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君は奴隷でぼろぼろで  作者: なみだぼたる
第2幕 奴隷は嘘つき偽善者で
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17-1,自己擁護と他者犠牲は簡単で

 窓の角度を気にしながら壁にもたれかかった。まだ心臓が摩擦を起こしている。意識的に呼吸を穏やかにして涼しい表情をしてみた。殺人者の男と行動を共にする逃亡奴隷が留守番中に見た悪夢によって精神を乱すなど自分自身に笑いものにされそうだった。


 私は弱々しく震える自らの左手を右手で力いっぱい握りしめた。自らの頭を撫でてみたが、すぐに回りに人が居ないかどうかも確認した。


 このままアルマの帰りを待つつもりだった。彼のことを今までと変わらず、いつ裏切っても良い存在として認識しておきたい。彼に協力をし私自身も情報を集めることにより彼から高評価を受けることも悪い選択ではないがメリットとデメリットを指を折って考えてみたら、自分はこの家から出ないで過ごしアルマの目的が達成されようと達成されなかろうと予定日には船に乗るために合理的な手段を取ろうと足の筋肉の緊張を緩めた。仕方がない。仕方がない。


 睡眠は本来体力の温存や疲労の回復に繋がるため最良の暇つぶしではあるのだが、思考密度を強制的に高められるような悪夢を見てしまったためかそれとも脳が充分な睡眠をとったと判断してしまったためか、眠れる気配がない。油断せずに緊張感をもって常に万が一に備えておけということだろうか。確かにアルマが帰ってきた時に眠っている奴隷など理想的な奴隷には程遠い。


 いつアルマが帰ってきても良いように足が綺麗に見える姿勢に直すと同時に、突然玄関の扉が開く音がした。戸を開ける音が荒々しい。考えられる可能性は2つ。1つはアルマ以外の誰かが侵入してきたということ。警官がこの場所をつきとめ突入してきたのかもしれない。2つ目は配慮に満ちたアルマがそれを出来ないほどに負傷して帰ってきた可能性。


 あのドアを開けた先には死にかけのアルマがいるのかもしれないが、もし警官であったら捕まるわけにはいかない。私は自らが足音を立てないことと、近づいてくる足音に神経を集中させること、両方に気をつけて最低限の荷物を肩からかけると玄関から遠い位置の窓枠に脚をかける。


 しかし、駄目だ。犬の散歩をしている男性のすぐ奥には見回り中と思われる警官が煙草を加えながら市民に挨拶をしている。


 ついに、この部屋のドアが開いた。私がその姿を見る前に、声が私の耳に届く。


「なぁ、お前は俺に恩がある。そうだろう?」


お久しぶりです。10月2日から投稿を再開すると言っておきながら、小説の書き方が何もわからなくなってしまい結局3日です。もしかしたらここも書きなおすかもしれませんが、ストーリーはさほど変わりません。


活動報告にも書いたのですが、ようやくようやく、職につくことが出来ました。恥ずかしくて情けない報告ですよね。でも嬉しいんです。


ゆっくりゆっくりと命を天秤にかけない程度に仕事を頑張れたらなぁと思います。小説も更新ペースは落ちますが、のんびり書いていけたらと思います。これからもよろしくお願いいたします。


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