猫侍 鳥獣行脚奇譚
昔、昔、あるところに
お侍の出で立ちをした、大そう大きな猫がおったそうな。
その猫は刀を携え、袴を着て、いかにもお侍の風貌をしてはいたが、
人前で悪戯に刃を向けることはせず、また人を化かす様な悪さもせず、
あっちへフラフラ、こっちへフラフラと、気の向くまま、風の吹くまま、
あてもなく流離っておった。
人はその猫のことを、猫のお侍、「猫侍」と呼び、ふらりと人里に下りてきた時には、
お茶や飯、雨露を凌ぐための軒先三寸程を貸したりして、世話をしてやったそうな。
***ここまであらすじ***
*舞台は江戸時代初期としていますが、物語の関係上、独自の用語が散見されます。少しずつ解説を入れるものの、それらと史実は一切の関係がありません。
お侍の出で立ちをした、大そう大きな猫がおったそうな。
その猫は刀を携え、袴を着て、いかにもお侍の風貌をしてはいたが、
人前で悪戯に刃を向けることはせず、また人を化かす様な悪さもせず、
あっちへフラフラ、こっちへフラフラと、気の向くまま、風の吹くまま、
あてもなく流離っておった。
人はその猫のことを、猫のお侍、「猫侍」と呼び、ふらりと人里に下りてきた時には、
お茶や飯、雨露を凌ぐための軒先三寸程を貸したりして、世話をしてやったそうな。
***ここまであらすじ***
*舞台は江戸時代初期としていますが、物語の関係上、独自の用語が散見されます。少しずつ解説を入れるものの、それらと史実は一切の関係がありません。