞぞぞぞぞっ。
「まあ、残ったうどんをおみおつけの残りに入れるなんてぇのは旨いんですがね。店には出せねえですが」
「おみおつけ……」
湯気は立ち上り、満月をおぼろに隠していた。
ずぞぞぞっぞぞぞっ。
「……案外、鍋の残りでも合うかも知れんのぅ」
読んでいただき、ありがとうございました。
鍋奉行をそのまま誤解するとこんな感じ、というお話しでした。
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